アルテュール・オネゲルの作品の特徴及び評価。おすすめ代表作5選

出典:[amazon]Honegger: le melodies (the songs)

「フランス6人組」の一人として、そして20世紀のスイス・フランスを代表する作曲家として活躍したアルテュール・オネゲル。ワーグナーを愛し、ドビュッシーに影響を受けたその作品は、死後60年以上を経過した現在も世界中のクラシックファンから愛されています。またオネゲルは当時最盛期を迎えていた映画音楽も多数作曲しており、幅広いジャンルにおいてその才能を発揮しました。そんな天才オネゲルの作品にはどのようなものがあるのでしょうか。今回はオネゲルの作品の特徴やおすすめ作品を紹介します。

オネゲルの作品の特徴や評価について

オネゲルの作品の特徴について解説します。「フランス6人組」の一人として注目を集めたオネゲルですが、その成功はオネゲル自身の才能によるものだったようです。

敬虔な信仰心の持ち主だったオネゲル

5つの交響曲や室内楽、オラトリオから映画音楽まで、多岐にわたるジャンルの作品を作曲したオネゲルは、敬虔なプロテスタントの信者でもありました。そのためオネゲルの作品には聖書や歴史上の伝説を題材にした作品が多く、なかでも交響詩編「ダヴィド王」や「火刑台上のジャンヌ・ダルク」といった作品は発表当時から大成功を収め、オネゲルの代名詞的作品として高い評価を得ています。

また亡くなる2年前に作曲された「クリスマス・カンタータ」は、作品の発表以降、さまざまな指揮者による録音がなされ、クリスマス曲の定番として現在も多くの聴衆に愛されています。

「フランス6人組」として活動

エリック・サティの招きにより、ジョルジュ・オーリック、ルイ・デュレとともに「新しい若者」グループに参加したオネゲル。その後、パリ音楽院時代に知り合ったダリウス・ミヨーやフランシス・プーランクを加え「フランス6人組」を結成します。若手作曲家で形成された「フランス6人組」の名はたちまちパリに広がり、6人は時代の寵児として注目を集めました。

オネゲルを含む6人は、パブロ・ピカソやジョルジュ・ブラックといった最先端の芸術家たちと交流を深め、音楽と美術の融合という新しいジャンルを模索しています。

オネゲルのおすすめ代表作5選

オネゲルのおすすめ作品を紹介します。ドイツ・ロマン主義に強い影響を受けたオネゲルの作品は、どれも情緒豊かで重厚な作品ばかりです。

ヴァイオリンソナタ第1番

1918年に作曲されたオネゲルを代表するヴァイオリンソナタです。完成年の1月19日にアンドレ・ヴォラブールのピアノとオネゲルによるヴァイオリンで初演され、同年3月に一般初演となりました。全3楽章構成となっており、演奏時間はおよそ20分です。セザール・フランクやガブリエル・フォーレの影響が強く出ていますが、オネゲル初期の傑作として高い評価を得ています。第3楽章の憂鬱なヴァイオリンのメロディーが魅力的な作品です。

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ヴァイオリンソナタ第2番

「ヴァイオリンソナタ第1番」発表の翌年、1919年4月に作曲が開始され、およそ半年後の11月に完成したヴァイオリンソナタです。1920年初頭のプライベート初演では「フランス6人組」の名付け親である作曲家・評論家のアンリ・コレも参加し、この作品を賞賛したと言われています。

こちらも3楽章構成で、演奏時間はおよそ15分です。作曲当時としては先進的な和声と難解な半音階技法が使用されています。

交響的詩篇「ダヴィデ王」

1921年、舞台作品「ダヴィデ王」の劇付随音楽として作曲され、のちに交響的詩篇「ダヴィデ王」に改訂されました。現在は劇が上演されることはなく、ナレーター付きの改訂版の演奏が一般的です。作品ではダヴィデにまつわる3つの物語が語られ、全27曲、演奏時間70分の大規模な構成となっています。3つの物語の大まかな内容は次の通りです。

第1楽章・・・羊飼いの少年ダヴィデが神の恩寵を受ける
第2楽章・・・イスラエルの王となったダヴィデ
第3楽章・・・部下を殺し、ダヴィデに神の罰が下る

交響詩「夏の牧歌」

1920年、オネゲルが28歳の時の作品です。1916年、「フランス6人組」のメンバーとして注目されたオネゲルですが、この作品の成功により、オネゲルの名が知られるきっかけとなりました。タイトルの通り、爽やかで心地よい夏のアルプスを連想させるメロディーが特徴です。そうした背景には、この曲が両親の故郷ヴェンゲンで作曲されたことが関係しているのかもしれません。

また本作は、フランスの詩人アルチュール・ランボーの散文詩「イルミナシオン」の一節にインスピレーションを受けて作曲されたと言われており、発表当時の人気投票で1位を獲得しています。コンパクトな3部構成で、演奏時間はおよそ8分です。

交響的断章第1番「パシフィック231」

1923年に作曲された管弦楽曲です。「パシフィック231」とは、当時走行していた蒸気機関車の名称で、先軸・動輪・後軸で使われる軸の数が、それぞれ2本、3本、1本だったことに由来しています。作品冒頭に登場する、蒸気機関車が煙をあげて加速する描写が実に見事です。

当初オネゲルは「交響的断章」のみのタイトルで作曲しましたが、「ロマンチックな考えが頭に浮かび」、このようなタイトルに変更されました。鉄道好きだったオネゲルらしい遊び心のあるユニークな作品となっています。演奏時間はおよそ6分で、作品は指揮者エルネスト・アンセルメに献呈されました。

まとめ

今回はオネゲルの作品の特徴や、おすすめ作品を解説しました。普段あまり耳にしない作曲家だと思いますが、20世紀の音楽史を語る上で、オネゲルの存在は欠かすことができません。祖国スイスでは、1996年から20スイスフランの肖像が採用されていることからも、オネゲルがいかに偉大であったかが窺い知れます。交響曲やオラトリオ、映画音楽などオネゲルはさまざまな作品を発表しましたが、まずは今回紹介した作品から聴いていただき、その才能に触れてみてはいかがでしょうか。

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