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キム・カシュカシャン(1952-)はアメリカ出身アルメニア系のヴィオラ奏者です。強靭なボウイングで幅広いレパートリーをこなし、ヴィオラ音楽の普及に貢献してきた人物でもあります。
今回は、そんなキム・カシュカシャンのプロフィールについて、経歴はもちろん、演奏の評判などについても解説していきます。
キム・カシュカシャンのプロフィール
キム・カシュカシャンは1952年8月31日にアメリカのミシガン州デトロイトに生まれました。現在は世界の音楽大学でマスタークラスを開き、後進の指導にあたっています。
音楽教育からデビューまで
アルメニア系の両親の元に生まれたキムにはディクランという兄弟がいるようです。幼い頃から音楽を学んでいたキムは、ピーボディ―音楽院に入り、ヴィオラをワルター・トランプラーやカレン・タトルなど、ヴィオラ界の名匠に師事しました。
1980年(キム28歳)にはミュンヘン国際音楽コンクールで3位に入賞を果たしました。これを機に知名度も上がり、各国の有名な楽団と共演したり、CDをリリースしたりと忙しいヴィオラ奏者生活をスタートさせたのでした。その後は、ギドン・クレーメル、ダニエル・フィリップス、ヨーヨー・マと弦楽四重奏を組んで活動していた時期もあり、特にバロック音楽や古典音楽に精力的に取り組みました。
私生活
キムは、ミュンヘン国際音楽コンクールを受ける少し前からドイツのフライブルグで生活していました。しかし、1996年にベルリンに引っ越します。これは、娘をドイツ国内の唯一のアメリカンスクールに通わせたかったからだと言われています。お子さんの年齢から考えると、1990年ぐらいに出産されたのでしょう。しかし、当時は誰かと婚姻関係にあったわけでもないようで、お相手がどんな方だったのかは全く分かりません。現在も愛娘と共にアメリカのボストンに住んでいるそうです。
ところで、キムには一つちょっとした悩みがあるそうです。それは、キムの名前がハリウッドセレブの「キム・カーダシアン」によく似ており、頻繁に間違われてしまうということだそうです。Kim Kashkashian(キム・カシュカシャン)とKim Kardashian(キム・カーダシアン)、確かにスペリングも似ていて一見読み間違ってしまいそうです。
現在の活動
古典音楽を得意とするキムですが、クルターク、ペンデレツキ、カンチュリ、ペルトなどの現代作曲家とタッグを組み、新しい作品創りに精を出しているそうです。
また、慈善活動にも熱心で、「Music for Food」という食のためのアートを目指した活動をするグループの創設メンバーとしても忙しく活動されています。「Music to the ears, Food to the table」をモットーに居住環境が無く、食にもありつけない人々を招いた食事コンサートなどを定期的に開催しています。
この活動に熱心なのは、自分のアルメニアのルーツに関係があるそうです。キムの祖父母はオスマン帝国の出身だそうで、当時はヨーロッパやロシアからの搾取、トルコとの戦争などが原因で食糧難に陥り、非常に辛い目を見たとのことだったのです。この教訓を持って、音楽を通じ、人々の食糧難を無くしたいという思いから、「Music for Food 」の立ち上げに至ったそうです。
結婚の噂
キム・カシュカシャンは現在独身のようです。先にも述べたように、既に成人している娘が一人いますが、娘の父親とは婚姻関係になったこともないようで、今現在もパートナーと思しき人物は見当たりませんでした。
ヴィオラ奏者キム・カシュカシャン
キム・カシュカシャンのヴィオラは強靭なボウイングが特徴で、これまでに沢山の演奏活動を行ってきました。
キム・カシュカシャンの演奏
洗練された技術と透明度の高い音色が美しいキムのヴィオラ演奏は、どこか安心がある落ち着いた響きに定評があります。バロックから現代ものまでこなす確かな技術力は70歳を超えた今でも健在で、マスタークラスのレッスンなどで拝聴することが可能です。マスタークラスのレッスンの一部はYouTubeでも視聴可能なので、気になる方はぜひ観てみて下さい。
キム・カシュカシャンの使用楽器
キム・カシュカシャンが使用している楽器については明らかにされていません。有名なヴィオラであることはまず間違いないようですが、具体的な製作年数や作家は分かりませんでした。
キム・カシュカシャンとヴィオラ
キムは、現在のヴィオラ奏者の中でもトップ10に数えられる素晴らしい音楽家です。卓越した技術と音楽性はもちろん、これまでヴィオラ界を牽引してきた活動にも賞賛が寄せられています。
今でこそヴィオラは弦楽器として広く認知されていますが、80年代以前はバイオリンの仲間ぐらいの扱いでしかなく、バイオリンに比べて目立つことはなかったのです。しかし、キムはそんなヴィオラを余程愛していたのでしょう、地味な楽器だったヴィオラに「ヴィオラ」としてのポジションを与えるため、ソロ活動、CD録音(30枚以上リリース)、室内楽団での活動と精力的にこなしたのです。古典楽器としてのニュアンスが強かったヴィオラを現代曲にも使用するなど、レパートリーだって広く対応できるんだというヴィオラの真の姿を見せつけていったのです。
このこともあり、1980年代以降、ヴィオラの技術は大きく進歩し、認知度も物凄く高まったのです。キムの貢献がなかったら、今でもヴィオラは古典楽器の一つ程度にしか見られなかったかもしれません。それだけ、キムの行った活動の意味は深く、素晴らしいものだったことがうかがえます。
まとめ
ヴィオラ奏者のキム・カシュカシャンについて、プロフィールや演奏、私生活をみてきましたが、いかがでしたでしょうか。
ヴィオラが今ほど有名ではない時にいち早くヴィオラの素晴らしさに気付き、世にその素晴らしさを広めてきたキムは、今なおヴィオラ奏者の後進指導に熱心で、ヴィオラ一筋なのがよくよく伝わってきます。
キムの演奏はYouTubeでも見られるので、気になるという方はぜひ検索してみて下さい。
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