ジャン・シベリウス「交響曲第2番」「交響曲第7番」の解説と分析。楽曲編成や難易度は?

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「クレルヴォ交響曲」や「フィンランディア」で不動の地位を獲得したフィンランドを代表する作曲家シベリウス。生涯で100曲以上の作品を残し、20世紀のクラシック音楽界に大きな功績を残しました。その作品はコンサートなどでしばしば演奏され、今でも人々の心を魅了し続けています。シベリウスは生涯で7つの交響曲を作曲しました。その全てが成功を収め、シベリウスらしい独特な魅力にあふれています。今回は、そのなかから2つの交響曲をご紹介します。

「交響曲第2番に」ついて

シベリウスの交響曲第2番は、1901年に作曲され、1902年にフィンランドの首都ヘルシンキにてシベリウス自身の指揮で初演されました。このときシベリウスは37歳で、「交響曲第2番」はフィンランディアで大成功を収めた翌年の作品です。シベリウスの交響曲は全体として内省的(ないせいてき)な作品が多いと言われていますが、この作品は明朗で最後にはフィナーレがつ気大団円で終わります。

またシベリウスの交響曲のなかでもっとも演奏機会の多い作品とされ、クラシックファンからは「シベ2」の愛称で親しまれています。

この作品はフィンランドではなく、イタリアのラパッロで大部分が作曲されました。フィンランドとは気候が大きく違い、暖かく長閑(のどか)な街です。ラパッロに滞在したときに、シベリウスはこの街を「魔法がかかった国だ」と賞賛したと言われています。

その後ローマへと移動し、交響曲2番をほぼ完成させました。この作品が明るく軽快なのは、イタリアの温暖な気候のためなのかもしれません。シベリウスにイタリア行きを勧めたのは、カルペラン男爵というシベリウスのパトロンで、フィンランディアの成功で知り合ったカルペラン男爵は、以降シベリウスと親交を深めることになりました。

楽曲編成は?

全4楽章構成となっています。

1楽章

Allegretto(ややはやく) ニ長調のソナタ形式で6/4拍子です。

2楽章

Tempo andante,ma rubato ,Andante sostenuto(歩く速度でテンポをゆらして、歩く速度で音を保って) ニ短調で4/4拍子 AーBーAーBーコーダです。

3楽章

Vivacissimo-Trio Lento e soave-attaca(非常に活発に、ゆっくりと滑らかに、次の章につなげて) 変ロ長調 6/8拍子です。

4楽章

Finale,Allegro moderato-Moderato assai-Molto largamente (フィナーレ、ほどよく速く、遅すぎず速すぎず、非常に幅広く) ニ長調で3/2拍子となっています。

楽器編成は次の通りです。

  • フルート
  • オーボエ
  • クラリネット
  • ファゴット
  • ホルン
  • トランペット
  • トロンボーン
  • テューバ
  • ティンパニ
  • 弦楽5部

難易度は?

のびのびとして爽快なメロディーで始まる交響曲2番ですが、演奏難易度は高いといえます。とくにメロディーを高らかに奏でるトランペットパートは難所が多くあるそうで、音程を均等に保つための高度な技術が求められます。

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「交響曲第7番」について

1924年に作曲されたシベリウス最後の交響曲です。1910年代にはすでにその着想があったと言われています。シベリウス自身の指揮によりストックホルムにおいて初演されました。

当初は「交響的幻想曲」というタイトルで3楽章構成だったそうでうすが、「交響曲第7番」に変更され単一楽章に変更されました。演奏時間はおよそ20分程度で、交響曲としては短い部類に属します。

この作品の後、交響曲第8番も完成させていたという説がありますが、発表されることはありませんでした。単一楽章でありながら、その中にはソナタ形式やスケルツォなど、さまざまな音楽的要素が盛り込まれています。

シベリウスは交響曲について、マーラーとの対話の中で次のように語ったそうです。マーラーが交響曲のあり方について「交響曲は全世界を包括するものでなければならない」と言ったのに対し、シベリウスは「内的な動機を結びつける深淵な論理が大切」と伝えたと言われています。

交響曲第7番はそうしたシベリウスの内的側面が完成された作品といえるかもしれません。

楽曲編成は?

単一楽章で構成されていますが、Adagio(序奏) – Vivacissimo – Adagio – Allegro molto moderato – Allegro moderato – Presto – Adagio – Largamente molto – Affettuosoという順で音楽が展開されます。

楽器編成は次の通りです。

  • フルート
  • ピッコロ
  • オーボエ
  • クラリネット
  • ファゴット
  • ホルン
  • トランペット
  • トロンボーン
  • ティンパニ
  • 弦楽5部

難易度は?

単一楽章で構成された比較的短い作品ですが、短い演奏時間の中に上記の楽曲編成にあるような、さまざまな変化が求められます。そのため、こちらも高い技術力とそれに加えて演奏の持続力が高度に求められる作品です。

まとめ

いかがでしたか?今回はシベリウスの2つの交響曲をご紹介しました。どちらの作品も演奏機会の多い作品です。シベリウスの交響曲は叙事詩や神話からインスピレーションを受けた作品が多く、とてもドラマティックで幻想的な作風です。また、録音された数も多く名盤とされる演奏もありますので、ぜひ探して聴いてみてください。

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