ホアキン・ロドリーゴの作品の特徴及び評価。おすすめ代表作5選

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20世紀のスペインを代表する作曲家ホアキン・ロドリーゴ。幼少期に失明するというハンデを負ったロドリーゴですが、8歳で本格的に音楽を学び始めると、すぐさまその才能を開花させ、ピアノ曲や交響詩、そしてギター曲などのジャンルで優れた作品を世に送りだしました。
なかでも、1939年に作曲した『アランフェス協奏曲』は、スペインの大地を思わせる雄大さと、哀愁漂うメロディーにより現在も絶大な人気を獲得しています。

「ロドリーゴといえばアランフェス」と言われるくらい本作は定着していますが、実はこの曲以外にもロドリーゴは、多くの名曲を残しています。
そこで今回は、ロドリーゴの作品の特徴やおすすめ代表作を5つ紹介します。

ホアキン・ロドリーゴの作品の特徴について

ロドリーゴの作品にはどのような特徴があるのでしょうか。ここでは簡単に2つの特徴を解説します。

スペイン民俗音楽の影響

1つ目は、スペインの民俗音楽による影響です。アルベニスやファリャと同じく、ロドリーゴもスペインの民俗音楽を多く用いることで、作品の幅を広げました。
そのため、作品にはフラメンコの要素や典型的なスペインのリズムが使われ、クラシック音楽の中にスペインの情熱が表現されています。ロドリーゴの作品においては、とくに激しいリズムや情熱的なメロディーの対比、そして劇的な強弱の使い分けが特徴的であり、スペインの精神性が色濃くうかがえます。

協奏曲ばかりではない

ロドリーゴの作品といえばギター曲や協奏曲が有名です。しかし、ロドリーゴは管弦楽曲やピアノ曲も数多く作曲しているほか、交響詩においてもいくつか作品を残しています。
なかでもピアノ曲『物売りの声を模(も)したトッカータとカスティーリャ風ソナタ』や『16世紀の5つの小品』などが有名で、ピアノ曲の作曲家としても業績を残しました。
あまり聴く機会はありませんが「ロドリーゴの作品は協奏曲だけではない」ということをぜひ覚えておいてください。

ホアキン・ロドリーゴのおすすめ代表作5選

ロドリーゴのおすすめ作品を5曲紹介します。ロドリーゴの作品は管弦楽曲、交響詩、吹奏楽、ピアノ曲など多岐にわたるジャンルに及びますが、今回はおもに協奏曲を中心に解説します。

ある紳士のための幻想曲

ギタリストの巨匠アンドレス・セゴビアの依頼によって作曲された、ギターと管弦楽のための協奏曲です。1954年に作曲され、4年後の1958年にセゴビアのギター独奏によりサンフランシスコにて初演が行われました。自由な形式で書かれた4楽章構成となっており、17世紀のスペインの作曲家ガスパル・サンスの作品にインスピレーションを受けて作曲されたと言われています。
また各楽章には以下のような標題が付けられています。
第1楽章・・・ビリャーノとリチェルカール
第2楽章・・・エスパニョレータとナポリ騎兵隊のファンファーレ
第3楽章・・・たいまつの踊り
第4楽章・・・カナリオ

演奏時間は20分程度の比較的小規模な協奏曲ですが、円熟したロドリーゴのオーケストレーションが楽しめる1曲です。

ギャラント様式による協奏曲

1949年に作曲したチェロと管弦楽のための協奏曲です。ロドリーゴは生涯で2曲のチェロ協奏曲を作曲しており、本作はその最初の作品です。チェリストのガスパル・カサドの委嘱によって作曲され、同年、マドリッドにて初演されました。この頃のロドリーゴは協奏曲の依頼が多かったため当初は難色示したものの、ギャラント様式を用いることで依頼を引き受けたそうです。初演は成功を収め、翌年1950年にはローマでも初演が行われました。

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本作の完成を受けて、依頼者のカサドは次のように述べています。
「チェロとオーケストラのためのレパートリーを大幅に豊かにする優れた作品だ…楽器編成の経済性により、ソロ・チェロがオーケストラの重厚さにかき消されることのない稀有な楽譜のひとつとなっている」

またタイトルの「ギャラント様式」とは、1750年から1770年代に流行した、素朴さを主張した様式のことです。

パストラル協奏曲

さまざまな楽器による協奏曲を作曲したロドリーゴ。本作は後期にあたる1978年に作曲されたフルート協奏曲です。フルート奏者のジェームズ・ゴールウェイの依頼で作曲が開始され、同年、ロンドンにて依頼者の独奏で初演が行われました。

全3楽章で構成され、演奏時間は約20分程度です。タイトルの「パストラル」とは、スペインの田舎風景を想起させる音楽を意味し、本作は「田園風協奏曲」とも呼ばれています。

アンダルシア協奏曲

『アランフェス協奏曲』の大成功により、作曲家としての名声を築いたロドリーゴ。これ以来、彼はピアノ、ヴァイオリン、チェロといったさまざまな楽器の協奏曲を生み出します。
本作もそれにならい、4つのギターと管弦楽のための協奏曲として作曲されました。

1967年にスペインの有名ギタリスト、ロメロ一家から委嘱され、この年にアメリカ・テキサス州サンアントニオにて初演が行われています。
全3楽章で構成され、演奏時間はおよそ25分です。4本のギターによる演奏は、圧巻ですよ。

アランフェス協奏曲

『アランフェス協奏曲』*ベルリンフィルハーモニー*世界最高の響き*作曲:ロドリーゴ
本作は、ロドリーゴの名を世に知らしめるきっかけとなった作品です。上記の4作品も、本作の成功がなければ生まれなかったかもしれません。1939年に作曲されたギター協奏曲で、翌年1940年にバルセロナにて初演が行われ、大成功を収めました。

タイトルの「アランフェス」とはスペインの古都であり、スペイン内戦によって被害を受けたことから、アランフェスの平和を願って作曲されたといわれています。

全3楽章で構成されており、なかでも第2楽章の哀愁漂うメロディーが有名です。本作はジャズ界の巨人マイルス・デイビスやチック・コリアの『スペイン』でもカバーされたことで話題となりました。協奏曲にありがちな複雑さが可能な限り排除されており、本作について作曲家フランシス・プーランクは「1音の無駄もない」と絶賛しています。

まとめ

今回はホアキン・ロドリーゴの作品の特徴やおすすめ代表作について解説しました。ギター作品で成功したロドリーゴですが、本人はあまりギターが得意ではなかったのは意外に思われた方も多いことでしょう。
この記事でご紹介したように『アランフェス協奏曲』の他にも、ロドリーゴは傑作を数多く残しています。どの作品も耳馴染みの良い美しい作品ばかりですので、ぜひ一度聴いてみてはいかがでしょうか。

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