カール・リヒターってどんな人?その生涯や性格は?

出典:[amazon]バッハ:管弦楽組曲第2番&第3番、ブランデンブルク協奏曲第5番

カール・リヒターという名前を聞いてピンとくる方は、かなりのクラシック音楽好きかもしれません。カール・リヒターは20世紀を代表する指揮者の1人で、オルガンやチェンバロ奏者でもありました。なかでも「音楽の父」であるバッハの作品に人生をささげ、カール・リヒター自身も「バッハの伝道師」と称されるほどでした。

そこで今回は、カール・リヒターの生涯や人物像をご紹介したいと思います。

カール・リヒターの生涯


54歳という若さで亡くなったカール・リヒター。彼がクラシック音楽界に残した業績は多大なものでした。とても勉強熱心で、その風貌や物静かな語り口から、まるで学者のようだったと評する人もいます。

幼少期から30歳まで

カール・リヒターは、1926年にドイツのプラウエンに生まれました。父が牧師をしていたこともあり、11歳から教会の附属学校に通い音楽を学びはじめました。そのときに、後にライフワークとなるバッハの音楽に触れていたようです。幼少より音楽を学んだカール・リヒターは、1946年20歳の頃にライプツィヒの音楽学校に入学。3年後の1969年には教会音楽の試験に合格し、教会専属のオルガニストとして働きました。

その後、大きなコンクールで優勝したカール・リヒターは、東ドイツの政治体制から離れるために、東ドイツから西ドイツに移動。西ドイツに移動後は、ミュンヘンにある音楽大学で講師として教壇に立ちました。1950年代初頭から合唱団の指揮者を任されるようになったカール・リヒターは、ミュンヘン・バッハ管弦楽団を設立し、この頃から積極的にレコード録音を行うようになりました。

30歳から晩年

30歳になったカール・リヒターは、勤めていた大学の教授に昇進し、ミュンヘン・バッハ管弦楽団を率いてアメリカへ演奏旅行をするなど、精力的に音楽活動を行います。音楽家として経験を積んだ彼は、当時バロック音楽を専門としていたレーベル、アルヒーフでバッハの「マタイ受難曲」を録音。この録音が彼の代表作品となり、現代にも語り継がれています。

また、バッハの作品の中でも特にカンタータを積極的にとりあげており、20年以上の歳月をかけて、およそ70曲の収録を行いました。その間、心臓発作や目の手術などで一時活動を中断した時期もありましたが、回復し活動を再開。ところが1981年、滞在先のホテルにて心臓麻痺によって突然の死去。54歳という若さでこの世を去りました。

人物像

学者肌で物静か

1979年にカール・リヒターが来日した際に、インタビューを行った人がいます。そのときのカール・リヒターの印象は、真面目そうで静かな人だったそうです。話し方もゆっくりとしていたとのことです。

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カール・リヒターは生前「生きている限り、音楽を学び続ける」と友人に語っていたそうです。この言葉から、カール・リヒターの音楽に対する誠実さと探求心が伝わってきます。

カール・リヒターのおすすめ演奏

若くして亡くなったカール・リヒターですが、名盤と称される多くの録音を残しました。ベートーヴェンやブラームスの録音もわずかながらあるものの、おすすめはやはりバロック音楽です。バロック音楽にあまり興味がない方でも、カール・リヒターが指揮するバッハを聞けば、その演奏に圧倒されるはずです。そこで次に、カール・リヒターが指揮をしたバッハの名盤を3曲をご紹介します。

マタイ受難曲(1958年版)

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カール・リヒターの代表作といえばバッハの「マタイ受難曲」があげられます。宗教音楽として最高傑作の1つと称される曲です。およそ3時間にわたる大曲ですが、カール・リヒターの思慮深い解釈を全編を通して味わうことができます。

1979年にも同曲を録音しており、「どちらが良い演奏なのか」ファンの間でもしばしば意見が分かれるところです。しかし、カール・リヒターのバッハを聞こうと思ったのなら、まずは1958年版の録音を聞くことをおススメします。

ミサ曲 ロ単調(1961年)

2曲目は「ミサ曲 ロ単調」です。「マタイ受難曲」と並びクラシック音楽の最高峰とされるこの曲が、カール・リヒターの卓越した洞察と理解によって、よりいっそう輝かしく鳴り響きます。この曲も全27曲からなる大作ですが、最後まで音楽の崇高さが全く失われず、聞く人の心をとらえて離しません。

ブランデンブルグ協奏曲1番~5番(1970)

3曲目は「ブランデンブルグ協奏曲」です。この曲はブランデンブルグ辺境伯(へんきょうはく)に贈呈された曲のため、この名前がつけられました。上記2曲とは曲調が異なり、軽快なリズムと明るいメロディーです。なかでも5番が有名で、一度は聞いたことのある方もいらっしゃるかもしれません。チェンバロ奏者でもあったカール・リヒター自身の演奏も一見の価値ありです。どの曲も20分弱で終わるので、初心者の方はこの曲から聞いてみると良いでしょう。

日本との関係

1969年と1979年の来日

カール・リヒターは1969年と1979年の2度にわたり来日し、日本公演を行いました。1度目の1969年は、ミュンヘン・バッハ管弦楽団とともにバッハの受難曲やカンタータを演奏しました。2度目の1979年は単独で訪れ、カール・リヒター本人によるオルガンやチェンバロ演奏が披露され、日本のファンを喜ばせました。

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