セルゲイ・ラフマニノフの作品の特徴とは?代表曲おすすめ4選

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ロシアを代表する作曲家セルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)の曲は、誰しも一度は耳にしたことがあるでしょう。
甘く、切ないそのメロディーは映画音楽を始め、最近ではフィギュアスケートの音楽にも頻繁に登場します。
今回はラフマニノフの作品の特徴を明らかにしつつ、おすすめの代表曲を4つご紹介いたします。

ラフマニノフ音楽の特徴

憂鬱な中にロマンがあるメロディー

ラフマニノフの曲は、モーツァルトの底抜けに明るい音楽とは対照的に、短調の暗いものが多いのが特徴です。
どことなく憂鬱な雰囲気を持つメロディー、重厚感のある音質、多数の音符が織りなす悲哀な響き、それらはいずれもロシアの広大な大地を思わせるもので、バッハやベートーヴェン、ブラームスが紡ぎだしたドイツ的な音楽とは一味も二味も異なります。

ラフマニノフの音楽はドイツものに比べれば、どこか陰気くさいところがありますが、その中にちょっとしたロマンスやドラマチックな物語を含んでいることが多いです。
それ故に、ロマン派に近い位置付けをする研究家もいます。

ラフマニノフの音楽にメランコリックな旋律が多い理由

ラフマニノフの音楽がどことなく暗いと感じられるのはなぜでしょう。
ラフマニノフ本人が陰気くさい人物だったからというのは確かに理由として考えられます。
しかし、それ以上に彼の作品に影響を与えていたのはその時代であったと考えられます。

彼が生まれた頃はまだ皇帝が君臨していましたが、クリミア戦争での敗北や上からの改革などで失態を繰り返し、ツァーリー制の限界を露呈していました。
ラフマニノフが音楽学校を卒業し、さあこれからという時には既にレーニンが動き出しており、1917年のロシア革命に向けてロシア全土は不穏な空気に包まれていました。
いつ革命が起こるかもしれない、いつ死ぬかも分からない中で明るい音楽など作曲できるはずがありません。
ラフマニノフ音楽は、まさしく、どうなってしまうか分からない祖国の行く末を案じた音楽なのです。
激動の時代の中で翻弄された音楽家は亡命後、「音楽というものは平和で平穏なところでないと成立しない」という言葉を遺しましたが、その想いは彼のメロディーからも感じ取ることができます。

ラフマニノフの音楽世界を堪能できる代表曲おすすめ4選

前奏曲嬰ハ短調 作品3-2 (幻想的小品集 全5曲の3作品目)(1892)

ページ数4、小節にして62しかない非常に短い曲でありながら、この曲が与えるインパクトは凄まじいものがあります。
聴く者の体の奥底にドンドンと響く低音、重量感のある和音はクライマックスに向かって突き上げられる…たった数分の間に体験し得るこの感覚は、ベートーヴェンともリストとも異なります。
あまりの衝撃的な音楽ゆえに、初演当時から「モスクワに熱狂を巻き起こし!」と大絶賛され、それは今なお色褪せていません。
因みにこの曲はモスクワ音楽院を卒業してすぐに作曲されたものであり、この大作曲家となる若き青年のポテンシャルの高さがよく分かる一曲となりました。

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ヴォカリーズ(歌曲他)(1915)

優しく、甘く、切ないメロディーのこの曲は、1915年に作曲された歌曲(ピアノ伴奏付)で、ラフマニノフが作曲した歌曲の中で最も有名なものです。
歌曲といってもこの歌に歌詞はなく、単旋律のみで奏でられます。
難解なロシア語をのせて歌う必要がないからか、各国のオペラ歌手によって広く演奏されているのも、この歌の知名度を上げた一因となっています。
また、歌詞がない分旋律の美しさが際立つのか、この曲は各楽器用にアレンジされることが大変多いです。
ラフマニノフ本人によってもピアノ曲や管弦楽曲にアレンジされていますが、他にもこれまで10名以上の音楽家によって様々な楽器用に編曲が加えられています。

ピアノソナタ第2番 作品36 (1913と1931)

重厚感のある和音構造と、ドラマチックな展開が「ラフマニノフらしい!」、「ロシア音楽だ!」と感じられる曲として大変な人気を誇っています。
今でこそラフマニノフの代表作として多くの人に愛されているこの曲も、1913年当時はイマイチな曲として大した人気はなかったのです。
傑作だと信じていたラフマニノフはこの評価にがっかりし、リベンジの意味も込めて1931年に改訂版を発表しました。
今現在演奏されているのは改訂版の方が多いようですが、改訂版は聴衆に媚を売ったものだとする意見もあり、よりラフマニノフらしいのは初版だと主張する人もいます。
機会があったら聴き比べをお勧めいたします。

ピアノ協奏曲第2番 作品18 (1901)

「これぞラフマニノフ!」、「ラフマニノフといえばこれ!」という人も多いのではないでしょうか。
ラフマニノフの音楽の中でも最も有名な一つとして知られ、多くの場面でよく用いられる曲がこのピアノ協奏曲第2番です。
ピアノの和音連打から始まり、オーケストラの音楽とピアノが融合し、ダイナミックな展開を見せる曲構成、硬い音の中にも優しさがある旋律、いずれをとっても「ラフマニノフらしさ」が全開なのです。
ラフマニノフの音楽と言われてピンとこないという方は、まずこの曲から聴いてみることをお勧めします。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
憂いを含むラフマニノフの音楽は他の作曲家の音楽からは感じ取れないものです。
作曲家の想いが詰まった音楽、祖国の平和を願った音楽、希望を託した音楽として聴いてみると、また別の感動を味わうことができるのではないでしょうか。

ラフマニノフの音楽に興味を持ったという方は是非ここに挙げた4作品をまず聴いてみてください。
そして、ラフマニノフワールドにどっぷりと浸かってみてください。

>>ピアニスト セルゲイ・ラフマニノフってどんな人?その生涯や性格は?

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