フランシス・プーランクの作品の特徴及び評価。おすすめ代表作5選

出典:[amazon]プーランク : 歌曲全集 (Poulenc : Integrales des melodies pour voix et piano)

パリ生まれパリ育ちという生粋の都会人だったフランシス・プーランク。プーランクの作品には、パリジャンらしい軽快さがある一方、宗教的敬虔さも持ち合わせた不思議な魅力があります。プーランクは他の作曲家のように正式な音楽教育を受けませんでしたが、独学で作曲を学習し、歌曲、オペラ、ピアノ曲、室内楽、宗教音楽などの分野で多くの優れた作品を残しました。良くも悪くも「自由奔放な」人生を歩んだプーランクは、どのような作品を世に送り出したのでしょうか。今回は、プーランクの作品の特徴やおすすめ作品について解説します。

プーランクの作品の特徴や評価について

プーランクの作品にはどのような特徴があるのでしょうか。それぞれを簡単に解説します。

「エスプリの作曲家」と称される

プーランクの作品は明快にして軽快、ユーモアやアイロニー(皮肉)などを含み、知的なイメージがあります。プーランクが音楽家としてデビューした時期は、無調音楽や十二音技法真っ盛りの時代でしたが、そうした風潮にも我関せず、飽くまでも「パリの都会的」音楽を目指しました。音楽理論を正式に学ぶ機会を得られなかったプーランクですが、あるラジオ番組で「理論、教養、規則に従う作曲を終わりにしよう」と訴えており、これは当時の「理論偏重」の作曲スタイルに異を唱えるものでした。

フランス「6人組」の一人として活躍

1917年、「黒人の狂詩曲」でデビューしたプーランクは、この頃からさまざまな芸術家たちとの交流が始まります。なかでも、ルイ・デュレ、アルテュール・オネゲル、ダリウス・ミヨー、ジェルメーヌ・タイフィーユ、ジョルジュ・オーリックらとの出会いは重要で、のちに「フランス6人組」(単に「6人組」とも)という作曲集団に参加しています。

「フランス6人組」の作品は多くありませんが、各人が各人のパートを作曲し、1つの作品を作り上げた「6人組のアルバム」や、デュレを除く5人による「エッフェル塔の花嫁花婿」などが有名です。

作品が再評価されつつある

歌曲やピアノ曲、バレエ音楽など多岐にわたるジャンルで作品を残し、「エスプリの作曲家」と称されるプーランクですが、一方で軽妙さとは相反する、重厚で荘厳な教会音楽も多数残しています。21世紀に入りこれらの教会音楽が見直され、近年、「カルメル会修道女の対話」や「グローリア」といった作品の新たな録音や演出が試みられています。

おすすめ代表作5選

プーランクのおすすめ作品を紹介します。正式な音楽教育を受けられなかったプーランクですが、多くの才能との出会いがプーランクの才能を開花させました。

黒人の狂詩曲

1917年に作曲された作品で、この作品によりプーランクは作曲家デビューとなりました。
フルート・クラリネット・ピアノ・弦楽・バリトンというユニークな楽器構成となっています。当時のフランスでは「黒人芸術」が流行しており、プーランクもその流行に乗って本作を作曲しました。5つの部分で構成されており、演奏時間はおよそ10分程度です。斬新な作風により初演から大成功を収め、数年に渡りパリの各所で再演されています。作品はエリック・サティに献呈され、ラヴェルやストラヴィンスキーもこの作品を賞賛したそうです。

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3つの無窮動(むきゅうどう)

1918年、プーランクが19歳の時に作曲した3曲からなるピアノ曲です。「無窮動」とは、常に一定した音符が流れる音楽スタイルのことを意味します。第一次世界大戦に従軍したプーランクですが、比較的時間に余裕があったようで、本作は地元小学校のピアノを使って作曲されました。初演はプーランクのピアノの師匠であり、精神的指導者でもあったリカルド・ビニエスが担当しました。初演から大変な人気を獲得し、現在でもプーランクを代表するピアノ曲の1つとして知られています。演奏時間はおよそ5分です。

組曲「牝鹿」

バレエ・リュス(バレエ団)率いるセルゲイ・ディアギレフの依頼により作曲したバレエ音楽を、組曲に再編した作品です。バレエでは9曲が用いられましたが、そのうちの5曲を組曲として改訂しました。「牝鹿」とは「若い娘」や「可愛い子」を意味しているそうです。バレエは1924年に初演され、およそ15年後の1939年に組曲として発表となりました。

田園のコンセール

クラヴサン(チェンバロ)奏者のワンダ・ランドフスカの依頼で作曲された作品です。本作が作曲された1927年当時、クラヴサン作品はそれほど多くなく、この作品はクラヴサンが見直されるきっかけの一つとなりました。作品の依頼者であるワンダ・ランドフスカはポーランド出身のクラヴサン奏者であり、20世紀にクラヴサンを復活させた立役者として大変重要な演奏家です。本作は全3楽章構成で、演奏時間は約24分となっています。

2台のピアノのための協奏曲

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エドモン・ド・ポリニャック公妃の委嘱により1932年に作曲された作品です。全3楽章構成で、演奏時間はおよそ18分とされています。同年に開催されたヴェネツィア国際音楽祭にて、プーランク自身によるピアノとデジレ・デフォーの指揮により初演されました。ユーモアのセンスに溢れた、プーランクのエスプリの効いた作品として、現在でも広く親しまれています。それぞれの楽章の構成は次の通りです。

第1楽章・・・アレグロ・マ・ノン・トロッポ(ソナタ形式)
第2楽章・・・緩徐楽章
第3楽章・・・フィナーレ、アレグロ・モルト

まとめ

いかがでしたか?今回はプーランクの作品の特徴やおすすめ作品について紹介しました。20世紀は無調音楽や十二音技法が全盛期の時代でしたが、プーランクはそうした音楽には関心がなかったようで、あくまでもメロディーメイカーとしての道を歩みました。そのためプーランクの作品は、「個性的」でありながらも親しみやすく、クラシック初心者の方にも受け入れやすいのではないかと思います。重厚な交響曲や協奏曲も素敵ですが、たまには「エスプリの効いた」オシャレなクラシック音楽にも触れてみてはいかがでしょうか。

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