アントニーン・レオポルト・ドヴォルザークの作品の特徴。代表曲おすすめ9選

出典:[amazon]ドヴォルザーク:交響曲第6番、序曲「わが家」

後期ロマン派の作曲家、アントニーン・レオポルト・ドヴォルザークという人物をご存じでしょうか?チェコ国民楽派として知られるドヴォルザークですが、代表作には様々な作品があります。それらの作品を紹介していきますので、もし気になるものがあれば聞いてみて下さい。

ドヴォルザークについて

まずは、作曲者自身のことについて簡単に解説をします。

生涯

作曲家として活躍したドヴォルザークですが、実家が肉屋と宿屋をしていたことや、自身が長男として生まれていたことで、両親は音楽をやめさせて家の仕事を継がせようとしていたようです。しかし、様々な人の説得や援助によって、ドヴォルザークは音楽を学ぶことができました。オルガン学校在学中には、卒業後も親しい関係が続く友人とも出会っています。

そしてオルガン学校を卒業すると、当初は演奏者として活動を開始しますが、30歳くらいになると作曲に専念し始めました。そこからドヴォルザークの名前は知られていくようになり、海外でも作品の演奏が行われるような人気作曲家となっていきます。

そしてアメリカでの数年間の活動後帰国すると、作曲をオペラに絞って力を入れるようになり、晩年までその作曲を行いました。ドヴォルザークは、オペラで大成功をしていないことを気にしていたようです。

作品の特徴や代表ジャンル

最初はワーグナーの影響が見て取れたドヴォルザークの作品でしたが、段々とそういった影響は無くなっていきました。実際、ワグネリアンとされていたドヴォルザークは、後にブラームスと良い関係を続けていくことになります。当時の音楽界では、ワーグナーとブラームスは対立関係にありました。

また、よく知られている代表的なジャンルとしては、やはり交響曲が最初にあげられるのではないでしょうか。ドヴォルザークの交響曲は、第1番から第9番まで作曲されました。

交響曲のおすすめ2選

交響曲で有名なドヴォルザークの最初の交響曲は、1865年の作品です。しかし実際に演奏されたのは、ドヴォルザークが亡くなってしばらく経ってからのことでした。

交響曲第8番

ドヴォルザークの交響曲としては少し短めのこの第8番は、演奏時間が約35分~40分です。1889年に作曲され、翌年に自身の指揮によってプラハで初演が行われました。

「イギリス」とも呼ばれていましたが、現在ではあまり使われない呼び方のようです。理由としては、この作品は「イギリス」を意識して作曲されたものではないということがあげられます。そう呼ばれるようになったのは、この作品の出版がロンドンの出版社で行われたからでした。実はこのころ、ドヴォルザークの作品を出版し続けていた出版社とドヴォルザークの関係が悪化していたそうです。そこでドヴォルザークは、いつもの出版社ではなくロンドンの出版社に持ち込んだとされています。

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交響曲第9番「新世界より」

この作品は特に有名で、冒頭から少し進んで聞こえてくるメロディーには聞き覚えがあるのではないでしょうか。

作曲は1893年で、ドヴォルザークがアメリカで活動していたころの代表的な作品の1つです。また、同年に行われた初演は大成功を収めました。

交響曲以外の器楽曲からおすすめ5選

この5選では、ピアノ作品、ヴァイオリンとピアノのための作品、管弦楽作品、協奏曲などの紹介をします。

8つのユーモレスク

全8曲のこのユーモレスクは、第7番が最も有名な作品です。ピアノのために作曲されましたが、ヴァイオリン編曲も耳にする機会があるかもしれません。作曲は1894年です。

ロマンティックな小品

ヴァイオリンとピアノのための小品集で、全4曲です。もとは弦楽三重奏曲として作曲されたものでした。1887年に作曲され、同年に初演が行われています。

「スラヴ舞曲」

第1集と第2集があり、それぞれ8曲からなる曲集です。ブラームスの「ハンガリー舞曲集」のような曲集の作曲依頼が、出版社からあったことをきっかけに作曲されました。どちらもピアノ連弾用に作曲されていますが、その後ドヴォルザーク自身によって管弦楽編曲も行われています。第1集は1878年、第2集は1886年に作曲されました。

チェコ組曲 Op.39

全5曲からなる管弦楽のための組曲で、1879年に作曲されました。初演も同年に行われていて、演奏時間は約25分前後です。

チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104

「ドヴォルザークのコンチェルト」を短くした「ドヴォコン」とも呼ばれるこの作品は、作曲が1894年から1895年にかけて行われ、1896年に初演されました。演奏時間は約40分です。

もとはハヌシュ・ヴィハーンというチェロ奏者からの依頼で作曲をしましたが、ヴィハーンからの意見に怒ってしまったドヴォルザークは、初演を違うチェロ奏者に任せてしまいます。しかし、献呈はヴィハーンにされたようです。

声楽曲のおすすめ2選

声楽曲でも有名な作品の多いドヴォルザークですが、その中から2作品に絞って紹介をします。

歌曲集 「ジプシー歌曲集」

この歌曲集の中でも、特に第4曲の「わが母の教えたまいし歌」は有名です。より知られるようになったきっかけは、ヴァイオリンとピアノのための編曲だったとされています。1880年に作曲された、全7曲の曲集です。

歌劇「ルサルカ」

この作品中の第1幕「月に寄せる歌」は最も有名です。1900年に作曲されると翌年には初演が行われました。演奏時間は約2時間半です。

>>アントニーン・レオポルト・ドヴォルザークってどんな人?その生涯や性格は?

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