カール・マリア・フォン・ウェーバー「魔弾の射手」の解説・分析。楽器構成や聴きどころは?

出典:[amazon]ウェーバー:クラリネット協奏曲全集

まず初めにこの作品は1821年に発表したオペラです。演奏時間は約2時間15分です。この当時はモーツァルトやベートーヴェンもドイツ語のオペラを作曲していましたがどれも題材や元となっているものはドイツではなくイタリアなどだったためドイツを題材にしたオペラはほとんどありませんでした。

そのためこの作品はドイツの民話を元に作ったためドイツ人にとってとても身近でまた共感が持てるような作品に仕上げました。ウェーバーの「ドイツ愛」が見られますね。そのおかげで今まで光を浴びてこなかったドイツオペラも次第に目を出し始め、大成功を収めることが出来ました。

解説・分析

第1幕

マックス(若い猟師)は射撃がとても上手でした。次の日に控えている射撃大会で優勝して恋人であるアガーテに結婚を申し入れようとしていました。しかし、スランプに陥ってしまったマックスは中々本領を発揮することが出来ませんでした。また、農夫であるキリアンにも射撃で負けてしまい自信を無くしてしまいました。1人になったマックスは明日の射撃大会の不安とアガーテへの恋心を歌っているとそこにライバルであるカスパール(若い猟師)が現れます。

実は、カスパールは悪魔ザミエルに魂を売り「魔弾」という弾を手に入れました。しかし、ザミエルに新しい魂を差し出さなければ、自分の命を失うと言われたためその犠牲者としてマックスに魔弾を差し出しました。この「魔弾」というのは打てば必ず命中する魔法の弾です。しかし、この魔弾には闇が潜んでおり実際に命中するのは7発中6発でした。最後の1発の行先はザミエルが決めるというものでした。そんなことを知らないマックスはどんどん魔弾に魅了され魔弾を手に入れるために、夜中12時にカスパールと狼谷で待ち合わせをします。

第2幕

恋人であるアガーテの家で先祖の肖像画が落ちてしまいました。そこで、アガーテは「嫌な予感がする」と感じてしまいます。不安に感じたアガーテはマックスへの想いを歌っています。その時に取り乱してマックスが現れアガーテを抱きしめますが、マックスは「すぐに出かけなければ」と狼谷に向かうことを伝えます。

アガーテは「あの危険な谷に行かないで」と止めますがアガーテの声が耳に届かずマックスは狼谷に向かってしまいました。狼谷についたカスパールはザミエルを呼び、「新しい犠牲者を連れてくるから命を3年延ばしてほしい、そして7発目はアガーテに向けて撃ちマックスを悲しませてほしい」と頼みます。しかし、ザミエルは「7発目の行先は私が決める。それはマックスかお前だ」と言って消えてしまいます。

カスパールが魔弾を鋳造に取り掛かった時にマックスが狼谷に現れます。マックスの母親の亡霊が現れて止めようとしますがカスパールがアガーテの幻影を見せて母親が止めているのを阻止します。7つ目の魔弾が作り終わると2人はザミエルを呼び、現れるとマックスは十字を切って倒れこみます。

第3幕

射撃大会当日、前日にスランプに陥ってしまったマックスのはずが遠くの獲物を撃ち落とすことが出来周りの人はマックスの絶好調ぶりに驚いています。でも実はこれも魔弾をつかっていたため命中していただけでした。

マックスとカスパールは7発の魔弾を分け合い、お互い7発目を打たない様に1発ずつ残していました。しかし、カスパールは自分が7発目を打たない様にこっそり魔弾を使い切ってしまいます。その時、花嫁衣装を着たアガーテはいとこにこう語ります。「昨日夢で私は白いハトになって空を飛んでいるとマックスに撃ち落された」と話します。元気をなくしたアガーテにいとこは元気づけます。

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そして、いとこは「冠の入った箱」をもってきますがその箱を開けると中に入っていたのは葬式用の花冠でした。青ざめてしまったアガーテを見ていとこは「間違いよ間違い。こんなものは捨てて新しい花冠を作りましょう」と言います。そして舞台は射撃大会の終盤に戻り領主であるオットカール侯爵が「あの白いハトを打て」と命令します。アガーテは夢で見たものが現実になっていることに驚き、「撃たないで、ハトは私だから!」と叫びますが間に合わずマックスは撃ってしまいました。

アガーテはその場で倒れこんでしまいますが、気を失っただけでした。しかしこの弾は7発目だったため、隠れていたカスパールに命中してしまいます。そこでマックスはオットカール侯爵に「魔弾を鋳造していた」ことを話します。するとオットカール侯爵はマックスに「2度とこの国に戻ってくるな」と怒り追放します。しかし、ここで隠者が現れ「彼はとても重い罪を犯しましたが、純粋で誠実な方です。1年の猶予を与えてくれませんか」と願い出ます。1年我慢したらマックスとアガーテは結婚できると。それにはオットカール侯爵も国民も賛同し、オットカール侯爵の計らいを称えている中オペラの幕を閉じます。

楽器構成

オーケストラはピッコロ、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、トランペット、トロンボーン、ティンパニ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス。歌手はソプラノ2人、テノール1人、バス3人、バリトン2人です。

聴きどころ

ドイツオペラが世に知れ渡ったきっかけになったのがこの「魔弾の射手」です。この作品はドイツに伝わる民話を元に作られています。狙った獲物は必ず命中させることが出来る「魔弾」。しかし、簡単に手に入れることはできず悪魔に魂を売らなければならない。そこは人間の欲望や弱さが試されます。

私が思うこのオペラの聴きどころ、というより見どころは全てです。やはりオペラというのは物語を題材としているため1幕だけや3幕だけだと理解するのが難しいからです。強いて言うならばやはりマックスがアガーテと結婚するためには射撃大会で優勝しなければならないがスランプに陥ってしまい優勝が遠のいてしまったときにカスパールから差し出された「魔弾」を使うか使わないか自分と葛藤しているシーンですね。

まとめ

今回はウェーバーのドイツオペラ「魔弾の射手」についてまとめさせていただきました。射撃大会や悪魔というと現実味があまり湧かないかもしれませんが実はこのようにズルいことをしてまで幸せを手に入れようとするとあとで自分に罰が回ってくるという話は割と身近にありそうな話ですね。どんなに結果を残すことが出来なくても皆さんはズルいことはしないでくださいね。悪魔が現れるかもしれませんよ。

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