フランツ・ヨーゼフ・ハイドンの作品の特徴。代表曲おすすめ10選

出典:[amazon]<ダイレクト・カットSACD>《ハイドン交響曲集Vol.6》交響曲第39番、第61番、第73番「狩り」

古典派を代表する作曲家の、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンをご存じでしょうか。恐らく、ハイドンの名前は知っていても、作品名はほとんど思い浮かばないという方が多いのではないかと思います。

ハイドンは、エステルハージ家の侯爵に雇われて、約30年そこで働きました。最初は副楽長として働き始めましたが、当時の楽長が亡くなった後、楽長になっています。そして約30年経ったころに、音楽に興味のない侯爵に当主が変わったことで、エステルハージ家を出ることになりました。

その後、イタリアを訪問したハイドンは、さらに有名な作品となる代表作をいくつも生み出しています。

ハイドンの作品

まずは、ハイドンの作品に関する特徴やジャンルなどの紹介をしていきます。

代表的なジャンル

ハイドンは「交響曲の父」とも呼ばれますが、このフレーズに聞き覚えのある方は多いのではないでしょうか。これは、ハイドンが作曲した交響曲が100曲を超えていることから、そのように呼ばれているそうです。

そんなハイドンの交響曲には様々な副題がついていますが、ハイドンが付けたものではないものが多いとされています。

作品の特徴

ハイドンの作品は、当時の古典派音楽から考えると、とても独創的な作風でした。また作曲した作品の数がとても多く、作品を全てまとめると、約1000曲もあると言われています。未完成のものや無くなってしまったものなどを除くと700曲ほどのようですが、それでも驚くほどの作品数だと言えます。

代表的なジャンルの交響曲が約100曲なので、その他のジャンルで作曲された作品も、とても多いことがわかります。

またハイドンが誕生したのは1732年で、亡くなったのは1809年です。77歳まで生きたハイドンですが、そのハイドンが亡くなったころにロマン派のメンデルスゾーンやショパンが誕生していると考えると、とても昔の作曲家だと感じます。そして昔の作曲家であればあるほど、残っている記録が少なかったり曖昧だったりすることが多いようで、ハイドンの作品は作曲された時期に関して曖昧なものが多くなっています。

また最近では、ハイドンの名前になっていた作品の中から、別の作曲者の作品だと思われるものがいくつか出てきているそうです。これは、当時広く知られていたハイドンの名前を使って、違う作曲家の作品を出版することがあったためだそうです。

ちなみに、「ハイドンのセレナーデ」と呼ばれている有名な弦楽四重奏曲も、最近では作曲者が別人だと言われています。

交響曲からおすすめ6作品

ここからは、ハイドンのおすすめ作品の紹介です。まずは交響曲、そして弦楽四重奏曲、最後はオラトリオの合計10作品を紹介していきます。

交響曲第44番ホ短調「悲しみ」

作曲者本人の希望によって、ハイドンの追悼の際にはこの作品が演奏されました。「悲しみ」という呼ばれ方をしているのはこのためだと考えられています。

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交響曲第45番嬰ヘ短調「告別」

この作品は、ハイドンの交響曲の中でも特に有名な作品の1つです。作曲の際のエピソードは有名で、ハイドンが働いていたエステルハージ家の楽団員が、長期間にわたって家に帰れなくなっていた時に、音楽で侯爵へ思いを伝えようとして作曲されました。

この作品には、演奏中に奏者が次々と席を立ち、その場から退場していってしまうという演出が付いています。そして団員たちの意図を理解した侯爵は、団員たちが家に帰れるようにしたと言われているようです。

交響曲第94番ト長調「驚愕」

この作品は4楽章で構成されていて、第2楽章が特に有名です。通常は静かな雰囲気で演奏されることの多い第2楽章ですが、この作品では大きな音が特徴になっています。

ハイドンの作品から、ある12曲の交響曲をまとめて「ロンドン交響曲」と呼ぶことがありますが、この「驚愕」は、その「ロンドン交響曲」の内の1つです。

交響曲第100番ト長調「軍隊」

4楽章で構成されている交響曲で、演奏時間は約30分になります。呼び名の由来となった第2楽章が有名で、「ロンドン交響曲」の1つです。

交響曲第101番ニ長調「時計」

この作品も、4楽章で構成されている、演奏時間が約30分の作品です。同じく「ロンドン交響曲」の内の1つで、第2楽章のリズムから「時計」と呼ばれるようになりました。

交響曲第104番ニ長調「ロンドン」

ハイドンが作曲した最後の交響曲で、呼び名にもあるように、「ロンドン交響曲」の内の1つです。こちらも演奏時間は30分ほどになります。

弦楽四重奏曲からおすすめ2作品

弦楽四重奏曲第77番ハ長調「皇帝」

「オーストリア国歌及び皇帝を讃える歌」の変奏曲が第2楽章で使用されていることから、「皇帝」と呼ばれています。構成は4楽章で、演奏時間は約25分です。

弦楽四重奏曲第67番ニ長調「ひばり」

第1楽章で、ひばりの鳴き声のような音が聴こえることによって、「ひばり」と呼ばれるようになりました。演奏時間は約17分です。

オラトリオからおすすめ2作品

オラトリオ「四季」

「春」「夏」「秋」「冬」の4部にわかれていて、「春」で第1曲から第8曲、「夏」で第9曲から第18曲、「秋」で第19曲から第28曲、「冬」で第29曲から第39曲の、合計39曲で構成されています。演奏時間が2時間を超える作品です。

オラトリオ「天地創造」

「四季」とともによく知られているオラトリオで、演奏時間は約1時間40分です。3部で構成されていて、1部が第1曲から第13曲、2部が第14曲から第28曲、3部が第29曲から第34曲となっています。

>>フランツ・ヨーゼフ・ハイドンってどんな人?その生涯や性格は?

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