出典:[amazon]ドヴォルザーク:交響曲第6番、序曲「わが家」
チェコの作曲家であるアントニーン・レオポルト・ドヴォルザークは、チェコ国民楽派を代表する作曲家です。そのドヴォルザークの代表作「ユーモレスク」についての解説と、演奏に関する難易度や注意点についてまとめていきます。
作曲家ドヴォルザーク
まずは作曲者自身の生涯や交友関係について、簡単に紹介をします。
ドヴォルザークの生涯
作曲家として成功を収めたドヴォルザークですが、実はそこまでの道のりは決して簡単なものではありませんでした。
ドヴォルザークが長男として生まれた実家は、肉屋と宿屋を営んでいました。そのため長男に仕事を継いでほしいと思っていた両親によって、ドヴォルザークは何度も音楽をやめさせられそうになっています。しかし、その度にまわりの人たちが両親を説得したり援助をしたりしてくれたことにより、ドヴォルザークは音楽を続けることができたようです。
音楽を学校で学び、卒業後は演奏者として活動をしていたドヴォルザークですが、30歳のころには作曲に専念するためにオーケストラを辞めることを選びました。そして作曲された作品によって、名前が知られるようになっていきます。
また海外でも作品が上演されるようになると、さらに人気が高まっていったドヴォルザークは様々な栄誉を手にします。そしてアメリカでも活躍しましたが、1895年に帰国して以降、今度は作曲のジャンルをオペラに絞り、晩年まで作曲をし続けました。
交友関係
プラハのオルガン学校在学中に友人となった、カレル・ベンドルという人物とは、学校を卒業した後も親交が続き、自身の作品の初演を行ってもらうほど良い関係だったようです。
また、ドヴォルザークはブラームスとも交流がありました。きっかけは、ドヴォルザークの作品をブラームスが気に入って、出版社に紹介をしたことだったようです。その後ドヴォルザークの作品は出版されるようになっているため、ドヴォルザークが有名になるきっかけはブラームスとの出会いだったとも言えるかもしれません。そしてドヴォルザーク自身がブラームスを訪ねて行ったことから、個人的な関係が始まったようです。
ドヴォルザークの代表作
今回紹介する「ユーモレスク」を作曲したドヴォルザークには、他にも代表的な作品がたくさんあります。そこで、他の代表作や代表的なジャンルについての解説をまとめました。
代表的なジャンルと他の代表作
よく知られている作品のジャンルとしては、交響曲が最も有名ではないでしょうか。交響曲は1番から9番まで作曲されましたが、恐らく一般的に知られている有名な作品と言えば、第9番があげられます。
また「イギリス」と呼ばれていた第8番ですが、この作品自体はイギリスをイメージしたわけではありませんでした。これは、ドヴォルザークの作品を出版していた出版社とドヴォルザークの関係が悪化したことにより、この作品の出版がロンドンの出版社になったことでそのように呼ばれるようになったと言われています。
またドヴォルザークの代表作の中でも特に有名な作品としては、「スラヴ舞曲集」や「チェロ協奏曲」などがあげられます。
「8つのユーモレスク」について
1894年に作曲されたこの作品は、もともとピアノ用の作品として作曲されていますが、現在ではヴァイオリン編曲でも知られています。
「8つのユーモレスク」という通り全8曲ありますが、特に有名なのが第7番です。この7番を使用したアニメやゲームがあるため、クラシックに詳しくなくても、どこかで聞いたことがあると感じるかもしれません。
「8つのユーモレスク 第7番」の難易度や注意点の解説
「8つのユーモレスク 第7番」は、ドヴォルザークのピアノ作品の中でも特に有名な1曲です。その演奏に関する解説を、難易度と注意点にわけてまとめていきます。
難易度について
ゆったりとした雰囲気で始まる曲のため、本来の難易度よりも簡単に感じるかもしれませんが、実際は中級から上級くらいの難易度があります。全体的にゆったりとはしていますが、細かな音も多く、たくさんの飾りが入ってくるため、練習を始めてみたら思ったよりも苦戦するというタイプの作品です。
注意点について
最初のゆったりとした雰囲気の部分では、細かな音のリズムと飾りの付け方に注意が必要です。飾りはただ速く付けるのではなく、どのように聞かせるのかを考えて1つずつ丁寧に入れていきます。またテクニックに関しては、飾りを速く弾こうとしてアクセントが付いてしまったような状態になると、曲の雰囲気とは違ってきてしまうので、やはり繰り返し練習をすることが大切です。
中盤で雰囲気が大きく変化する部分では、そのドラマチックな展開のための表現力が必要です。変化する前のところから流れでそのまま入ってしまうのではなく、変化があるということを考えた移り変わりを意識する必要があります。またテクニック部分では、同じようなフレーズの中にも少し違いがあるので、そこを美しく聞かせられるように細かな指の動きをしっかり訓練することが大切です。
全体的に強弱の細かな指示だけでなく、スタッカートやテヌート、アクセントなどの指示も細かく入っているので、それぞれの音を1つずつよく考えて表現しなければなりません。
>>アントニーン・レオポルト・ドヴォルザークってどんな人?その生涯や性格は?
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