アントニオ・サリエリの作品の特徴。代表曲おすすめ6選

出典:[amazon]The Best of Salieri (Remastered)

アントニオ・サリエリを知っているでしょうか?彼はモーツアルトと同じ時代に生き、ベートーベンやシューベルトを弟子に持つ等、その時代を代表する素晴らしい音楽家でした。
近年、再評価されつつある彼の作品の特徴や代表作ついてご紹介します。

サリエリが音楽家となった背景

1750年、北イタリアのレニャーゴで生まれたサリエリは、幼いころからヴァイオリンやチェンバロを学んでいました。13歳で両親を亡くし孤児となったサリエリは、父の友人がいたヴェネツィアに移住します。オペラが盛んだったヴェネツィアで、サリエリはオペラにのめりこんでいきます。そこで出会ったウィーン宮廷作曲家のガスマンに才能を見出され、ガスマンの弟子として、共にウィーンへと移りました。また、当時すでにオペラ作曲家として成功していたグルックとの出会いも、サリエリの音楽に大きな影響を及ぼしました。

サリエリの作品の特徴

サリエリはイタリア人であることから、イタリアらしい豪華絢爛さや華やかさ、人々を魅了する甘美な旋律が多用されています。また耳馴染みの良い旋律も特徴で、大衆の評判も良かったようです。そしてサリエリは長くウィーンで宮廷楽長を務めていたことから、ドイツ系らしい厳格さ真面目さも兼ね備え、格調高い音楽でもありました。宗教曲をはじめとする室内楽や、協奏曲等も作曲していますが、高く評価されていたのは、やはりオペラでした。台本を読み取り、その作品や言葉、歌を重点においた作品が多かったようです。

それでは、サリエリの数ある代表作の中から、オペラの作品をいくつかご紹介します。

代表曲(オペラ)のおすすめ

「アルミーダ」1771年初演

ウィーンのブルグ劇場で初演されたこの作品は、サリエリの出世作とも言われています。
原作となった物語は、サリエリ以前にもヘンデルやヴィヴァルディ等、約30人もの作曲家がすでにオペラ化していました。そのため、他の作曲家との実力の差を見せつけ、サリエリの音楽の素晴らしさを知らしめる作品となりました。もちろん初演は大成功で、国外でも多く上演されるようになり、サリエリの実力とともに知名度も上がった作品となりました。

「ヴェネツィアの市」1772年初演

サリエリ自身、初の喜劇で成功した作品です。アルミーダの成功を後押しするかのように、同じくこの作品もヨーロッパ中で高い評価を得ました。ヴェネツィアの活気ある街並みが、多彩なオーケストレーションで鮮やかに表現されています。また、超絶技巧を必要とするアリアも、観客を魅了しました。その成功は、多くの作曲家が気にせずにはいられませんでした。初演の翌年、モーツアルトは第2幕のフィナーレを主題に、「6つのピアノ変奏曲」を作曲しています。

スポンサーリンク

「見知られたエウローパ」1778年初演

サリエリがいかに高い評価を得ていたのかを象徴する作品です。この作品は、今なお世界最高峰の劇場として君臨するミラノ・スカラ座のこけら落とし公演のために作曲されました。
当時ウィーンで活躍していたサリエリは、イタリアではまだその知名度は高くなかったようです。しかしこの作品をきっかけに、イタリア全土にも彼の名が広まるようになります。
スカラ座のための作品であるため、残念ながら他の劇場での再演は一切なく、ほどなくしてスカラ座のレパートリーからも姿を消してしまいましたが、2004年に約200年ぶりに再演されています。

「ダナオスの娘たち」1784年初演

サリエリ初のフランスオペラの作品です。元々はグルックと共作する予定のオペラでした。当時サリエリは、フランスオペラ関する知識や経験がほとんどありませんでした。結果的に、グルックの助言を受けながら、作曲自体はすべてサリエリが担当していました。最初は共作として発表されましたが、グルック自身が、「サリエリが全てひとりで作曲した」と告白しています。しかしこの作品ではグルックの要素が多く組み込まれており、サリエリも、「音楽を一人で作曲したのは事実ですが、グルックの指導のもと、その天才に感化されて書いたのです」とパリ新聞に寄せています。

「はじめに音楽、次に言葉」1786年初演

サリエリとモーツアルトは、ウィーンに滞在するオランダ総督夫妻の祝宴用として、それぞれオペラの作曲を始めます。モーツアルトは「劇場支配人」を作曲し、サリエリはこの「はじめに音楽、次に言葉」を作曲しました。そのため、この二つの作品は比較されることが多かったようです。音楽的にはモーツアルトに軍配が上がったようですが、オペラの作品としては、元々台本が素晴らしかったサリエリの作品も非常に高く評価されました。
日本でも1974年に東京室内歌劇場が「オペラ問答」のタイトルで初演している作品です。

「ファルスタッフ」1799年初演

原作はシェイクスピアの喜劇「ウィンザーの陽気な女房たち」です。サリエリ後期の作品で、物語は原作に忠実に作成されました。また、音楽は、円熟した作曲の手腕をふんだんに駆使して作曲されているのがよくわかります。高く評価されたのは言うまでもなく、この時代のサリエリの代表作となりました。そして、初演からわずか2か月後、ベートーベンが「ファルスタッフの二重唱“まさにその通り”の主題による10の変奏曲」を発表しています。
現代においても、1961年にシエナで復活したのをきっかけに、繰り返し上演されている作品です。

まとめ

以上、サリエリのオペラの作品をいくつかご紹介しました。
サリエリは、素晴らしい音楽家であり、当時の音楽界において重要な人物でありながら、晩年はモーツアルトの毒殺疑惑というあらぬ疑いをかけられたために、功績までもが歴史から消えてしまいました。しかし近年、サリエリの作品は少しずつ復活しています。
今後、サリエリの作品を触れる機会がさらに増えることでしょう。

👉〔amazon〕アントニオ・サリエリのCDはこちら。

>>アントニオ・サリエリってどんな人?その生涯や性格は?弟子は?

>>[amazon]クラシックのジャンル別話題作をチェック!

スポンサーリンク
関連記事
(Visited 13 times, 1 visits today)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)