ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルの作品の特徴。代表曲おすすめ5選!

出典:[amazon]Handel Edition (65CD)

ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685~1759)(以下ヘンデル)は、神聖ローマ帝国(現在のドイツ)ハレにて生まれました。ドイツで生まれ、留学経験を経て最終的にはイギリスで生涯の幕を閉じました。

最初は、オペラの作成を行っていましたが次第にオラトリオ(キリスト教の聖書を題材とした音楽劇)の作成に取り掛かり沢山の名作を残しました。バッハと同じバロック音楽を作り出した重要人物の1人のため「音楽の父」と呼ばれたバッハと合わせるためにヘンデルは「音楽の母」と呼ばれていました。

ヘンデルは様々な種類の曲を作曲するよりもオペラやオラトリオという限られた種類の曲をとことん極めていたことが分かりますね。そこで今回は、ヘンデルの音楽の特徴を分析してみました!

作品の特徴

ヘンデルの楽曲全体を通して言えることは、物語としての推進力、激しい感情の起伏やドラマティックな演奏効果など楽曲自体を物語構成にすることが特徴として見られます。物語構成にすることによって音の強弱だけではなくそれが感情となってその時の心情や感情がむき出しとなりより物語を読んでいるように感じられます。この感情の起伏などは誰でもわかるように分かりやすくされているためより効果的な音楽を演奏者が作ることが出来るのも魅力の1つですね。

また、同時期に活躍したバッハは音楽一家だったため教会音楽を主に作成してきましたがヘンデルは音楽とは無縁の家庭で育ったため、劇場音楽や演奏会で楽しむ音楽が多く作曲されています。曲数もバッハはヘンデルの2倍以上も作曲しました。バッハが決して作曲に対して手を抜いていたとは一切思いませんがやはり少し余裕のあったヘンデルの曲はのびのびと書かれていることが楽譜から読み取ることが出来ます。

このように、同じバロック音楽を作り出した2人ですが全然違った作品を作ったことが読み取れますね。長くなってしまいましたがヘンデルの音楽の特徴としては、音楽とは無縁の家庭で育ち自分の作りたい作品を作ることが出来たためのびのびと作品を完成させています。

また、物語構成で作られている作品が多くスケールの大きさや感情を読み取ることが出来ます。これは、教会音楽ではなく演奏会用の曲として作曲し聴いている人たちに楽しんでもらおうと考えたためこのような作品が多く作られたのだと思います。

代表曲おすすめ

ヘンデルの音楽の特徴は理解していただけましたでしょうか。では次はヘンデルの生涯作られた曲の中からおすすめ5選を紹介したいと思います。

オラトリオ「メサイア」

「メサイア」というのは「神から選ばれた支配者、悩める者の解放者」や「救世主」と訳されます。内容としては、キリストの一生を描くよりも全人類の救世主としキリストの存在を訴えかけています。また、このオラトリオは教会用ではなく演奏会用に作られているのもヘンデルの特徴ですね。曲は3部構成で約2時間半のオペラを実はヘンデルはわずか24日間で書き上げたそうです。1か月もかかっていませんね。第2部の最後の曲に「ハレルヤ」があります。この曲は「メサイア」の中でもっともと言ってもよいほど有名な曲です。

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管弦楽「水上の音楽」

ヘンデルは管弦楽の作品をあまり作っていませんが、この曲はヘンデルの管弦楽作品の中でもっとも有名な作品です。イギリス王室が川に船を浮かべて涼をとりながら音楽を聴くという優雅な船遊びのために作曲されました。そのため全体的に明るく開放的な雰囲気が溢れている作品です。

オペラ「セルセ」より(ラルゴ オンブラマイフ)

この曲はオペラ「セルセ」の第1幕第1場の中のアリアです。このオペラ自体は上演されることはほとんどありませんが「オンブラマイフ」は美しい小品曲として演奏される機会が多いです。また、声楽を勉強する上で教材として取り上げられることの多い曲でもあります。あるソプラノ歌手がこの曲を録音しそれを日本のニッカウヰスキーのCMに用いたことにより大きな反響を巻き起こしました。

「調子のよい鍛冶屋」

この曲は、ハープシコード組曲第5番ホ長調HWV430の終曲「エアと変奏」に付けられた通称です。この名前は19世紀ごろに由来し、ヘンデルが鉄工場から変奏曲の着想をつかせたという逸話を基につけられた名前です。最初はゆったりとしたテンポで始まりゆったりとした空気が流れます。しかし、後半なるにつれてアルペッジョなどが追加され少しずつ難しくなり最後は2オクターブ上以上に拡大した音階を駆け下りて華やかに終わります。今では、トランペットやヴァイオリンがピアノを伴奏にソロ曲として演奏されることもあります。

組曲「王宮の花火の音楽」

この組曲は、「アーヘンの和約」(戦争を平和的に解決するための約束)の祝典で行われる花火大会のための音楽として作曲された曲です。この組曲は、花火が打ち上げられる前に演奏される序曲、花火の合間に演奏されるいくつかの小品曲からなっています。「水上の音楽」と同様にこの曲も野外での演奏のために作曲されています。そのため、トランペット中心とした華やかな所や木管楽器を中心とした優美で綺麗な旋律が流れるところもあります。

まとめ

今回はヘンデルの音楽の特徴と代表作おすすめ5選を紹介させていただきました。何かに縛られることなくのびのびと作曲活動していたため曲を聴くと物語をあたかも読んでいるような情景に陥るほど情景豊かで起伏の激しい曲を作ったことが分かりますね。今回は5曲しかご紹介することが出来ませんでしたが他にどんな曲があってどんな物語を感じ取ることが出来るか、是非沢山の楽曲に触れてみてください。新たな発見があるかもしれないですよ。

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