アルカンジェロ・コレッリの作品の特徴。代表曲おすすめ2選

出典:[amazon]Arcangelo Corelli: 6 Concerti Grossi Op. 6

イタリアの作曲家・ヴァイオリニストとしても有名なアルカンジェロ・コレッリ(1653-1713)。コレッリの残された作品はとても少なく、多くの作品は破棄されたと考えられています。なぜコレッリは作品を破棄したのか明らかにはされていません。
今回はコレッリの作品の特徴、そして全作品の中でも特に有名な、『合奏協奏曲集 作品6』の第8番「クリスマス協奏曲」、『ヴァイオリン・ソナタ 作品5』の第12番「ラ・フォリア」を紹介していきます。是非最後までご覧ください。

アルカンジェロ・コレッリの作品の特徴とは

数多くの人に愛されてきたコレッリの作品の特徴は、旋律の美しい流れと伴奏パートの丁寧な扱いが印象的です。コレッリが古風な対位法の厳格な規則から自由であったといわれるのももっともだと言えますね。
死後出版の作品集のなかにある、「トランペット・ソナタ」が彼の唯一の管楽器のための作品です。そのほかの作品はすべて、弦楽器と通奏低音のためのものになっています。
コレッリの様式はすでに旋法のための厳格対位法ではなく、「調性のための対位法」のいくつかの特質が表れています。

代表曲2選を紹介

コレッリは59歳の生涯をかけて、様々な作曲をしてきました。しかし、現在残されているのは、全作品でCDに例えても12枚程度と極めて少ないのです。冒頭でも述べた通り、多くの作品を破棄してきたのだと考えられています。しかし、なぜ破棄してしまったのか、真相は不明のままです。
最有力説は「パトロンが作品の推敲を許し、納得がいくまで書き直しできる環境を与えたから」とされています。コレッリの書式の密度の高さを考えると、ありえない話ではありません。
今回はその中でも有名な2曲、「ラ・フォリア」と「クリスマス協奏曲」を紹介していこうと思います。

『合奏協奏曲集 作品6』より第8番「クリスマス協奏曲」

「クリスマス協奏曲」というのは、コレッリの作曲した「合奏協奏曲集 作品6」の第8番にあたる曲です。コレッリ自身が、最終楽章の牧歌風の旋律が特徴のパストラールに“キリスト降誕の夜のために”と記している通り、クリスマスの夜に行われるミサ用に作曲されたことから、このタイトルが付けられていて、コレッリの信仰に基づいて書かれた協奏曲であることがうかがえます。
また、コレッリの合奏協奏曲の中でも特に人気のある曲でもあり、映画「マスター・アンド・コマンダー」のサウンドトラックにも使用されているほどです。
この「クリスマス協奏曲」は第1~6楽章まであり、各楽章で緩急が異なるのも聴きどころの一つです、
厳格で深く敬い、態度をつつしむ気持ちになる空気が立ち込むなかから徐々に快活さが顔を出して表情も豊かになっていき、やがておおきな歓喜を迎える。そして、そののち柔らかくあたたかな平穏がもたらされる。そんな曲調が全楽章を通して物語られているので、意識せずともキリストの降誕を思わせられるはずです。

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『ヴァイオリン・ソナタ 作品5』の第12番「ラ・フォリア」

「フォリア」は、もともとバロック期の音楽形式のひとつで、16世紀前後にスペインからポルトガルで生まれた舞曲が起源となっています。「フォリア」はスペイン語で、狂気、あるいは常に常軌を逸したという意味です。
17世紀になると、ゆっくりした3拍子の舞曲の形式に変わっていきます。
この時期コレッリにとって最も脂がのった時期でした。コレッリはこの曲を変奏曲式に仕上げました。穏やかな16小節の主題で始まりますが、変奏をかさねるうちに、いろいろな色彩に変化していきます。「ラ・フォリア」が含まれている、「ヴァイオリン・ソナタ 作品5」はヨーロッパ中の宮廷で評判となり、何度も再販や再出版が重ねられるベストセラーになりました。
そして、今なお、現代のヴァイオリン学習者達に愛されています。
変奏部分の演奏では、ヴァイオリンを習得するうえで、技巧的にも音楽的にも重要な要素を学べるので、ヴァイオリン学習者は“必ず通る曲”とされているようです。

まとめ

残した作品は少ないながらも、確実に耳に残る作品を作ったコレッリの曲ですが、どの曲も、流れるような、それでも力強い時もある曲調に一度聴いたらまた聴きたいと思ってしまうような素晴しい作品たちです。私自身もコレッリの曲にすっかり魅了され、聴いているうちに癒されていました。
沢山の作品を破棄したというところから、私にはコレッリはとてもこだわりが強く、真面目な印象を受けました。皆さんはコレッリの作品を知り、どのように思われましたか?調べていると、優しいコレッリという単語がよく目につきました。
YouTubeで色んな方が演奏していたり、このサイトでもコレッリの生涯を調べたりしています。是非他の記事もご覧になってくださいね。最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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>>アルカンジェロ・コレッリってどんな人?その生涯は?性格を物語るエピソードや死因は?

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