ダリウス・ミヨー「世界の創造」「スカラムーシュ」の解説・分析。楽曲編成や聴きどころは?

出典:[amazon]Milhaud: Une Vie Heureuse

ダリウス・ミヨーという作曲家をご存知ですか?もしご存知であれば、あなたはかなりのクラシック好きであることに間違いありません。ミヨーは19世紀末の1892年に生まれ、80歳まで意欲的に作品を発表し続けた、フランスの作曲家です。同世代にはフランシス・プーランクやアルテュール・オネゲルなどがおり、のちに彼らと共に結成した「フランス6人組」は、フランスクラシック音楽界に大きな功績を残しました。ミヨーは多作の作曲家として知られていますが、今回はその中から「世界の創造」と「スカラムーシュ」の2曲を紹介します。

「世界の創造」について

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「世界の創造」は1923年にミヨーが発表した1幕からなるバレエ音楽です。アメリカ訪問中、本場のジャズに感銘を受けたミヨーは、「ジャズの室内楽への応用」という発想を得て本作を完成させました。バレエ自体は「アフリカ人から見た天地創造」が主題とされ、パリのシャンゼリゼ劇場にて初演されています。

1920年代のパリの芸術界では、一種の「アフリカブーム」が起きており、ミヨーもその流行に乗った形で本作を発表しました。他にフランシス・プーランクの作品に「黒人の狂詩曲」という作品がありますが、これも「アフリカブーム」の潮流に乗ったものです。

現在ではバレエとして公演されることはなく、サクソフォン独奏を含む、17人による小編成オーケストラで演奏されるのが一般的です。1933年、ニューヨークで行われた初演では好評を博し、とりわけガーシュウィンの「ラプソディー・イン・ブルー」(1924年)に先んじてジャズを取り入れていた点について、ミヨーは大きな賞賛を得たと言われています。

楽曲編成や構成は?

全体として6曲の楽曲で構成されていますが、途切れることなく1つの作品として演奏されるのが特徴です。各作品にはタイトルが付けられており、それぞれの表題は以下の通りです。演奏時間は15分程度。

1、序曲
2、創造の前の混沌
3、動植物の創造
4、男女の創造
5、男女の色恋
6、春または充足感

作品中のどの辺りが曲目を表現しているのかが分かり難いかもしれませんが、ポイントを探してみるのも面白いかもしれません。またピアノ五重奏版も編曲されています。

初演は失敗に終わる

衣裳と舞台を画家フェルナン・レジェが担当し、作家ブレーズ・サンドラールが台本を手がけるなど豪華メンバーで制作されたものの、評論家から「食堂かダンスホールにふさわしい音楽」と酷評され、計12回の演奏で打ち切りとなってしまいました。

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「スカラムーシュ」について

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1937年に作曲された2台のピアノのための組曲です。のちにサックスとオーケストラの編成や、クラリネットとオーケストラ版など、さまざまなアレンジが施されています。ミヨーをもっとも代表する作品であり、現在でも演奏機会の多い作品として高い評価を得ています。
タイトルのスカラムーシュとは、パリに実在する子供向け劇場の名前で、元は「ホラ吹きの道化役」を意味する言葉だそうです。

1937年、パリ万国博覧会で演奏するためにと、マルグリット・ロンとマルセル・メイエから作曲を依頼されたミヨーですが、当初は作曲に前向きではなかったため、モリエールの劇「空飛ぶお医者さん」で使用した音楽を流用し、本作を完成させました。

同年7月に行われた初演は、ミヨーの意に反して好評を得て、以降ミヨーの代表作として今日に至ります。また依頼者2名によるSPレコード録音も好調な売れ行きを記録し、これに気を良くしたミヨーは、翌1928年、自身による録音も発表しました。

楽曲構成について

全3楽章で構成されており、それぞれの楽章には作者から次のような指示が添えられています。

1楽章・・・快活に、ハ長調の4/4拍子
2楽章・・・おだやかに、変ロ長調の4/4拍子
3楽章・・・ブラジルの女、サンバのリズム、2/4拍子

上記の通り、楽曲の組み合わせはさまざまですが、演奏時間はおおむね10分程度です。
またヴァイオリニストのヤッシャ・ハイフェッツ編曲による、ヴァイオリンとピアノ用の編曲もあります。

検閲を逃れるために偽名で演奏された

ユダヤ人だったミヨーはナチスドイツから逃れるためフランスを後にし、以降作品の演奏が禁止となってしまいます。しかし検閲を免れるため「ハミッド・アル・ウスリッド」(ダリウス・ミヨーのアナグラム)というアラビア人が作曲した、「ムース・アレシャック」(こちらも「スカラムーシュ」のアナグラム)として演奏されました。このことから、スカラムーシュがどれほど人々の心の支えになっていたかが分かります。

まとめ

今回は「世界の創造」と「スカラムーシュ」について解説しました。一方はミヨーの崇高さを、もう一方は遊び心を端的に表現した作品だと筆者は感じましたが、みなさんはどのように感じましたか?今回紹介した2つの作品は、あくまでも私の独断と偏見によるものですので、ぜひみなさんのお気に入りの作品を見つけて、さまざまな作品と聴き比べてみてはいかがでしょうか。きっと新たな発見があると思いますよ。

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