マヌエル・デ・ファリャの作品の特徴及び評価。おすすめ代表作5選

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バレエ音楽『三角帽子』や『恋は魔術師』などの作品により、現在も根強い人気を誇るマヌエル・デ・ファリャ。情熱溢れるメロディーとファリャ独自の世界観は、いつの時代も聴く人の心を魅了し続けています。

スペインの民族舞曲と印象派、そして新古典主義を融合させたファリャの音楽は、20世紀のクラシック音楽界におけるマスターワークであるといっても過言ではないでしょう。

そこで今回は、ファリャ作品の特徴について、おすすめ作品を交えながら解説します。

ファリャの作品の特徴について

ファリャの作品にはどのような特徴があるのでしょうか。ここでは、簡単に2つの特徴について解説します

舞台作品を多く作曲

作品数はそれほど多くないものの、ファリャはバレエ音楽やサルスエラ、オペラ、劇付随音楽といった舞台芸術の分野で大きな功績を残しました。なかでも、ロシアバレエ団(バレエ・リュス)の創始者であるセルゲイ・ディアギレフの委嘱により作曲された『三角帽子』は、ディアギレフが総合プロデュース、ファリャが音楽、パブロ・ピカソが舞台美術・衣装を担当し、大成功をとなりました。

その他、室内楽やピアノ曲なども手がけたファリャですが、彼の情熱的で異国情緒溢れる才能は、舞台芸術においてその真骨頂が発揮されたのは間違いないでしょう。

クラヴサン(チェンバロ)を現代に復活させる

ピアノの構造的発達に伴い、18世紀以来忘れ去られていた楽器「クラヴサン」。そのクラヴサンに再び光を当てた作曲家がファリャでした(プーランクもその1人です)。オペラ『ペドロ親方の人形芝居』においてファリャはクラヴサン独奏を用い、20世紀初のクラヴサン作品を発表しています。現在、私たちがクラヴサン音楽を楽しめているのは、ファリャの功績があってこそなのかもしれません。

おすすめ代表作5選

ファリャのおすすめ代表作を紹介します。20世紀にクラヴサン(チェンバロ)を復活させたのは、ファリャによる功績が大きかったようです。

交響的印象:スペインの庭の夜

ファリャがパリ滞在時に作曲した、ピアノと管弦楽のための作品です。ピアノ協奏曲的要素と交響詩的性質の双方を併せ持つファリャの代表作であると同時に、唯一のピアノ協奏曲でもあります。作曲当初はピアノ独奏曲として作曲されましたが、リカルド・ピュニスの助言により、ピアノ協奏曲として改訂されました。全3楽章で構成される本作は、各楽章にはスペインの風景を想起させる標題が付けられています。

パリ滞在時に吸収した印象主義的手法が、ファリャの感性により見事に表現されています。なお、「交響的印象」のタイトルはファリャ自らによるものです。演奏時間はおよそ25分。

恋は魔術師

ファリャ作品の中でも、もっとも知られる作品の1つです。バレエ音楽として大ヒットを記録し、とりわけ劇中の「火祭りの踊り」はさまざまな楽器で単独でも演奏される人気曲となっています。

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本作はジプシーの舞踏家パストーラ・インペリオの委嘱により作曲され、作曲当初は8重奏の室内音楽劇『ヒタネリア』として作曲されました。残念ながら初演は高い評価が得られなかったものの、その後、組曲『恋は魔術師』へ再編し成功を収めています。

この成功に手応えを感じたファリャは『恋は魔術師』をバレエ化し、現在ではファリャを代表するバレエ曲として多くの人々に愛されています。

ペドロ親方の人形芝居

ファリャ自らが台本・音楽を手がけた1幕からなる人形劇です。本作は序幕・主部・終幕で構成され、セルバンテス作『ドン・キホーテ』から着想が取られました。クラヴサン(チェンバロ)及びハープの独奏が設けられた珍しい作品であると同時に、18世紀以来忘れられていたクラヴサンを用いた初の作品という点において、音楽史上重要な作品でもあります。

1919年、芸術家のパトロンとして知られるポリニャック公爵夫人の依頼により作曲が行われ、1923年に公爵夫人邸にて初演されました。

クラヴサン協奏曲

一般に『クラヴサン協奏曲』の名称で知られていますが、『クラヴサン、フルート、オーボエ、クラリネット、ヴァイオリンとチェロのための協奏曲』という題名が正式名称です。上記『ペドロ親方の人形芝居』初演時にクラヴサンを担当したワンダ・ランドフスカの委嘱により、1923年から1926年にかけて作曲がなされました。1926年、ランドフスカ自身の演奏により初演されたものの、芳しい評価は得られませんでした。

しかし、後日ファリャ自らがクラヴサンを担当したパリ公演では成功を収め、今日ではファリャを代表する作品として知られています。全3楽章構成で、演奏時間は約13分です。作品は成功を見たものの、この作品が原因となりファリャとランドフスカの間に大きな溝ができたと言われています。

ドビュッシーの墓のために

ファリャが作曲したギターのための作品です。1918年にこの世を去ったドビュッシーの追悼曲集『クロード・ドビュッシーのトンボー』の1曲として作曲されました。「トンボー」とはフランス語で「墓石」や「墓碑」を意味し、作品のコーダ部にはドビュッシー作曲『グラナダの夕暮れ』の旋律がオマージュとして用いられています。本作はのちにピアノ曲や管弦楽曲にも編曲され、ギターの名曲として多くのギタリストによる演奏・録音が残されています。

まとめ

今回はファリャの作品の特徴やおすすめ代表作を紹介しました。どの作品も耳馴染みの良い作品ばかりなので、初心者の方でも抵抗なく聴けると思います。ファリャは寡作な作曲家ですが、今回紹介した作品以外にも優れた作品を残していますので、この記事を機会にぜひファリャの作品に触れてみてください。

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