ヴィラ・ロボスの作品の特徴及び評価。おすすめ代表作5選

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ブラジル民俗音楽を西洋クラシックと融合させ、世界的な高みへと押し上げた作曲家ヴィラ・ロボス。その意欲的な姿勢は、同時代だけでなく、その後のクラシック音楽界に多大な影響をもたらしました。多産な作曲家として知られるヴィラ・ロボス。生涯で作曲した作品の数は、1000曲を超えるとも言われています。そのどれも斬新にして情熱的である一方で、ギター曲といった繊細さを要する作品でも類い稀な傑作を残しています。
そんな多才な彼の作品にはどのようなものがあるのでしょうか。
今回はヴィラ・ロボスの作品の特徴とおすすめ代表作を合わせて紹介します。

ヴィラ・ロボスの作品の特徴や評価

ヴィラ・ロボスの作品にはどのような特徴があるのでしょうか。ここでは簡単に2つ解説します。

ブラジル民俗音楽とクラシック音楽の融合

独学で作曲を学んだヴィラ・ロボス。彼の音楽的原点はブラジル民俗音楽にあります。そのため、彼の音楽はブラジルで生まれた国民楽派ともいえるかもしれません。
およそ10年にわたり民俗音楽収集を行い、その要素をクラシック音楽と融合させた点において、ヴィラ・ロボスの功績は大きなものであると言えるでしょう。その要素は『アマゾンのフロレスタ』といった管弦楽曲や『ベンディタ・サベドリア』などのコラール曲にも生かされ、20世紀の音楽史においても重要な位置を占めています。

膨大な作曲数

ヴィラ・ロボスが72歳でこの世を去るまでに生み出した作品数は1000曲、あるいは資料によっては2000曲にも及ぶと言われています。その数があまりにも膨大なため、21世紀に入った現在でも正確な作品数はわからないとのこと。
また作曲ジャンルも交響曲、協奏曲、歌曲、オペラ、宗教曲、映画音楽など多岐にわたっており、才能の幅の広さがうかがえます。
オードリー・ヘップバーンが主演した映画『緑の館』の音楽を担当したのも、ヴィラ・ロボスです。

ヴィラ・ロボスのおすすめ代表作5選

膨大な作品を作曲したヴィラ・ロボス。彼は「第九の呪い」をもろともせず、生涯で10以上の交響曲を作曲しました。またオペラやギター曲でも優れた作品を残し、クラシックギター曲の定番として広く演奏されています。

交響曲第1番

ヴィラ・ロボスが1916年に作曲した最初の交響曲です。生涯で12曲の交響曲を残したヴィラ・ロボスですが、この作品は彼のキャリアにとって大きな転換点となりました。
作品には文学的象徴や宇宙的神秘の着想が取り入れられており、彼の内面的世界観が複雑に表現されています。
作曲から4年後の1920年、ヴィラ・ロボス本人による指揮により、リオデジャネイロにて初演が行われました。
当時の評価がどのようなものであったのかについては、詳しい記録が残されていないものの、彼にとって重要な作品であることは間違いないでしょう。
全4楽章で構成されており、演奏時間は25分程度と比較的小規模な交響曲となっています。

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交響曲第3番

1919年に作曲された作品。ヴェルサイユ条約調印を祝う目的で作曲されたため、ヴィラ・ロボスにとっても記念碑的作品と言えるでしょう。作曲スピードが凄まじく、1919年5月に着手されると、およそ2ヶ月弱の6月12日には完成したと言われています。
『交響曲第1番』と同じく1920年に初演が行われ(全曲)、演奏会では『交響曲第4番』も併せて演奏されました。交響曲第3番から第5番までの3曲はブラジル政府から委嘱を受けたものであり、全体で「戦争」「勝利」「平和」の3部作構成となっています。

ピアノ協奏曲第1番

ヴィラ・ロボスはさまざまな楽器による協奏曲も残しています。ピアノ協奏曲もその作品の1つであり、生涯で5曲のピアノ協奏曲を作曲しました。
本作は1945年、カナダ人ピアニストのエレン・バロンの委嘱により作曲された作品です。
翌1946年にバロンのピアノとヴィラ・ロボス本人の指揮により初演が行われました。
初演後は海外でも高い評価を獲得しており、イギリスでは指揮者トーマス・ビーチャムが初演を指揮しました。
演奏時間は30分程度で、ヴィラ・ロボスのピアノ協奏曲のなかでもっとも評価の高い作品として知られています。

ギター協奏曲

ギター協奏曲も彼の代表作の1つです。とはいえ、ギター作品はそれほど多く残していません。にもかかわらず現在でも高い評価を得ているのは、ギターの繊細さや情熱を最大限引き出した構成ゆえかもしれません。『ギター協奏曲』は比較的晩年に作曲された作品であるものの、ヴィラ・ロボスの円熟した世界観が味わえる作品です。
1956年、アンドレ・セゴビアによるギター独奏により初演が行われました。

12の練習曲

こちらもギター作品です。本作はヴィラ・ロボスが敬愛した大バッハの『平均律クラヴィーア曲集』のオマージュとして作曲されました。一般に「ブラジル風バッハ」と称されており、アルゼンチン・タンゴの要素を含む作品や、カルカッシ、カルッリといったギター曲を代表する作曲家の作風が取り入れられています。
クラシックギターを演奏される方にはとっては、定番の練習曲ではないでしょうか。

まとめ

20世紀初頭、クラシック音楽はファリャやシベリウス、ロシアの五人組といった、国民楽派が台頭した時代でした。そうした時代において、ヴィラ・ロボスはひときわ異彩を放った人物と言えるでしょう。彼の登場があったからこそ、南米の音楽的エッセンスが世に知れ渡り、音楽家に新たなインスピレーションを与えたことは間違いありません。
今回紹介した作品は、ヴィラ・ロボスが残した作品の一部ではありますが、そのエッセンスは現代にも通じるものがあると感じていただけるのではないかと思います。

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