セルゲイ・プロコフィエフの作品の特徴及び評価。おすすめ代表作7選

出典:[amazon]プロコフィエフ: 交響曲全集

セルゲイ・プロコフィエフは1891年ロシアに生まれた、20世紀を代表する作曲家です。ピアノ曲から交響曲、オペラやバレエ音楽などそのジャンルは多岐にわたり、華々しくダイナミックな作品が多いのが印象的です。今回は、プロコフィエフの作品の特徴と、おすすめ代表作7選をご紹介します。

作品の特徴と評価は?

プロコフィエフは、ピアノからオペラ、バレエや映画音楽などさまざまなジャンルの作品を残しています。初演で大好評だった作品もあれば、初演は不評であっても後世に評価されたものなど、その評価も多様です。あまりにも斬新な作品が多かったので、初演当初から作品に対する賛否が真っ二つに分かれることもありました。

例えば、ピアノ協奏曲第二番の初演に対して「この未来派の音楽め!くたばれ!」という感想を抱く人もいれば「なんという斬新さ!素質と独創性だ!」と絶賛する人もいました。

作品自体も、同じ時期に作曲された作品であっても、全く異なる様式で作曲されていたりと、一定の特徴を見つけるのが難しいところがあります。しかしある意味ではその点が、プロコフィエフの天才さを表しているとも言えます。

当時の音楽界で流行していた印象派やロマン派などの時流に乗ることなく、プロコフィエフは、自分自身の道を進み独特の個性を発揮したと考えられます。

おすすめ代表作7選

プロコフィエフのおすすめ代表作7選をご紹介します。プロコフィエフは、作品数が多い作曲家ですが、その中から時代を代表する作品をジャンルごとに分類してご紹介します。

交響曲第一番「古典交響曲」

1917年に作曲された交響曲です。全四楽章で作曲され、演奏時間は15分程度と小規模な作品となっています。「ハイドンが生きていたら書いたであろう作品」をコンセプトに作曲され、「古典交響曲」という作品名はそこから命名されました。プロコフィエフは、サンクトペテルブルグ音楽院時代に最初の交響曲を作曲していましたが、「完成度が未熟である」という理由から、この作品が交響曲一番として正式に扱われています。第三楽章はピアノ独奏にも編曲され、そのモチーフはバレエ「ロメオとジュリエット」にも採用されています。

交響曲第七番「青春」

1952年に作曲と初演がなされた、プロコフィエフ最晩年の大作交響曲です。「ジダーノフ批判」を受けたことで作品の一部の演奏を禁止されてしまったプロコフィエフでしたが、ソビエトを担う次の若者たちのためにこの曲を作曲しました。タイトルの「青春」は、未来を思うプロコフィエフの想いからその名がつけられたそうです。初演は大好評で迎えられ、熱狂的に歓迎されました。全四楽章からなり、演奏時間は約35分です。

交響的物語「ペーターと狼」

1936年に作曲された、ナレーターとオーケストラのための作品です。作品にナレーションが入るという画期的な作品として知られており、子供のための音楽として現在でもとても人気のある曲です。作品内のナレーション台本はプロコフィエフ本人によって書かれたもので、1946年にはディズニーによって映画化もされています。演奏時間はおよそ20分から25分で、小鳥やアヒル、猫や狼、ピーターなど、登場人物ごとにモチーフとなるメロディーがついている点でもとても興味深い作品です。

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ピアノ協奏曲第三番

1921年に作曲された20世紀を代表するピアノ協奏曲です。演奏難易度が非常に高く、演奏者には超絶技巧が求められます。プロコフィエフ自身のピアノとシカゴ交響楽団によって初演されました。翌年1922年にはクーセヴィツキー指揮でパリでも初演され、大好評を得ました。プロコフィエフの作品のなかでも演奏機会の多い作品の一つです。三楽章構成で、演奏時間はおよそ30分です。とくに第三楽章はプロコフィエフ自身が「ピアノとオーケストラとの討論」と称しており、ダイナミックな展開の連続が特徴的です。

ヴァイオリン協奏曲第一番

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1916年から1917年に作曲され、1923年パリにてクーセヴィツキー指揮で初演されました。演奏時間はおよそ22分です。初演はそれほど好評ではありませんでしたが、現在では大変人気のある作品です。この作品を聞いたピアニストのアルトゥール・ルビンシュタインは、演奏終了後、感動のあまりプロコフィエフの楽屋を訪れたという逸話が残されています。

組曲「キージェ中尉」

「キージェ中尉」は、ロシアの作家トゥイニャーノフの同タイトルの作品をベースに作曲された、喜劇的作品です。1933年に映画音楽として作曲されたものを、プロコフィエフ自身が組曲に編曲した作品です。この組曲を編曲にするにあたり、プロコフィエフは「映画音楽を作るよりも苦労した」と言っています。全5曲で構成され、演奏時間はおよそ20分となっています。喜劇的作品のため、作風もとても軽やかで楽しい作品です。

三つのオレンジへの恋

イタリアの作家カルロ・ゴッツィによる同タイトルの作品を、プロコフィエフがオペラにした作品です。クレオフォンテ・カンパニーニの依頼で作曲されました。カンパニーニの急死により紆余曲折を経て、1921年プロコフィエフ自身の指揮で初演され大成功を収めた作品です。全四幕で構成されており、演奏時間はおよそ2時間となっています。
のちに組曲版とピアノ独奏版に編曲されるなど、演奏機会の多い作品となっています。

まとめ

いかがでしたか?今回は、プロコフィエフの作品の特徴と代表作7選をご紹介しました。プロコフィエフは作品に幅があり、繊細でありながらも、ダイナミックな音楽が楽しめます。20世紀最高の天才の1人であるプロコフィエフの作品は、まだまだたくさんありますので、ぜひ自分好みの1曲を探してみてはいかがでしょうか。

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