カール・オルフの作品の特徴及び評価。おすすめ代表曲3選

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教育者・作曲家として20世紀のクラシック音楽界に多大な影響を及ぼしたカール・オルフ。代表作『カルミナ・ブラーナ』は、世俗カンタータの代名詞として、彼の名前と共に現在も演奏機会の多い名曲です。また音楽教育にも熱心に取り組んだオルフは、自らも「オルフ・システム」と呼ばれる独自の音楽教育メソッドを考案し、現在では世界中の音楽教育の現場で採用されています。そんな偉大な功績を残したオルフにはどのような作品があるのでしょうか。今回はオルフ作品の特徴を踏まえながら、おすすめ作品を3曲紹介します。

カール・オルフの作品の特徴について

オルフの作品にはどのような特徴があるのでしょうか。調べてみると、どうやらオルフは同時代に活躍した作曲家たちとは異なる道を歩んだようです。

オルフ独自の音楽形式「世界劇」を生み出す

オルフが音楽家を志していた20世紀前半は、まさにクラシック音楽界にとって黄金期と言える時代でした。ドビュッシーによる印象派の隆盛、シェーンベルクによる12音技法の確立、身近なところではR・シュトラウスの交響詩やオペラが全盛期を迎えています。当然ながら、オルフは彼らの作曲技法に魅了され、初期の作品においてはドビュッシーやシェーンベルクらの影響が見られるのも確かです。

しかしオルフは、これら同時代の流行に乗ることなく、次第にギリシャ時代の古代の音楽や、東洋音楽に傾倒し始めます。そしてやがて、音楽・言語・舞踏を融合した「世界劇」と呼ばれる独自の総合芸術を生み出し、以降さまざまな「世界劇」を世に発表しました。

ギュンター・シューレにて音楽教育に関わる

1920年代初頭、舞台教師ドロテー・ギュンターと知遇を得たオルフは、ギュンターと共に「ギュンター・シューレ(学校)」を設立しています。ギュンター・シューレは体育・音楽・舞台芸術の体得を目的としており、オルフはおよそ10年間、同校で音楽教師を勤めました。

やがて本格的に音楽教育の研究に目覚めたオルフは、門下生グニルト・キートマンと共に、子供のための音楽教材の開発に取り掛かります。その教育方針は「シュールヴェルク」としてまとめられ、『ムジカ・ポエティカ』に改訂されたのち、世界各国へ紹介されるに至りました。

「オルフ・システム」と名付けられたこのメソッドは、誰でも参加可能な親しみやすいメソッドとして世界中で高い評価を受け、現在でも主要な音楽教育法の一つとして幅広く応用されています。

また、この教育方針を元に開発された楽器は「オルフ楽器」と呼ばれ、子供の音楽体験をより豊かにすることを目的として、現在も多くの教育現場で活用されています。

カール・オルフのおすすめ代表作3選

オルフのおすすめ作品を紹介します。オルフはそれほど多作な作曲家ではありませんが、20世紀のクラシック音楽界に「世界劇」と呼ばれる新たな分野を確立しました。

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カトゥーリ・カルミナ

1940年から1943年に作曲された世俗カンタータです。「カンタータって何?」と疑問に思う方もいらっしゃると思います。簡単に説明すると「カンタータ」とはイタリア語の動詞「歌う(カンターレ)」を語源とし、一般に「器楽伴奏付き声楽曲」を意味します。また「カンタータ」の歴史は古く、16世紀後半からその起源が見られ17世紀前半のイタリアにおいて隆盛しました。

本作は古代ローマの詩人カトゥーリのラテン語詩を中心としたテキストと、オルフ自らによる詩で構成されています。また楽曲編成も大変興味深く、本作ではパーカッション・オーケストラという珍しい編成が特徴です。作品全体の流れとしては前奏曲、本編、後奏で構成されており、さらに本編は3部から成り立っています。

オペラ「月」

1939年にバイエルン国立歌劇場で初演されたオルフの「童話オペラ」です。1937年から作曲が開始され、翌1938年に完成されました。グリム童話から題材を取った本作は、オルフ自身によりリブレット(台本)が執筆されました。本作は、おもに子供向けの作品として作曲されたため、演奏時間は80分と比較的コンパクトなオペラとなっています。

「語り手」によって語られる本作は、内容の面白さは勿論のこと、「天上の秩序を守る老人ペトルス」や「死人たち」、「月を盗まれる人々」といったユニークなキャラクターも魅力です。

ムジカ・ポエティカ

1920年代半ばから1930年代半ば、「ギュンター・シューレ」において音楽教師として教鞭を取ったオルフ。オルフは音楽教育に強い関心を示し、門下生のグニルト・キートマンと共に教育用音楽教材「ジュールヴェルク」を作曲しました。声楽や楽器を活用した教材として「ジュールヴェルク」は好評を博し、やがて1950年代に『ムジカ・ポエティカ』として再編され、世界各国の音楽教育現場に広がりを見せます。それぞれの作品には、一応の楽器指定がありますが、国や文化によって用いられる楽器はさまざまです。

まとめ

今回はオルフの作品とおすすめ代表曲について紹介しました。『カルミナ・ブラーナ』は誰しも1度は聴いたことのある作品だと思いますが、今回紹介した3曲は初めて耳にする方が多かったのではないかと思います。また、今回紹介した作品以外にも、オルフは日本の歌舞伎を題材とした『犠牲』や、ギリシャ悲劇をベースとした作品など、さまざまな名曲を残しています。この記事を読んでオルフの作品に興味を持たれた方は、ぜひこれらの作品も聴いてみてはいかがでしょうか。

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