ジョージ・ガーシュウィン「ラプソディ・イン・ブルー」「アイ・ガット・リズム」の解説と分析。楽曲編成や聞きどころは?

出典:[amazon]パーフェクト・ピアノ・ロール ~ガーシュウィン・プレイズ・ガーシュウィン Vol.1

ガーシュウィンの作品は、日本でもCMやドラマなどで耳にする機会が多いかと思います。また最近では、フィギュアスケートのプログラム曲として使用されることもあり、ガーシュウィンの名前は知らなくても、その作品を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。そこで今回は、ガーシュウィンの作品でもっとも有名な「ラプソディー・イン・ブルー」と「アイ・ガット・リズム」をご紹介します。

ラプソディー・イン・ブルーの解説と分析

「ラプソディ・イン・ブルー」は、1924年ポール・ホワイトマンの依頼で作曲されたピアノとオーケストラのための作品です。もともとは2台のピアノ曲として想定されていましたが、のちに現在のような形式に変更されました。

ラプソディーとは、日本語では「狂詩曲」と訳されていますが、その形式は民族的音楽をベースとした自由な形式のことを言います。

作曲された当初は「アメリカン・ラプソディー」というタイトルでした。しかしガーシュウィン作品の作詞を担当していた兄アイラの提案で「ラプソーディー・イン・ブルー」というタイトルに変更されました。

ガーシュウィンはこの曲をわずか3週間で書き上げたといわれていますが、当時のガーシュウィンはオーケストレーションに編曲する技術があまりなかったため、作曲家のファーディ・グローフェの協力を得て編曲されました。ちなみにこのグローフェという人物はあまり聞いたことがない作曲家かもしれませんが、中学の音楽の授業で習う、組曲「グランドキャニオン」の作者です。

1924年に「現代音楽の実験」というコンサートで初演され、ガーシュウィン自身のピアノ独奏で演奏されました。会場には新しい音楽を聞くために、ラフマニノフやハイフェッツ、ストラヴィンスキーやクライスラーなど、当時の世界的音楽家たちが揃っていたそうです。

ガーシュウィンはこの作品によって、クラシック音楽とジャズを融合させた「シンフォニック・ジャズ」という新しいスタイルを確立することとなりました。

楽曲編成

1924年の初演の編成と、のちにグローフェによって完成された編成には若干の違いがあります。初演時の編成は以下のような少し小規模なものでした。

<初演>

・ピアノ(独奏)   ・パーカッション
・トランペット    ・弦楽合奏
・トロンボーン    ・ピアノ
・ホルン
・チューバ
・バンジョー
・サックス
・クラリネット
・ファゴット
・オーボエ
・チェレスタ

<グローフェ版>

それぞれの編成数も初演時よりも多くなっています。
・ピアノ(独奏)   ・ファゴット   ・弦楽合奏
・トランペット    ・オーボエ
・トロンボーン    ・フルート
・ホルン       ・ティンパニ
・チューバ      ・シンバル
・バンジョー     ・トライアングル
・サックス      ・大太鼓
・クラリネット    ・小太鼓
・バスクラリネット  ・ベル

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聞きどころは?

冒頭のクラリネット・ソロが音階を駆け上がり、ゆっくりと音楽が上がり下がりなんとも「ジャズ的な」雰囲気で聞く人を引き込みます。現在ではクラシックの古典として扱われていますが、どちらかというと「ジャズ」に近く、全体としてどこをとってもメロディーラインの美しい作品です。

とくに中間部の、優しく甘いメロディーは、ドラマやCMなどでも使われる部分で、夢物語にいるような雰囲気を出しています。

最終部は、ピアノとオーケストラの大合奏によってテーマが再現され、爆発的に「バンッ!」と花火のように終結します。全体を通して、ミュージカル的な雰囲気が特徴です。

アイ・ガット・リズムの解説と分析

「アイ・ガット・リズム」はミュージカル「ガール・クレイジー」のために作曲された作品です。1930年にガーシュウィンの兄アイラとの共作として発表されました。現在でもジャズスタンダードの1曲として世界中で愛されている作品です。

ジャズを勉強する人にとっては基本中の基本の作品とされ、「アイ・ガット・リズム」はジャズの基本形式「AABA形式」を学ぶうえで、避けて通ることはできない作品とされています。

「アイ・ガット・リズム」は「リズムを得た」と訳されることもありますが、ガーシュウィンの兄アイラによると「リズムが体から沸き起こる」という意味もあるそうです。
たしかにこの作品を聞いていると、体が勝手に動き出して楽しくなる感覚が湧いてきます。

楽曲編成について

ミュージカルの劇中曲なので、もともとは歌詞付きの作品です。しかし現在では、ジャズのスタンダードとしても広く知られており、ピアノトリオ(ピアノ・ドラム・コントラバス)やマイルス・デイヴィスなどに代表されるトランペット、ブラスバンド用編曲などアレンジは多岐にわたります。

聞きどころは?

「アイ・ガット・リズム」のコード進行はリズム・チェンジと呼ばれるようになり、後のジャズミュージシャンのチャーリー・パーカーなどに大きな影響を与えました。このリズム・チェンジを発展させ、いわゆるジャズの「ビバップ」(即興演奏)の全盛を迎えることなります。

あえて聞きどころをあげるとするならば、基本のコード進行とメロディーの軽快さはもちろんのこと、演奏者の即興部分の発想を存分に楽しめる点にあるでしょう。

まとめ

ガーシュウィンの「ラプソディー・イン・ブルー」「アイ・ガット・リズム」をご紹介しました。どちらも名曲中の名曲で、聴いていると本当に心が楽しくなります。とくに「アイ・ガット・リズム」は演奏者ごとに個性が発揮される作品です。いろいろな演奏を聴き比べて、ぜひお気に入りの演奏をみつけてみてはいかがでしょうか。

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