ジャン=フィリップ・ラモーの作品の特徴及び評価。おすすめ代表作4選

出典:[amazon]ジャン=フィリップ・ラモー:鍵盤音楽全集 第2集

フランスバロック音楽を代表する巨匠ラモー。バッハやベートーヴェンといった有名作曲家のように、音楽の授業で習う機会がないため、ご存知ない方が多いかもしれません。

しかし、ラモーが残した『クラヴサン曲集』や数々のオペラは、ベルリオーズやドビュッシーといった後年の作曲家たちに大きな影響を与え、さらに近年では、その作品群が新たに見直されつつあります。

では、フランスバロック音楽の巨匠ラモーの作品にはどのようなものがあるのでしょうか。今回は、ラモーの作品の特徴やおすすめ代表作を紹介します。

ラモーの作品の特徴や評価について

ラモーの作品にはどのような特徴があるのでしょうか。それぞれ簡単に紹介します。

クープランに次ぐクラヴサン作曲家

フランスバロックの大御所といえば、以前紹介したクープランが挙げられます。しかし、ラモーもクープランに劣らずフランス音楽にとって重要な人物として理解しておくべきでしょう。クープランのクラヴサン曲に比べ、ラモーのクラヴサン作品は注目される機会が少ないものの、ダイナミックな旋律や展開は、現代にも通ずる感性を感じさせます。

ラモーは生涯で65曲のクラヴサン作品を出版しており、その作品群は近年新たに注目を集めています。

50歳を過ぎてから才能が開花

パリやディジョンなどの教会オルガニストとして生計を立てていたラモーは、50歳を目前にした頃からオペラ作曲家として成功を収めます。その成功の影には、ラ・ププリニエールの支援があったからに他ありませんが、それでもなお80歳で亡くなるおよそ30年間の間で、30作ものオペラを作曲したのは驚異的だと言えるでしょう。

今回紹介する『プラテ』や『レ・ボレアド』といった作品は、現在でも人気のある作品として人々に親しまれています。

また、晩年は音楽理論に関する書物を多数執筆したことから、ラモーはフランス音楽のみならず、近代音楽理論の礎を築いた人物としても高く評価されるに至っています。

ラモーのおすすめ作品4選

ラモーのおすすめ作品を4つ紹介します。真偽は定かではありませんが、一説によると日本でもお馴染みの「あの曲」もラモー作曲と言われています。

イポリートとアリシー

1733年に作曲されたラモー初のオペラです。パリのアカデミー・ロワイヤルで行われた初演は大成功を収め、これによりオペラ作曲家としてのラモーの名声は一気に高まりました。この時ラモーは50歳でしたが、この作品が契機となり、ラモーはオペラ作曲家としての道を歩み始めます。

本作はフランスの文豪ラシーヌの悲劇『フェードル』を元に書かれ、台本は作家ジョゼフ・ペレグランが担当しています。この作品が上演される前年の1732年、ミシェル・モンテクレールによるオペラ『ジョフテ』に感銘を受けたラモーが、台本を担当していたペレグランに音楽劇について話を持ちかけたことがきっかけとなり、オペラ制作に至ったと言われています。

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プラテ

プロローグと3幕からなるラモーを代表するオペラです。1745年3月、ヴェルサイユのグランド・エキュリーにて初演されました。「醜い水の精霊が神々の王ジュピターに恋をしていると思い込む」という、なんともユニークな喜劇です。ラモーにとって初の喜劇でもある本作は、フランス王太子とスペイン王女の結婚を祝う目的で作曲されました。

生涯で30作ものオペラを作曲したラモーですが、その中でも、本作『プラテ』は生前もっとも高く評価されたオペラと言われています。その完成度について、「ブフォン論争」では論敵であった哲学者ルソーでさえ「神々しい」と評価したほどでした。21世紀に入った現在もたびたび上演されており、2014年にはウィーンやパリでも公演が行われました。

レ・ボレアド

1763年の7年戦争終結式典のために作曲された5幕からなるオペラです。ラモー最後のオペラ作品として知られていますが、残念ながら公演計画は取りやめとなり、生前中は演奏されませんでした。

公演中止の理由としては、「宮廷内の派閥争い」「音楽が難解すぎる」、「プロットが破綻している」などいくつかの説がありますが、詳しいことは現在もわかっていません。

ギリシャ神話を題材にした本作は、「ラモー没後200年記念事業」が行われた1964年に初演され、当時のクラシック音楽界で大きな話題となりました。

フレール・ジャック

フランスから世界各地に広く伝わる民謡です。日本でも様々な歌詞が添えられており、なかでも「グーチョキパーでなにつくろう」のメロディーがもっとも有名です。日本と同じく、世界の言語でもいろいろな歌詞が付けられ、親しまれています。

歴史学者で音楽学者のシルヴィー・ブイスーによれば、このメロディーの作者はラモーであるとする説も唱えられています。ラモーが作曲したカノンのうちの1曲に、このメロディーが作曲されているそうです。

まとめ

いかがでしたか?今回はラモーの作品の特徴やおすすめ作品を紹介しました。動画を見ていただいて、皆さんは比較的最近の動画がアップされていることにお気づきでしょうか。

上述したように、ラモーの作品は近年再び注目を集め、新しい演出によりたびたび再演が行われつつあります。もしかしたら、今後もオペラ再演などの機会が増えるかもしれません。

そのための予習も含めて、本記事が皆さんの参考になれば幸いです。

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