出典:[amazon]Alessandro Scarlatti Collection (30CD)
今回紹介するのは、バロック期に活躍したイタリアの作曲家、アレッサンドロ・スカルラッティ(1660年-1725年)。スカルラッティは特にオペラとカンタータで名を知られていて、オペラにおけるナポリ楽派の始祖とまで考えられています。
同じくバロック期に活躍した作曲家である、「ドメニコ・スカルラッティ」と「ピエトロ。フィリッポ・スカルラッティ」の父でもあります。
そんな彼の作品の特徴、代表曲おすすめ2選をご紹介しますので、是非最後までご覧ください。
アレッサンドロ・スカルラッティの作品の特徴
スカルラッティの音楽は、フィレンツェ、ヴェネツィア、ローマを中心として目まぐるしく発展した17世紀の初期バロックにおけるイタリアの声楽様式とモーツァルトで全盛を極めていた18世紀における古典学派との間の重要な橋渡しとして位置づけられていました。
スカルラッティの初期のオペラは、レチタティーヴォにおいて古い形式を終わらせました。
またスカルラッティによって巧みに構成された様式が、多くの短いアリアの中で用いられ魅力的な作品になっています。
これらは弦楽四重奏によって、また時にはチェンバロのみによって伴奏されていました。
1686年までに、スカルラッティが「イタリア風序曲」の形式を確立していたことがはっきりとわかります。スカルラッティはグラウンド・バスと二部形式によるアリアを捨て去り、三部形式、あるいはダ・カーポを用いた三部形式を支持しました。
1697年以降からは、おそらくジョヴァンニ・ボノンチーニの様式、およびナポリ総督宮廷の趣味嗜好に影響され、スカルラッティによるアリアは特にリズムにおいてありふれたものとなってしまいます。
ただ、彼の譜面を見ると、急いで作ったもので十分な推敲がなされていないものの、その音楽は壮麗さをうしなったわけではありません。
オーボエやトランペットが頻繁に用いられるようになり、ヴァイオリンはしばしばユニゾンで奏でられています。
ヴェネツィアのために、1707年に作曲された「Mitridate Eupatore」は、スカルラッティの傑作となりました。この作品に含まれた曲は、技巧と知性両面において、ナポリ時代に書かれた作品に比べ格段に進歩していることを表しています。ナポリにおいて後期に書かれたオペラは、情緒的である、というよりはむしろ華やかで印象的です。
そして、管弦楽法は以前の作品と比較して大きな進歩を見せていました。声楽の伴奏は弦楽四重奏によってなされ、チェンバロの使用はリトルネロに限定されるようになっていったのです。
ローマの為に作曲されたスカルラッティによる最後のオペラの作品群は、特にレチタティーヴォにおいて詩的な味わいを大いに楽しめ、なおかつ荘厳なメロディー様式、劇的な感覚を表しています。また管弦楽法はホルンが初めて用いられるなどより近代的な様式となり、印象的な効果を醸成していました。
オペラに加え、オラトリオやセレナードも全てオペラ同様の様式を示しています。スカルラッティは500以上の独唱のための室内カンタータを作曲しました。これらは当時における室内楽のうちでもっとも知性に溢れる類のものです。
少数のみが現存しているスカルラッティの手によるミサと教会音楽は比較的重要ではありません。しかし、「聖セシリアのミサ曲 St Cecilia Mass」だけは例外であり、バッハやベートーヴェンによって高みに達する合唱とオーケストラによる編成のミサ曲の最初期の作品の一つとして極めて重要です。
すみれ/Le violette
すみれ(イタリア語:Le violette)は、アレッサンドロ・スカルラッティが作曲した、オペラ『ピッロとデメートリオ』のマリオのアリアです。作詞はA.モレッリで以下が歌詞の意味です。
歌詞の意味
露に濡れて 匂いの良い
優美なスミレ
あなたたちは恥ずかしがりながら
葉の間に半分隠れて
私の欲求をとがめている
あまりにも野心的である
軽快で愛らしいメロディーが、多くの人に愛されています。
Mitridate Eupatore
Mitridate Eupatoreは、スカルラッティによる5幕のオペラ・セリアです。1707年1月5日、ヴェネツィアのサンジョヴァンニグリソストモ劇場で作曲家が指揮を執り、初めて上演されました。
まとめ
ナポリ楽派の始祖とまで言われたスカルラッティの作品はどれも素晴しいものばかりです。一度聞いてみてはいかがでしょうか?
調べると、歌詞の意味だったり、作品の内容だったり、色々知れて奥が深いと思いました。聴いているだけで、壮大な曲たちに癒されます。
この記事の他にも、アレッサンドロ・スカルラッティについて調べています。YouTubeなどでもスカルラッティの作品が聴けますので、是非スカルラッティの作品や彼の生涯に触れてみてくださいね。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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