カール・オルフ『カルミナ・ブラーナ』『時の終わりの劇』の解説・分析。楽曲編成や聴きどころは?

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20世紀ドイツを代表する作曲家カール・オルフ。オルフが誕生した20世紀初頭は、ドビュッシーをはじめとする印象派の隆盛やシェーンベルクによる12音技法の確立など、クラシック音楽界にとって転換期と言える時代でした。

そのような時代にありながら、オルフはどの潮流にも染まることなく、音楽・言語・舞台を融合させた「世界劇」と呼ばれる独自の芸術表現を開拓しています。

なかでも今回紹介する、世俗カンタータ『カルミナ・ブラーナ』は、オルフ作品の代名詞として、現在も世界中のコンサートで演奏される1曲です。今回は『カルミナ・ブラーナ』と『時の終わりの劇』について解説します。

『カルミナ・ブラーナ』について

カール・オルフといえば「カルミナ・ブラーナの作曲者」と言われるほど広く知られる作品ですが、『カルミナ・ブラーナ』についてご存知の方はそれほど多くないと思います。

『カルミナ・ブラーナ』とは、中世(13世紀から15世紀頃)に生きた人々の恋や酒、笑い話、宗教観といった日常を描いたおよそ300編に及ぶ詩歌集です。

19世紀初頭、ドイツ南部のベネディクト・ボイエルン修道院が保管する書物から発見された詩歌集は、のちに研究者により編纂され、1847年に『カルミナ・ブラーナ(ボイエルンの歌集)』として出版されました。この詩歌集の中からオルフが24編を選び、カンタータして発表した作品が『カルミナ・ブラーナ』です。

今日では合唱とオーケストラによる演奏が一般的ですが、本来はバレエを伴う舞台劇として作曲されました。また本作には「楽器群と魔術的な場面を伴って歌われる、独唱と合唱のための世俗的歌曲」という意味深な副題が添えられています。

1937年、ドイツのフランクフルトにて行われた初演は大成功を収め、これによりオルフの名は一気に高まりました。本作の成功により大きな手ごたえを感じたオルフは、『カトゥーリ・カルミナ』(1943年)、『アフロディーテの勝利』(1950-1951)を発表し、のちに『カルミナ・ブラーナ』を含め「トリオンフィ(勝利)3部作」としてまとめることになります。

第2次世界大戦の影響により、ドイツ国内のみの演奏に留まっていた『カルミナ・ブラーナ』。しかし、終戦後の1954年にレコードが販売されると、たちまち世界的な注目を集め、オルフはドイツを代表する作曲家として脚光を浴びることとなります。

楽曲編成について

「おお!運命の女神よ!!」のセリフで始まる『カルミナ・ブラーナ』ですが、この作品を一度でも聴いた方は、きっと大迫力の冒頭に心を奪われたことでしょう。冒頭に叫ばれる「フォルトゥナ」とは、ローマ神話に登場する運命を司る女神です。

本作は序章と後奏を含む3部で構成され、それぞれの歌曲にタイトルがついていますが、大まかに分類すると次の構成となっています。なお、歌詞はすべてラテン語です。演奏時間はおよそ1時間。

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序奏・・・全世界の支配者なる運命の女神
第1部・・・初春に
序章・・・芝生の上で
第2部・・・酒場で
第3部・・・愛の誘い
序奏・・・白い花とヘレナ
後奏・・・全世界の支配者なる運命の女神

巨大楽器編成も魅力の一つ

動画にありますように、大合唱と規模の大きいオーケストレーションも『カルミナ・ブラーナ』の聴きどころの一つです。どれほど規模の大きい作品なのか、使用される楽器の数をみてみましょう。()内は使用される楽器数です。

・独唱・ソプラノ、テノール、バリトン
・フルート(3)
・オーボエ(3)
・クラリネット(3)
・ファゴット(2)
・コントラファゴット(1)
・ホルン(4)
・トランペット(3)
・チューバ
・ティンパニ
・打楽器(グロッケンシュピール、シロフォン、トライアングルなど14種)
・ピアノ(2)
・大混声合唱
・小混声合唱
・児童合唱

『時の終わりの劇』について

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合唱と大編成を伴うカール・オルフ最後の作品です。その作品内容から「終末劇」とも称されています。ギリシャ悲劇を題材とした「世界劇4部作」の最後を飾る作品であり、1973年、ザルツブルク音楽祭においてヘルベルト・フォン・カラヤンの指揮により初演されました。その後1979年に改訂され、1981年にさらに改訂が加えられています。演奏時間はこちらも約1時間です。

なお、他の「世界劇4部作」発表順は以下の通りです。
1949年「アンティゴネー」
1959年「暴君エディプス王」
1968年「プロメテウス」

全3部で成り立っており、それぞれに標題が付けられています。
第1部・・・シュビラ
第2部・・・隠者
第3部・・・その日(怒りの日)

カラヤンの指揮による初演以来、現在では演奏される機会はほとんどありません。その原因としては、「オーケストレーションの規模が大きすぎること」や「哲学的考察を含む作品内容が難解すぎる」などの理由が考えられています。

まとめ

今回は代表作『カルミナ・ブラーナ』とオルフ最後の世界劇『時の終わりの劇』を解説しました。カール・オルフという名前や『カルミナ・ブラーナ』の曲名を知らない方でも、どこかで一度は聴いたことのある作品だと思います。単純明快な和声やリズムの繰り返しを聴いていると、なんだか作品に引き込まれる感覚が湧くのは筆者だけではないはずです。今回紹介した作品以外にも、オルフは魅力的な「世界劇」を作曲していますので、この記事を機会にオルフの「世界劇」に触れてみてはいかがでしょうか。

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