ヨーゼフ・シュトラウスの作品の特徴及び評価。おすすめ代表作7選

出典:[amazon]ヨーゼフ・シュトラウス:オーストリアの村つばめ

ヨーゼフ・シュトラウス(以下ヨーゼフ)は名門シュトラウス家の次男として生まれ、兄ヨハン・シュトラウス2世と弟エドゥアルトと共に19世紀に活躍した作曲家です。元日恒例のウィーンフィルによるニューイヤー・コンサートでもヨーゼフの作品が取り上げられ、その作品は今でも多くの人々に愛されています。そこで今回は、ヨーゼフ・シュトラウスの作品の特徴とおすすめ代表作をご紹介します。

ヨーゼフ・シュトラウスの作品の特徴や評価

ヨーゼフ・シュトラウスはもともと音楽家になるつもりはなく、エンジニアになるために機械工学や数学を学び、水道整備や紡績工場の主任技師をしていました(そちらの分野でも大きな功績を残しています)。しかし父ヨハン・シュトラウス1世の死後、シュトラウス楽団を引き継いだ兄のヨハン・シュトラウス2世を助けるためにしぶしぶ作曲家へ転向します。

ヨーゼフの作品は、兄のような大胆さとは違い、繊細で抒情的な作品が多いのが特徴です。子供の頃から控えめで神経質だったのが音楽として反映されているのかもしれません。
また古典派の音楽やロマン派を好んだヨーゼフは、自身の作品のなかにもロマン派的特徴を豊かに取り入れ、いつしか「ワルツのシューベルト」と称されるようになりました。

人気では兄ヨハンに劣るものの、生涯で280曲もの作品を残しており、ポルカの作曲数に関しては兄を凌ぐほどの作品を作曲しています。それらは現在でもしばしば演奏され聴衆を楽しませています。

また、20世紀を代表する指揮者の一人、オトマール・スウィトナーはインタビューのなかで「好きな曲は何万とあるが、そのなかで一つだけ選ぶとするなら、(ヨーゼフの)とんぼだ」と答えています。この言葉から、ヨーゼフの作品がヨーロッパの人々にとってかけがえのないものであることがわかります。

おすすめ代表作7選

ヨーゼフ・シュトラウスのおすすめ作品をご紹介します。兄のヨハン・シュトラウス2世とは違った繊細で情緒豊かな作品ばかりです。

ディナミーデン

「秘めたる引力」の副題がついた作品です。1865年、宮廷大舞踏会の「工業舞踏会」で初演されました。「序奏・5つのワルツ」で構成されています。作曲家として生きることを決意したヨーゼフはロマン派の音楽から強い影響を受け作品に反映させました。リヒャルト・シュトラウスは代表作「バラの騎士」のなかで、このワルツを主題にしたメロディーを用いています。またタイトルの「ディナミーデン」とは、「原子や分子が引き合う力」を意味する造語だそうです。

最初で最後

父の死後、シュトラウス楽団を引き継いだ兄のヨハン・シュトラウス2世は、あまりの多忙によりたびたび療養生活を余儀なくされました。母の懇願もあり、しぶしぶ音楽家となったヨーゼフはこの作品でデビューします。ヘルナルス教会祭のために作曲されたワルツで、1853年に初演されました。タイトルの通り、音楽家になることによほど嫌気がさしていたようですが、本人の意に反して作品は大成功を収めました。

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オーストリアの村つばめ

小説家アウグスト・ジルバーシュタインの同名の小説から着想を得て作曲されました。演奏時間はおよそ9分で、ヨーゼフの代表作の一つです。1864年に作曲され、作品はジルバーシュタインに献呈されました。シューベルトに心酔していたヨーゼフは、この作品のなかでシューベルト風の旋律を5種類も使っているそうです。木管楽器による「つばめの鳴き声」がとても印象的な作品となっています。

水彩画

ヨーゼフを代表するウィンナ・ワルツです。1869年にウィーン芸術家協会に献呈されています。演奏時間はおよそ8分で、「序奏・5つのワルツ・コーダ」の構成となっています。ヨーゼフは音楽だけではなく絵画にも造詣が深く、自身も多くのスケッチを描きました。この作品も、「水彩画」のような柔らかいメロディーが特徴です。兄のヨハンも絵を描いたそうですが、兄には絵画の才能はなかったと言われています。

鍛冶屋のポルカ

ポルカ・フランセーズ(フランス風ポルカ)として作曲された、ヨーゼフを代表するポルカです。金庫メーカーのヴェルトハイム協会の依頼により1869年に作曲されました「鍛冶屋のポルカ」のタイトルの通り、鍛冶を打つ音を再現するために「金床(かなとこ)」を使うのもこの作品の特徴です(金床とは金属を載せる作業台のことです)。初演はシュトラウス楽団が演奏し、指揮もヨーゼフが担当しました。日本では、小学生用の「観賞用作品」として音楽の授業で取り上げられています。

わが人生は愛と喜び

1869年に宮廷大舞踏会場での「学生舞踏会」で初演されました。ウィーンの学生のために作曲されたこの作品は、演奏後に拍手が鳴り止まず、次に演奏する予定だったポルカ「からかい」が翌日に延期になったという伝説が残っています。演奏時間はおよそ8分で、「序奏・5つのワルツ・コーダ」で構成されています。ヨーゼフの死後、しばらく忘れられていましたが、現在では「天体の音楽」や上記の「オーストリアの村つばめ」と並ぶ代表作です。

とんぼ

ポルカは数多くありますが、ヨーゼフの「とんぼ」はそのなかでもっとも有名なポルカです。妻のカロリーネとハイキングに行った際、土手を優雅に飛ぶトンボを見て作品の着想を得たといわれています。そしてこの作品は、音楽史においても非常に重要な作品です。
エジソンの代理人の依頼で、ブラームスのピアノ演奏による史上初のレコーディングが行われましたが、そのときブラームスが演奏した作品は、自身の「ハンガリー舞曲1番」とヨーゼフの「とんぼ」でした。

まとめ

いかがでしたか?今回はヨーゼフ・シュトラウスの作品の特徴とおすすめ代表作をご紹介しました。どれも聴きやすく穏やかな曲調なので、軽快なワルツを聴きたい方にぜひおすすめです。ヨーゼフは、父や兄ほどの名声を得ることはできませんでしたが、両者に勝るとも劣らない才能を持ち、他にも素晴らしい作品を多く残しています。この記事を機会に、ぜひヨーゼフ・シュトラウスの作品に触れてみてはいかがでしょうか。

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