ヨハン・パッヘルベルの作品の特徴や評価。おすすめ代表作5選

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17世紀中盤以降の中期バロック音楽を代表する作曲家ヨハン・パッヘルベル。ドイツやウィーンにおいて教会オルガニストとして活動した彼は、演奏家であると同時に多くの優れたコラールやフーガを作曲しています。

『パッヘルベルのカノン』1曲のみで知られる作曲家ではありますが、近年その作品群は見直されつつあり、新たな録音がリリースされています。そんなパッヘルベルの作品には『カノン』以外にどのようなものがあるのでしょうか。そこで今回は、パッヘルベルの作品の特徴と、おすすめ作品を5曲紹介したいと思います。

パッヘルベルの作品の特徴や評価について

パッヘルベルの作品の特徴について2つ紹介します。バロック中期の作曲家として、パッヘルベルは重要な役割を果たしました。

多くの弟子を抱える

教会オルガニストとして、ドイツのみならずウィーンでもその名を知られていたパッヘルベル。高名な彼の元には、弟子志願者が多く訪れたと言われています。そんな中、一番重要な出会いはバッハ家との交流でした。

アイゼナハ滞在時代に大バッハの父アンブロジウスと知り合ったパッヘルベルは、バッハ家と深く関わるようになり、アンブロジウスの子供達の家庭教師を務めるようになります。大バッハと直接接触していたかどうかは定かではありませんが、パッヘルベルのコラールやフーガが、大バッハに大きな影響を与えたことは間違いないと言えるでしょう。

コラール、フーガの発展に寄与

教会オルガン奏者として名声を獲得したと同時に、コラールやフーガの作曲家としても多大な貢献を残したパッヘルベル。生涯で作曲した作品数は200曲を超え、なかでも「コラール変奏曲集」や「コラール前奏曲」は、その明快さと旋律的美しさにより、当時の人々に広く受け入れられました。また、晩年には「マニフィカト・フーガ」と呼ばれるフーガを多く作曲し、ドイツ・バロック音楽の発展に大きな足跡を残しています。

おすすめ代表作5選

パッヘルベルのおすすめ作品を紹介します。この記事をきっかけに、新たなパッヘルベルの世界に触れてみてください。

アポロンの六弦琴

1699年に作曲されたオルガン曲です(動画はピアノ演奏)。オルガニストとしてのパッヘルベルの本領が発揮されています。作品としても完成度が高く、パッヘルベルの作品を語る上でも重要な作品です。タイトルにある通り本作には6つの変奏曲付き「アリア」が6曲収められています。

また、タイトルのアポロンとは、ギリシャ神話における「芸術を司る神」を意味しています。第6番(へ長調)には「セバルティーナの歌」という副題が添えられているのが特徴です。

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シャコンヌ・ヘ短調

室内楽や鍵盤音楽、宗教音楽などさまざまなジャンルの作品を作曲したパッヘルベル。そのなかでも特にシャコンヌはよく知られており、パッヘルベルを代表する傑作の一つとして数えられています。現在、パッヘルベル作曲によるシャコンヌは6曲が確認されていますが、いずれも作曲年代はよく分かっていません。しかしその洗練された完成度から考慮すると、シャコンヌ様式発展後期の作品と考えられています。荘厳な世界観が聴く人を魅了すること間違いなしの名曲です。

3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ

こちらもパッヘルベルを代表する傑作です、前半のカノンは「パッヘルベルのカノン」として広く知られています。しかし元来は、「カノン」と「ジーグ」と呼ばれる舞曲の一組として作曲されました。

作曲の経緯について詳しいことは分かっていませんが、一説によると、家庭教師をしていたヨハン・クリストフ・バッハ(大バッハの長兄)の婚礼祝いに作曲されたという説もあります。しかし一方で、「それ以前にすでに作曲されていた」とする説もあり、歴史家の間で意見が分かれているそうです。

第1旋法によるマニフィカト・フーガ

1695年、パッヘルベルがニュルンベルクに滞在していた頃に作曲された作品。晩年のパッヘルベルは、多くの「マニフィカト・フーガ」を用いたオルガン曲を作曲しており、教会音楽の発展に多大な貢献を果たしました。

また、タイトルの「マニフィカト」とは、ラテン語で「我が心、主を崇め」を意味しています。

本作には、全23曲のフーガが収められており、大バッハの傑作『フーガの技法』は本作から影響を受けたと考えられています。自由な主題に基づいた、快活なメロディーが特徴です。

音楽による「死への思い」

1683年、パッヘルベルのエアフルト時代に出版された作品であり、内容は4組のコラール変奏曲で構成されています。パッヘルベルは生涯で2度結婚していますが、1度目の結婚相手及び息子をペストで失うという悲劇に襲われます。

そんな境遇の中で作曲されたにもかかわらず、本作は全て「長調」で作曲され、全体は明るい曲調に仕上がっています。

この理由は、もしかしたら、天国へ旅立った妻と息子に対して神の導きを届けたかったからかもしれません。

まとめ

「カノン」以外の作品を聴いていただき、みなさんはどのような感想を持ちましたか?。パッヘルベルはバッハ家との関係により、後の大バッハにも大きな影響を与えた重要な人物です。なかなか聴く機会がない作品ばかりだったと思いますが、この記事を参考に、ぜひパッヘルベルの他の作品を聴いてみてはいかがでしょうか。

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