今回はトランペット初心者におすすめの練習曲を紹介します。
1.蛍の光
百貨店やスーパーの閉店前BGM、もしくは卒業式に歌われる曲というイメージの強い曲です。
元となっているのは、スコットランド民謡の「オールド・ラング・サイン」。明治時代に日本語歌詞が付けられ、当時の尋常小学校校歌として採用されました。
この曲はテンポが非常にゆっくりとしており、付点四分音符や付点二分音符など伸ばす音がたくさん出てくるため、初心者でもじゅうぶん取り組むことのできる難易度です。
一音一音を正しい音程で、まっすぐ伸ばせるように意識して練習しましょう。
しっかりとしたロングトーンを覚えることで、さらに難しい曲にもチャレンジできる技術を身に付けられます。
2.美女と野獣
ディズニー映画「美女と野獣」のダンスシーンでポット夫人が歌う、ロマンチックな楽曲です。
覚えやすいシンプルなメロディと、高すぎない音域が練習曲にぴったりです。
試しに練習曲集を買ってみたら、この「美女と野獣」が入っていたということも多いのではないでしょうか。
この曲の楽譜はソロ用だけでなく、トランペット二重奏、トランペット+トロンボーン(もしくはアルトサックス)のデュエットなど様々な種類が出版されています。
基礎練習は孤独なものだと分かっていても、少し辛くなってきた……という方は、仲間と一緒にアンサンブルの練習をしてみると楽しいかもしれませんね。
3.上を向いて歩こう
日本のみならず、海外でも広く愛されている坂本九さんの楽曲です。
ジブリ映画「コクリコ坂から」をはじめ、さまざまな映画の挿入歌としても使用されています。
メロディがほぼ四分音符と伸ばしの音のみで構成されているので、ピッチが合っているか、正しいタンギングで演奏できているかといったテクニック面に集中しやすいです。
最初のうちは楽譜の指示よりもゆっくりとしたテンポを設定し、そこから少しずつ速くしていくようにしましょう。
また、曲に慣れてきたら「どのフレーズを盛り上げて吹くべきか」「ここは少し音を抑えて、切ない感じを表現しよう」といった、音楽的な表現についても意識するのがコツです。
4.見よ、勇者は帰る
ヘンデル作曲のオラトリオ「ユダス・マカベウス」に登場するコーラス部分の音楽です。
運動会などの表彰式BGMでもおなじみの楽曲なので、タイトルは知らないけれど聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
堂々とした雰囲気の曲なので、トランペットで吹くにはぴったりですね。
テンポ自体はさほど速くないのですが、八分音符の細かい動きと、二分音符or全音符の伸ばしがバランス良く登場します。
基礎練習で行った内容がしっかり身に付いているか? ということを確認したいときにも、ぜひこの曲に取り組んでみてください。
5.歌劇「アイーダ」より「凱旋行進曲」
ヴェルディ作曲、歌劇「アイーダ」の第2幕で流れる音楽です。
実際のオペラ公演では、オーケストラとは離れた二階席や、地下などに配置された「バンダ」と呼ばれるトランペット隊が活躍します。
この曲でもっとも有名なフレーズは、三連符と付点のリズムが繰り返し現れるのが特徴。
元気のいい行進曲を吹くのに欠かせないのは、なんといってもタンギングです。力みすぎて音が潰れてしまわないように気を付けながら、はっきりと発音するように心がけましょう。
6.ワシントン・ポスト
「星条旗よ永遠なれ」「雷神」などの名曲を手がけ、マーチ王と呼ばれたスーザの代表曲です。
冒頭での高らかなファンファーレや、バンド全体をひっぱっていくメロディなど、行進曲にはトランペットの存在が必要不可欠。基礎練習の一環として取り組むことで、トランペットを吹く楽しさが味わえます。
また、この曲のトランペットは全体を通してキーが高めです。
トランペットを始めてしばらく経ち、基礎的なことは少しずつできるようになったけど高音が苦手……! という方は、是非この曲に取り組んでみてください。
「うわ、この音ちょっと高い……吹けるかな……」と一歩引いてしまうのではなく、自信をもって思い切り吹いてみるのが苦手克服のカギです。
7.ルパン三世のテーマ
アニメファン以外の方でも一度は耳にしたことがあるであろう、「ルパン三世」のテーマ曲です。
放送されていた時期によってアレンジがそれぞれ異なるので、いくつか楽譜を揃えて挑戦してみるのも楽しいかもしれません。
かなりのアップテンポかつ、細かい音型がたくさん登場するため、タンギングの練習曲にはもってこいの楽曲です。
通常のシングルタンギングに加え、ダブルタンギング(「Takataka……」のように、「ta」と「ka」ふたつの発音で音を区切る奏法)をマスターすることが、細かい音型を演奏しやすくするコツ。
メトロノームを使い、遅めのテンポから繰り返し練習しましょう。
まとめ
トランペットの練習曲は、初心者向けに限ったものでも非常に豊かなバリエーションがあります。
自分が練習したいメニューに合わせて、「今日はゆっくりとしたクラシック曲で」「今日はアップテンポのアニメソングを吹いてみよう!」と計画を立ててみると楽しいかもしれません。
>>トランペットについての解説。吹奏楽における役割や魅力は?向いている人や奏者あるあるなど。
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