イーゴリー・ストラヴィンスキー『ペトルーシュカ』の解説・分析!楽曲の編成や難易度は?

出典:[amazon]Stravinsky conducts Stravinsky

『火の鳥』、『ペトルーシュカ』、『春の祭典』でお馴染みのロシアの音楽家イーゴリー・ストラヴィンスキー(1882-1971)。
今回は、そのストラヴィインスキーの三大バレエの中の一つ『ペトルーシュカ』について詳しく解説していきます。

『火の鳥』の成功から『ペトルーシュカ』作曲へ

ロシアの舞踊興行主であるセルゲイ・ディアギレフ(1872-1929)が依頼していた『火の鳥』は1910年にパリのオペラ座で初演し、大成功を収めました。
当時28歳だったストラヴィンスキーは、一夜にしてフランスでの名声を手に入れたわけですが、この成功に喜んだのはストラヴィンスキーだけではありませんでした。
前衛的な取り組みに意欲的なディアギレフは、次の作品もストラヴィンスキーに依頼します。
次なる大作は『春の祭典』が予定されていましたが、構想が膨大になり、時間を要することが考えられたことから、急遽間に一曲設けることになりました。
それが、『ペトルーシュカ』だったのです。
ディアギレフとの仕事が忙しくなることを見越し、1910年の秋にはストラヴィンスキー一家はフランスのニース近郊に家を構えます。
そして、ニコンチン中毒で倒れながらも、ニースの自宅で『ペトルーシュカ』を完成させます。
初演は、1911年パリのシャトレ劇場で行われました。
初演の反応は、『火の鳥』の時のような拍手喝采まではいきませんでしたが、概ね良好で、成功だったと言えます。

『ペトルーシュカ』のストーリーと音楽構成

バレエ『ペトルーシュカ』のあらすじや幕構成についてまとめています。

『ペトルーシュカ』のあらすじ

『ペトルーシュカ』のあらすじは、『ピノキオ』によく似ています。
藁人形のピョートル(愛称ペトルーシュカ)は命を吹き込まれたことで、人間を知り、恋愛感情を知ります。
情熱的なハートを持っているものの、人間ではないペトルーシュカには常に悩みが付きまといます。
人間に憧れつつも、決して人間にはなることができないペトルーシュカの悲しき運命が物語られるのです。

『ペトルーシュカ』音楽

『ペトルーシュカ』の音楽は、ストラヴィンスキー音楽の例に漏れず、前衛的なものと位置付けられます。
時にファンタジックに、時にグロテスクに、自由自在に変貌する音楽は、聴衆を刺激します。
ハ長調(C-dur)と嬰ヘ長調(Fis-dur)を組み合わせた独特の和音は、「ペトルーシュカ和音」と呼ばれ、曲の中で多用されています。

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この曲に用いられた和音配合や技巧、音楽美学は、同世代の音楽家に多大な影響を与えたとも言われており、音楽家や作曲家からは大変評価が高い作品として知られてきました。

バレエ音楽から派生したピアノ曲『「ペトルーシュカ」からの3楽章』とは?

『ペトルーシュカ』の代表的な旋律を元に作られたのが、ピアノ曲『「ペトルーシュカ」からの3楽章』です。
第1楽章は第1場から「ロシアの踊り」をテーマに、第2楽章は第2場から「ペトルーシュカの部屋」をテーマに、第3楽章は第3場の「謝肉祭」をテーマに構成されています。

作曲に至った経緯

『ペトルーシュカ』は元々オーケストラ曲ではありますが、ピアノ部分も大いに重要視しる曲として知られています。
そこに目を付けたストラヴィンスキーと同時代の偉大なピアニスト、アルトゥール・ルービンシュタイン(1887-1982)は、ストラヴィンスキーに『ペトルーシュカ』のピアノ曲への編曲を依頼します。
これが1921年のことでした。

難易度は最高難易度!演奏不可能な指使いが出現する!?

オーケストラ曲をピアノ曲へアレンジしたこともあり、音が多く、大変難しい指使いを必要としました。
中には演奏に不向きな指使いも登場し、至る箇所に超絶技巧が組み込まれ、難易度もぶっちりにトップクラスを誇っています。
更に、音が離れたところへの跳躍が繰り返されることから、ピアニストの体力を無駄に消耗させる曲としても知られています。
因みに、ストラヴィンスキー本人は、まったく自分が演奏することを考えずに編曲したそうです。
それゆえ、ピアニストのことを一切考えない曲に仕上がってしまったことについては、申し訳なさも感じていると後に述べています。

ピアニストを魅了する難曲

超難易度を誇るこの曲は、ピアニストとしてテクニックを競うにはまたとない作品として認識されているところがあり、演奏不可能な指使いが登場するにも関わらず、多くのピアニストがこの曲の演奏にトライしてきました。
しかし、成長期のピアニストがこの曲を演奏するとなると無理を強いるケースも少なくない言われているので、注意が必要な曲としても知られています。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
『春の祭典』も『ペトルーシュカ』同様に、ピアノ曲に作曲家自身の手で編曲されていますのが驚きです。
バレエ音楽に興味があっても、4幕も続けて観ている暇がないという方は、是非ピアノ曲の方をチェックしてみてください。
ピアニストの超超絶技巧に目を奪われると共に、よくこんな曲を書いたなと驚かされることでしょう。

>>イーゴリー・ストラヴィンスキーの作品の特徴とは?代表曲おすすめ4選

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