ジョージ・ガーシュウィンってどんな人?その生涯や性格は?死因は?

出典:[amazon]パーフェクト・ピアノ・ロール ~ガーシュウィン・プレイズ・ガーシュウィン Vol.1

20世紀のアメリカクラシック界を代表する作曲家ジョージ・ガーシュウィン。ガーシュウィンは数多くの名曲を世に送り出し、その作品は今でも多くの人に愛されています。とりわけガーシュウィンが作曲した歌曲は、ジャズのスタンダードにもなっており、チャーリー・パーカーやマイルス・デイヴィス、ビル・エバンスなど名ジャズプレイヤーによって演奏されています。そこで今回は、アメリカ音楽界のみならず、ジャンルを超えて愛されているジョージ・ガーシュウィンの生涯について解説します。

ガーシュウィンの生涯


19世紀の終わりに生まれ、20世紀初頭に活躍したガーシュウィン。38歳というあまりにも短すぎる生涯でしたが、その生涯の中で500曲以上の歌を作曲し、ピアノ協奏曲、ミュージカル、映画音楽と多方面に渡って活躍しました。

幼少期から音楽活動開始まで

ジョージ・ガーシュウィンは、1898年アメリカのニューヨークに4人兄弟の次男として生まれました。両親は迫害を逃れて1890年にアメリカに渡った、ロシア系ユダヤ人です。幼少期は決して裕福な家庭とは言えませんでしたが、両親は子供たちのために中古のピアノを買い与えるなど、教育に熱心だったそうです。

ピアノはもともと兄のアイラに与えたものでしたが、文学少年だったアイラは興味を示しませんでした。しかし弟のジョージは驚くべき才能を示し、後に偉大な作曲家へと成長します。ガーシュウィンがピアノに出会ったのは12〜3歳頃だったので、一般の音楽家よりも遅いスタートとなりましたが、逆にそのことが、形式にとらわれることのない作風に繋がったのかもしれません。

音楽にのめりこんだガーシュウィンは、高校を中退し、ソング・プラガー(楽譜宣伝用ピアニスト)として週15ドルで働き始めます。ガーシュウィンが働いていた場所は「ティン・パン・アレー」と呼ばれ、音楽出版社の多い地区として知られています。このころの経験により、ガーシュウィンはピアノの腕を磨き、また音楽的感性でも強い影響を受けることとなりました。

当時の音楽出版社業界は作曲家の「新譜」を売ることが収入源の一つとなっており、次々と発表される作品に触れることで、ガーシュウィンは即興演奏の技術を高めたと考えられます。

人気ソングライターとして活躍

1919年、ガーシュウィンが21歳のときに転機が訪れます。自身が作曲した歌曲「スワニー」が、人気歌手のアル・ジョルソンに歌われ大ヒットとなったのがきっかけで、一気に人気ソングライターの道をかけあがります。その後、文学や詩が好きだったアイラとともに「The Man I love」「I Got Rhythm」「Summer time」など数々の名曲を世に残し、アメリカを代表する音楽家となります。

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なかでも26歳で発表した「ラプソディー・イン・ブルー」はクラシック音楽とジャズを融合させた「シンフォニック・ジャズ」の代表として、音楽史の観点からも重要な作品といってもよいでしょう。さらに、30歳で交響詩「パリのアメリカ人」、36歳のときには、黒人の日常を描いたオペラ「ポーギーとベス」という20世紀を代表する作品を発表するなど、この時期のガーシュウィンは、次々とヒット作品を生み出す時代の寵児(ちょうじ)となりました。こうした作品とは別に、およそ500曲にもおよぶ歌曲や、ミュージカル、映画音楽などを手がけ、さまざまな分野において活躍の場を広げました。

死因は?

亡くなる前年の1936年から急なうつ状態が起こるなど、ガーシュウィンの心身に異常が見られるようになりました。1937年から体調の変化は顕著に現れ、リハーサル中にめまいで倒れたり、吐き気に悩まされます。やがて症状は悪化し、毎日のように意識障害が起きるようになりました。詳しく検査したところ、脳に腫瘍が見つかり5時間におよぶ手術をしましたが、意識は戻ることなく1937年7月11日、38歳という若さで帰らぬ人となりました。死因は、脳腫瘍の一種である多形膠芽腫(たけいこうがしゅ)です。

エピソード

フランスの作曲家モーリス・ラヴェルとの有名なエピソードがあります。
音楽を始めるのが遅かったものの、非凡な才能を持っていたガーシュウィン。しかしさらに音楽への理解を深めるために、同時代のスターであったフランスの作曲家モーリス・ラヴェルに教えを乞います。

しかしラヴェルは「あなたはすでに一流なのに、二流のラヴェルになる必要はない。君自身の道を進みなさい。君に教師はいらないよ」とガーシュウィンの申し出を断ったそうです。
ガーシュウィンは、当時の世界的作曲家にも認められていたことがわかるエピソードです。

>>モーリス・ラヴェルってどんな人?その生涯や性格は?死因は?

またストラヴィンスキーにも同様のお願いをしましたが、当時の収入を聞かれて正直に答えたところ「それなら、僕の方が教わりたいくらいだよ」と断られたというエピソードもあります。

ただこのエピソードはストラヴィンスキー本人によると事実無根とのことで、後に「そういうことがあったら楽しかっただろうな」と回想しています。

>>イーゴリー・ストラヴィンスキーってどんな人?その生涯や性格は?

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、ガーシュウィンの生涯やエピソードについて解説しました。ガーシュウィンは38歳という若さでこの世を去りましたが、彼が残した作品は今もな多くの人に愛されています。20世紀初頭に活躍したガーシュウィンの作品は、華やかでオシャレさに満ち溢れています。クラシックに詳しくない方でも聞きやすい作品がたくさんありますので、ぜひガーシュウィンの作品に触れてみてはいかがでしょうか。

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>>ジョージ・ガーシュウィンの作品の特徴及び評価。おすすめ代表作7選

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