シャルル・グノー『アヴェ・マリア』『ロメオとジュリエット』の解説と分析。楽曲編成や聴きどころは?

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19世紀フランス音楽界の巨匠シャルル・グノー。日本ではそれほど頻繁に取り上げられることのない作曲家ですが、彼の代表作『アヴェ・マリア』はその美しいメロディーにより、現在も世界中の人々に親しまれています。また、オペラ作曲家としても数々の名曲を残したグノーは、西洋音楽史において「フランス近代歌曲の父」と称されている人物です。そこで本記事では、グノーをもっとも代表する『アヴェ・マリア』とオペラ『ロメオとジュリエット』について紹介します。どちらもクラシック音楽において燦然と輝く名曲ですので、ぜひ参考にしてください。

シャルル・グノーとは

シャルル・グノー(1818〜1893)は、フランスのパリに生まれた19世紀を代表する作曲家です。幼少期から優れた音楽的才能を示したグノーは、パリ国立音楽院在学中に作曲家の登竜門「ローマ大賞」を受賞し、以降オルガニスト、作曲家として数々の名曲を世に送り出しました。とくにオペラや宗教曲においてその功績は大きく、「フランスのベートーヴェン」とも称されています。演奏レパートリーは少ないものの、今回紹介する『アヴェ・マリア』や『ロメオとジュリエット』はクラシック音楽愛好家だけでなく、多くの人々から現在もなお愛され続けています。1893年、脳卒中のためこの世を去ったグノーですが、その葬儀は国葬をもって執り行われました。

グノーの『アヴェ・マリア』について

グノーの『アヴェ・マリア』はバッハの『平均律クラヴィーア曲集』第1巻の旋律にメロディを重ねた作品です。当時グノーは即興でメロディを作曲し、自身が楽しむためにのみ作曲しましたが、義理の父の助言により1853年に楽譜出版が行われました。
その後1859年、ラテン語版『アヴェ・マリア』の楽譜が出版されると、たちまち大人気となり、今日ではグノーを代表する1曲として親しまれています。声楽版だけでなく、ピアノやチェロ、ヴァイオリンなどいろいろな楽器で演奏されており、それぞれの音色の違いを楽しめます。

「アヴェ・マリア」ってどういう意味?

「アヴェ・マリア」という言葉をどこかで聞いたことがあっても、その意味までご存じの方は多くないと思います。「アヴェ・マリア」とはキリスト教のカトリック教会で使用される、聖母マリアへの祈祷文(きとうぶん)のことです。一般に歌詞はラテン語を使用し、「こんにちは、マリア」や「おめでとう、マリア」を意味しています。グレゴリオ聖歌やさまざまな教会音楽で用いられており、カトリック教徒にとっては重要な役割を占めるものとなっています。

『3大アヴェ・マリア』の1曲

読者のみなさんは「3大アヴェ・マリア」というのをご存じでしょうか?。「アヴェ・マリア」にはいくつもの作品が存在しますが、その中でもカッチーニ、シューベルト、グノーそれぞれの『アヴェ・マリア』を総称して「3大アヴェ・マリア」と呼ばれています。
どの作品も1度は聴いたことのあるメロディーだと思いますので、ぜひ聴き比べをして楽しんでみてはいかがでしょうか。

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オペラ『ロメオとジュリエット』

グノーはその生涯で10作以上のオペラや舞台音楽を作曲しました。残念ながら、それらの多くは演奏されることはありませんが『ファウスト』や『ロメオとジュリエット』といったオペラは、現在でも高い人気を誇っています。オペラ『ロメオとジュリエット』は全5幕構成のグランド・オペラです。

本作はタイトルの通り、イギリスの文豪シェイクスピアの同作品に題材を得ています。グノーの他にも同作をオペラ化した作曲家は存在していますが、本作は「シェイクスピアの戯曲から生まれた数多くの作品の中でもっとも成功し、人気を得たものの一つ」と称されるほど大きな成功を収めました。

1864年に作曲が開始され、およそ2年の歳月をかけた1866年に完成されました。その後1867年に初演を迎えると連日超満員となるほどの人気ぶりにより、同年に早くもイギリスにて初演が行われています。シェイクスピアの祖国であるイギリスでの大ヒットが、本作の成功を支えているのは言うまでもありません。そしてその人気は現在も衰えることはなく、2024年には新たな演出による映画上映が予定されています。

また、作中のアリア「恋よ、恋よ」や「私は夢に行きたい」などは、単独でも演奏される人気曲です。

楽器編成は?

オペラというと壮大なオーケストレーションを想像しがちですが、本作は一般的な楽器編成となっています。使用されている楽器は次の通りです。
・フルート(2)
・オーボエ(2)
・クラリネット(2)
・ファゴット(2)
・ホルン(4)
・トランペット(2)
・トロンボーン(2)
・弦楽5部
・ハープ
・オルガン

『ロメオとジュリエット』の豆知識

シェイクスピアの悲劇(喜劇という人も)『ロメオとジュリエット』は、その作風から大人の恋愛を想像する人も多いかもしれません。しかしこの『ロメオとジュリエット』、実はロミオが16歳、ジュリエットが14歳という設定なのをご存じでしょうか?
しかも2人が出会ってから恋に落ち、悲劇的な結末を迎えるまでの期間はわずか5日間です。こんな豆知識を知るだけでも「作品を聴いてみようかな」と思いませんか?

まとめ

今回はグノーの『アヴェ・マリア』とオペラ『ロメオとジュリエット』を解説しました。グノーが織りなすメロディーはどれも柔らかく旋律的であるのが特徴です。そのため、現代音楽(20世紀の音楽)に見られるような難解さや複雑な構造は少なく、クラシック音楽初心者の方にも最適な作曲家といえるでしょう。これからクラシック音楽を聴いてみたいと思っておられる方は、グノーの作品から聴いてみるのも面白いかもしれませんよ。

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