ドミートリイ・ドミートリエヴィチ・ショスタコーヴィチの作品の特徴及び評価。おすすめ代表作7選

出典:[amazon]ショスタコーヴィチ:交響曲 第 4番

20世紀に生まれ、ソビエトの監視下にありながら懸命に生き抜いた作曲家ショスタコーヴィチ。政治的抑圧にさらされながらも、時代を牽引する大曲を多く作曲しました。彼の作品は、必ずしも本意ではなく作曲されたものがありますが、それでも今もなお、多くの聴衆に愛されています。今回は、ショスタコーヴィチの作品の特徴や評価、おすすめ代表作7選をご紹介します。

作品の特徴や評価は?

ショスタコーヴィチの作品の特徴や解釈は、同時期に活躍したプロコフィエフと同様に、一括りにするのが難しいと言われています。また、クラシック音楽にとどまらず、ジャズ的な曲や映画音楽も多数作曲していることから、その才能の範囲は多岐にわたります。

あえて分類すると、初期の作品は前衛的技法を取り入れたものが多く作曲され、例えば「交響曲一番」や「交響曲二番」、オペラ「鼻」などがその代表と言えるでしょう。この「鼻」は古典的形式を継承しつつも、現代音楽家のアルバン・ベルクの前衛的影響が色濃く出ている作品です。

ソビエト国内において社会主義の影響力が増してくると、「社会主義リアリズム」を表現した作品を多く作曲します。「交響曲第五番 革命」や「交響曲第七番 レニングラード」は、まさにこの時期を代表する作品であり、社会主義を礼賛するような派手な構成となっています。

スターリンの死後、政治的抑圧から徐々に解放されるようになると、ショスタコーヴィチ本来の持ち味が遺憾なく発揮されるようになります。なかでも有名なのは、「DSCH」という自身のイニシャルを音楽に組み込んだ「DSCH」音型です。「ヴァイオリン協奏曲一番」や「交響曲第十番」など、いくつかの作品でこの音型を使用しており、後期ショスタコーヴィチを代表する特徴とされています。

最晩年になると、ショスタコーヴィチの精神性がさらに高まり、マーラーの「大地の歌」に倣った壮大な作品「交響曲十四番 合唱付き」を作曲するなど、作曲に対する熱意は生涯衰えることがありませんでした。

スターリンの独裁時代にピアノや作曲で多くの賞を獲得したショスタコーヴィチですが、晩年はその功績が世界中で評価され、名実ともに20世紀最大の作曲家へと駆け上がりました。

おすすめ代表作

ショスタコーヴィチの作品には、政治的時代背景を象徴するような代表作が多くあります。その中から、演奏機会の多いものとちょっと意外な作品も含めておすすめ7選をご紹介します。

祝典序曲

革命30周年記念のために作曲された作品です。しかし革命30周年にあたる1947年には演奏されず、7年後の1954年に初演されました。大変迫力のある作品で、演奏機会が多くショスタコーヴィチの作品の中でも人気の高い作品です。一説によると、スターリン体制からの解放の思いが込められているのではないかと言われています。

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ピアノ協奏曲第一番

1933年に作曲された初期の代表作です。ショスタコーヴィチはこの曲をわずか3ヶ月あまりで完成させました。非常に難曲で、超絶技巧が必要とされる作品です。協奏曲としては珍しく、4楽章構成からなり、作者自身のピアノによって初演されました。テーマにはベートーヴェンの「熱情ソナタ」が用いられたりと、さまざまな作品のパロディが盛り込まれた作品です。

ヴァイオリン協奏曲第一番

1947年から1948年に作曲された協奏曲です。大規模な構成で、ショスタコーヴィチの傑作の一つとして演奏機会の多い作品です。ソビエトの監視下にあったため前衛的作品は発表できず、スターリンの死後、1955年にようやく初演されました。十二音技法が用いられ、一貫した構成が見つけにくい作品ですが、ショスタコーヴィチの才能が存分に発揮された名曲です。

ムツェンスク郡のマクベス夫人

1930年から1932年にかけて作曲された、ショスタコーヴィチ2作目のオペラ作品です。全4幕9場からなり、演奏時間はおよそ2時半です。初演は大成功を収め、2年間で80回以上も上演されました。発表から数年が経ったのちに内容が問題となり、ソビエト当局により一時期上演が禁じられたものの、現在では20世紀最高のオペラ作品の一つとして数えられています。

オラトリオ「森の歌」

1949年に作曲されたオラトリオで、ショスタコーヴィチの声楽作品の中でももっとも有名な作品です。ソビエト当局の批判を回避するために、ソビエト植林事業を讃える目的で作曲されました。この曲が大成功を収めたことによりショスタコーヴィチの名誉は回復され、のちにスターリ賞を受賞しています。

ジャズ組曲一番・二番

ソビエトでのジャズの普及を目的として作曲された作品です。1938年に作曲された「ジャズ組曲二番」は戦争でスコアが焼失してしまいましたが、1999年にピアノ譜が発見され、2000年に初演を迎えたという面白いエピソードがあります。

弦楽四重奏第八番

1960年に作曲された弦楽四重奏曲の傑作です。ショスタコーヴィチは全15曲の弦楽四重奏を作曲しましたが、なかでも八番はとくに重要な意味を持つ作品といわれています。戦争の悲惨さと、ショスタコーヴィチ自身の精神状態とが重なり、全体として重い曲調で、悲哀と悲しみの深さが、聞く人の心を掴みます。

まとめ

いかがでしたか?今回はショスタコーヴィチの作品の特徴やおすすめ代表作7選をご紹介しました。ショスタコーヴィチの作品は、政治的圧迫のなかで書かれたものや、その影響で発表できなかったものなどさまざまです。20世紀最大の作曲家と言われるショスタコーヴィチの作品には、まだまだ面白い作品がたくさんあります。この記事を機会に、ぜひ自分好みの作品を見つけてみてください。

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