アラム・イリイチ・ハチャトゥリアン「剣の舞」「仮面舞踏会」の解説・分析。楽器・楽曲編成に聴きどころは?

出典:[amazon]ハチャトゥリヤン: ヴァイオリン協奏曲ニ短調 他 (Aram Khachaturian : Composer – Conductor – Pianist / Violin Concerto ‘ Cello Concerto ‘ Piano Concerto ‘ Gayane ‘ Masquerade) (2CD) [輸入盤]

20世紀のロシア(ソビエト)を代表する作曲家ハチャトゥリアン。作品の数はそれほど多いとは言えませんが、誰もが知る名曲を多く残しています。ハチャトゥリアンの作品のなかでも今回紹介する「剣の舞」は知らない人はいないと言えるほど有名な作品です。

また「仮面舞踏会」も大変人気で、作中のワルツは、多くのワルツ作品の中でも屈指の名作と評されています。そこで今回は、ハチャトゥリアンの「剣の舞」と「仮面舞踏会」についてご紹介します。

剣の舞とは

「剣の舞」はハチャトゥリアンのバレエ音楽「ガヤネー」の中の1曲です。「ガヤネー」は1942年に作曲され、旧ソ連のアルメニアが舞台となっています。「剣の舞」は最終幕で登場する作品です。日本人にとっては「ガヤネー」ではなく「ガイーヌ」という名称で知られていますが、これは「ガヤネー」をフランス語読みしたものです。

「剣の舞」は急な要請であったため「ガヤネー」の全体リハーサル前日まで作曲されていなかったそうです。悩みに悩んだハチャトゥリアンでしたが、机を指で叩きながらリズムを模索し、ふさわしいリズムが閃めくと一気に書き上げて、翌日には完成させたと言われています。そしてあっという間に書き上げた「剣の舞」は、ハチャトゥリアンの代名詞とも言える作品となりました。

「剣の舞」があまりに好評であったため、いつしかハチャトゥリアン=剣の舞のイメージがついてしまい、ハチャトゥリアン自身はこれについて辟易(へきえき)していたそうです。

楽器・楽曲編成は?

ガヤネーの楽器編成は非常に大きく、次の通りです。
・ピッコロ
・フルート
・オーボエ
・ファゴット
・イングリッシュホルン
・バスクラリネット
・クラリネット
・ホルン
・トランペット
・トロンボーン
・チューバ
・アルトサキソフォン
・ティンパニ
・大太鼓
・小太鼓
・シンバル
・グロッケンシュピール
・ゴング
・タンブリン
・トライアングル
・シロフォン
・チューバフォン
・弦楽五部
・木琴

2分程度の短い作品ですが、作品構成はAーBーA’の3部構成となっています。Aでは打楽器による荒々しいリズムと、木管楽器と木琴が有名なメロディを奏でます。Bではアルト・サキソフォンとチェロが旋律をリードし、A’でAとBが合わさる構成です。

聴きどころ

「剣の舞」はクルド人がサーベルを持って舞う姿を表現しています。聴きどころは、もはや「全体が」といっても過言ではありません。2分程の短い時間に、激しい舞の表現や、剣が舞う荒々しさが表情豊かに表現されています。冒頭部分は半音階が多用され、ハチャトゥリアンが持つ民族性が発揮されたとても魅力的な作品です。火を吹くような金管楽器の音色や、フルートのオブリガードなど、一度聞いたら忘れられない名曲です。

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仮面舞踏会とは

仮面舞踏会は、「現代の英雄」や「詩人の死」などの作品で知られるロシアの文豪ミハイル・レールモントフの戯曲を元に作曲された劇音楽です。のちに管弦楽用の組曲に編曲され、演奏機会の多い名作です。1941年に劇音楽として作曲され、劇音楽としては、4幕10場で構成されています。現代ロシア音楽を代表する作品で、2014年に開催された冬のソチオリンピックでは開会式および閉会式の両方で使用されています。

仮面舞踏会のあらすじを簡単にご紹介します。

主人公で凄腕の賭博師であるアルベーニンが、賭博で全財産を失いかけていた公爵ズヴェズヂッチを助けるところから物語が始まります。後日、アルベーニンの妻ニーナとともに公爵と再会しましたが、ニーナは舞踏会場で指輪を失くしてしまいました。ニーナが落とした指輪を拾った男爵未亡人は、舞踏会で言い寄る公爵ズヴェズヂッチを煙に巻くため指輪をあげてしまいます。

公爵はその指輪をアルベーニン見せますが、アルベーニンはその指輪は自分が妻ニーナに与えたものであることに気がつきます。妻が公爵と浮気をしていると疑い、嫉妬に狂ったアルベーニンはアイスに毒を混ぜて妻を殺してしまうという物語です。

楽器・楽曲編成は?

楽器編成は次のようになっています。
・フルート
・オーボエ
・クラリネット
・ファゴット
・ホルン
・トランペット
・トロンボーン・チューバ
・ティンパニ
・バスドラム
・スネアドラム・ウッドブロック
・シンバル
・シロフォン
・グロッケンシュピール
・弦楽五部

組曲の楽曲編成は5つで構成されています。
Ⅰ・ワルツ
Ⅱ・ノクターン
Ⅲ・マズルカ
Ⅳ・ロマンス
Ⅴ・ギャロップ

※ギャロップとは19世紀半ばのドイツで流行したテンポの速い2拍子または4拍子の舞曲です。

聴きどころ

もっとも有名な曲は「ワルツ」です。非常に優雅で、雄大な構成になっており、あらゆるワルツ作品の中でも屈指の名作です。ハチャトゥリアンの「ワルツ」はさまざまな場面で用いられていますが、なかでもフィギュアスケートの音楽で使われているので、聞いたことがある方もとても多いと思います。ハチャトゥリアンらしいアルメニアの民族音楽と西洋音楽の融合が見事な名作です。

まとめ

いかがでしたか?今回はハチャトゥリアンの「剣の舞」と「仮面舞踏会」についてご紹介しました。どちらもハチャトゥリアンらしい、祖国アルメニアの民族性溢れる表情豊かな作品です。誰しも一度は聞いたことがある思いますが、これを機会にぜひまた聞いてみてはいかがでしょうか。

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>>アラム・イリイチ・ハチャトゥリアンってどんな人?その生涯や性格は?死因は?

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