カール・マリア・フォン・ウェーバーの作品の特徴。代表曲おすすめ5選。

出典:[amazon]ウェーバー:クラリネット協奏曲全集

今回はカール・マリア・フォン・ウェーバー(1786~1826)(以下ウェーバー)の作品の特徴と代表曲おすすめ5選をご紹介させていただきます。ウェーバーはロマン派初期の作曲家でドイツ・リューベック近郊のオイティーンにて生まれました。劇場の団長であった父親について幼少期はドイツやオーストリアを転々としていました。9歳になり本格的に音楽の勉強を始めウェーバーは特にドイツオペラを軸に立てて作曲活動を行っていました。

作品の特徴

ウェーバーはドイツオペラを通して、ドイツならではのオペラの想像を試みていました。例えば、ドイツ人になじみのある森や風景などの自然を取り入れて神話的な題材を作曲の中に加えました。

この意図としては、この当時オペラはイタリアオペラの方が主流になっておりドイツオペラは誰の目にも留まりませんでした。そのためウェーバーは自分が生まれた故郷「ドイツ」を作曲に取り入れることによりまずはドイツ人がドイツオペラに対して興味を持ち、そこから全世界へ発信していこうというウェーバーの気持ちが作品の特徴として残っています。そのかいあってドイツオペラはたちまち人気になり世の中に知れ渡るようになりました。

また、ウェーバーが作曲していたオペラの形式を見てみると、この時代では考えられないオーケストラ編成の斬新さや自然的要素の取り入れ方など、これらは19世紀のオペラとして重要な形式となり後の音楽界にも多大なる影響を与えました。ウェーバーは病弱だった上39年という短い人生だったため他の作曲家と比べて作曲した作品が少なく作品の特徴として読み取れることは限られてしまいます。しかし、「ドイツ愛」を作曲活動の中に取り入れたということは少なからず特徴の1つであると言えるでしょう。

代表曲おすすめ5選

オペラ「魔弾の射手」

この作品は、だれもが1度は聴いたことがあると言っても過言ではないほど有名な作品です。初演は1821年でベルリン王立劇場にてウェーバー自身の指揮により行いました。3幕構成で演奏時間は約2時間15分です。ドイツ民話を題材にして作った作品で、ドイツオペラを確立したと言われています。

また、この作品を見たワーグナーは影響を受けてドイツオペラをさらに発展させました。観客は勿論、この作品は後の作曲家にも影響を与えた作品となりました。

内容としては、若い猟師マックスが射撃大会で優勝し恋人であったアガーテに結婚の申し込みをしようとしていた矢先に、マックスはスランプに陥り、なかなか本領を発揮することが出来ませんでした。その時に、マックスのライバルで悪魔に魂を売っているカスパールの策略にはまり、マックスは悪魔から魔弾を授かってしまいました。魔弾というのは、狙い通りに命中するのが7発中6発のみで残りの1発は悪魔の望むところに当たってしまいます。このことをマックスは知りませんでした。そして、射撃大会で魔弾を使ったことがばれてしまい、マックスは処分が下されオペラの幕が閉じます。

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ピアノ曲「舞踏への勧誘」

この曲は、1819年に作曲されウェーバーのピアノ曲としてもっとも有名な作品の1つです。この曲はロンド形式(導入、舞踏、終結)で書かれています。簡単にまとめてみると導入部分では紳士が女性を勧誘し、1度は断られてしまうが2度目には女性がついてきてくれて2人で語り合います。そして2人は舞踏場面へ移動します。終結部では、冒頭の導入がもう1度短く演奏され曲の終わりに向かいます。

「クラリネット協奏曲第1番 ヘ短調」

この作品は1811年に作曲した1作品目のクラリネット協奏曲です。3楽章構成で演奏時間は約25分です。ミュンヘンの宮廷管弦楽団のクラリネット奏者のために書いた作品でウェーバーのクラリネット協奏曲の中ではもっとも有名な作品です。この作品は大成功を遂げたためウェーバーは「クラリネット協奏曲第2番 ホ長調」をこの初演後の直ぐ翌月に作曲しました。

1楽章はアレグロで自由なソナタ形式で書かれており、2楽章は弦楽器の伴奏によってクラリネットが穏やかなメロディを歌います。3楽章はクラリネットによる独特なリズムのロンド形式で始まり、クラリネットの技巧が存分に発揮されて曲の終わりを迎えます。

オペラ「オベロン」又は「妖精王の誓い」

この作品は、ウェーバーが最後に作ったオペラです。3幕構成で初演は1826年に行われました。この作品の作曲を始めた時にはもうすでに結核に侵されており自分の死を悟ったのか15か月という異例なスピードで行われました。台本はドイツの詩人であるヴィーラントの叙事詩「オベロン」(13世紀のフランスの武勲詩やフランスものなどに登場する人物「ユオン・ド・ボルドー」の伝説が元になっている)にイングランドの詩人であるウィリアム・シェイクスピア作の喜劇「夏の夜の夢」と「テンペスト」の内容を加えたオペラになっています。

オペラ「オイリアンテ」

この作品は、ドイツ語のオペラです。台本は中世フランスのロマンス「ジェラール・ド・ヌヴェールと徳高く貞節なウリアン・ド・サヴォワの物語」を元に、ドイツの詩人ヘルミーナ・フォン・シェジーが書きました。初演は1823年にウィーンのケルントナートーア劇場にて行われ、演奏時間は約3時間と大作となっていますが現在は「序曲」のみ演奏されることが多いです。

序曲はソナタ形式で構成されています。提示部は堂々とした第1主題とアリア調の第2主題からなります。展開部は転調を繰り返して緊張を高めていき再現部に向かいます。再現部は軽快なリズムにより終わりを迎えます。序曲の演奏時間は約9分です。

まとめ

今回は、ウェーバーの作品の特徴と代表曲おすすめ5選をご紹介させていただきました。やはり作品の特徴と言ったら何といってもウェーバーの「ドイツ愛」が溢れていることですね。また、代表曲を見てもドイツオペラを軸に立てたとはいえ協奏曲やピアノ曲も有名な作品として作り上げたウェーバーは音楽の才能にあふれていますね。

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