今回はクラリネットを始めた方にぴったりな練習曲を紹介します。
1.グルーサン:クラリネット学習のための合理的原則
最初に、クラリネットを始めたばかり~1年目の方にオススメの練習曲です。
この練習曲は、主に「安定したロングトーン」を身に付けることを目標としています。
クラリネットに限らず、管楽器を始めたばかりの頃は、息を吹き込んでもなかなか綺麗で大きい音が鳴りません。
「クラリネットらしい音が全然出せるようにならない……」と焦ってしまうかもしれませんが、それはプロアマ問わず誰もが通る道です。まずは、ピッチや音程の安定した音を出せるように、ロングトーンをじっくり練習しましょう。
2.J.ランスロ:26のエチュード
※動画の第2番参照
続いての練習曲は、クラリネットを始めたばかり~数か月の人向けのものです。初心者以外の方でも、多くの方が練習曲として使用しています。
正しいピッチを身に付け、アタック(音の立ち上がり)をはっきりとつけるためのトレーニング曲として最適です。
全体の構成としては、易しい曲から始まり、番号が進むにつれて調合(#や♭)が増え、テンポが速くなり……と、次第に難易度が上がるようになっています。
「今月中にここまで吹けるようになる!」と目標を立てて練習していくと、自分の上達度合が分かりやすくオススメです。
3.クローゼ:クラリネットのための日課練習
曲のなかで主旋律を演奏するのがほとんどであるクラリネットは、時に素早いパッセージや複雑な運指を求められることがあります。
そんな楽器にチャレンジしよう!と思ったとき、運指は決して逃れることのできない、大きな壁となって私達に立ちふさがります……。
しかし、この練習曲にじっくり取り組んでいけば、運指への不安はいつの間にか薄れていくこと間違いなしです!
練習の際のコツとしては、初めのうちはゆっくりなテンポで、ひとつひとつの音をしっかり鳴らせるように心がけましょう。
慣れないうちの練習で陥りがちなのが、「速く吹けるようになろう!」と意気込むあまり、最初から速いスピードのまま練習してしまうこと。
遅いテンポで確実に吹けるようになってから、少しずつテンポを速めていくようにしましょう。
4.アメイジング・グレイス
クラリネットのみならず、様々な楽器の練習曲として教本に収録されている曲です。
音の動きが少なく、運指の練習に最適です。
音域は1オクターブ内におさまっており、テンポもゆっくりと演奏される曲なので、初心者でも無理なく練習することができます。
伸ばしているうちにピッチや音量がぶれてしまわないよう、息のスピードを保ちながら吹くことも大切な注意点です。
フレーズが非常に美しい曲なので、慣れてきたらフレーズや強弱のメリハリにも気を付けて吹くようにしましょう。
5.ハッピーバースデートゥーユー
こちらも練習曲として定番のナンバーです。
「ハッピーバースデー ディア……」の部分で真ん中のソ→高いソ、というオクターブの跳躍が登場します。
オクターブの移動時には、上管の裏側(左手親指が触れる側)にあるレジスターキーを使うのですが、慣れないうちはこれが非常に厄介です。
余計な音が入ってしまったり、移り変わりにぎこちなさが生じたりしなくなるよう、ゆっくりのテンポから根気よく練習しましょう。
曲をマスターできたら、家族や友人など親しい方が誕生日のときに演奏のプレゼントをしてみてはいかがでしょうか?
6.聖者の行進
ジャズアレンジも頻繁にされている有名曲です。ピッチを安定させて吹くための練習曲としてオススメです。
楽器に慣れないうちは、長い音を伸ばしている途中で息のスピードが落ちてしまいがちです。
この曲には二分音符や全音符が多く出てくるので、音の終わりまでスピードを保ったまま、正しいピッチと音量で吹けるように練習しましょう。
7.よろこびの歌
日本では年末の風物詩ともいえる、ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱つき」より、第4楽章のもっとも有名なフレーズです。
少ない音数でフレーズが構成されているので、クラリネットを始めて数週間~1ヶ月程度の初心者でも取り組みやすい難易度です。
練習していくうちにピッチや息のスピードを安定させられるようになったら、長いスラーでつながったフレーズを意識しながら吹くように心がけましょう。
楽譜に書かれた音を単調に鳴らすのではなく、曲の中でどこを盛り上げて吹くか、どこを抑え気味にするかを考えながら演奏できるようになると、表現力がぐっと高まります!
まとめ
伝統的な教則本に収録されているような練習曲に加え、プロの方も様々なアレンジで演奏している有名曲も数種類紹介させていただきました。
基礎的な練習は地道で辛いですが、時にはポップスや映画音楽を簡単にアレンジした練習曲に取り組むことで、楽しみながら上達を目指すことができます。頑張りましょう!
コメントを残す