ジャコモ・マイアベーアの作品の特徴及び評価。おすすめ代表作5選

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ジャコモ・マイアベーアは19世紀に活躍したドイツの作曲家です。ロマン主義が華やぐ19世紀にあって、オペラ作品で大成功を収めたマイアベーアは、ドイツのみならず、イタリア、フランスなどヨーロッパ各地で熱狂的な支持を集めました。また、彼が生み出したグランド・オペラの手法は、ジュゼッペ・ヴェルディやエクトル・ベルリオーズといった後世の作曲家たちに多大な影響を及ぼしています。

では、時代の寵児として19世紀のオペラ界を席巻したマイアベーアはどのような作品を世に送り出したのでしょうか。今回は彼の作品の特徴と共に、おすすめ代表作を紹介します。

マイアベーアの作品の特徴や評価について

マイアベーアはグランド・オペラの黄金時代を築き、後世のオペラに大きな影響を及ぼしました。

グランド・オペラ黄金時代を築く

ロッシーニのオペラ『タンクレーディ』に魅了されたマイアベーアは、ドイツからイタリアへ渡り、ロッシーニの元でオペラを学びます。1817年にオペラ『ロミルダとコンスタンツァ』を発表した彼は、それ以降毎年のように新作を生み出し、ついに『エジプトの十字軍』が空前の大ヒットを収めるに至りました。

この成功をきっかけに活動拠点をフランスへ移したマイアベーアは、オペラ『悪魔のロベール』の成功によりグランド・オペラの黄金時代を築き上げます。グランド・オペラとは5幕(あるいは4幕)からなる大規模構成のオペラで、演奏時間が4時間を超える作品も少なくありません。

現在では上演される機会が少なくなったものの、マイアベーアが確立したグランド・オペラの手法は、ヴェルディやベルリオーズ、ビゼーといった19世紀後半の作曲家たちに多大な影響を与えました。

再評価されつつある近年

20世紀に入り衰退の一途を辿ったマイアベーアのオペラですが、21世紀の到来と共にその作品群が見直されつつあります。その萌芽として、2012年からベルリン・オペラ歌劇場により「マイアベーア・サイクル」が開始され、『ディノラ』の新録音や『ユグノー教徒』(2016年)、『アフリカの女』(2015年)などの再演が行われています。

この活動は今後も続くことが予想され、21世紀はマイアベーアの復活の世紀になるかもしれません。

マイアベーアのおすすめ代表作5選

マイアベーアのおすすめ作品を紹介します。19世紀当時の人々にとって、マイアベーアのオペラ作品は「待望の」楽しみだったようです。

エジプトの十字架

1824年、ヴェネツィアのフェニーチェ劇場にて初演された全2幕からなるオペラです。本作はその内容から「英雄的メロドラマ」とも称されています(メロドラマの「メロ」とはギリシャ語で「歌」を意味します)。神聖ローマ帝国フリードリヒ2世を主人公とした『エジプトの十字架』は、マイアベーアのイタリア時代における最大の成功作となりました。当時の人気は凄まじく「イタリア全土の歌劇場が上演を欲した」とも言われています。

これにより大きな手応えを得たマイアベーアは、本作をきっかけに、活躍の場をパリへ移すことになりました。

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ユグノー教徒

5幕3場で構成されたマイアベーアを代表するグランド・オペラです。ウジェーヌ・スクリーブとエミール・デシャンのリブレット(台本)により、1836年、パリ・オペラ座で初演が行われました。16世紀に起きた「サン・バルテルミの虐殺」という史実に基づき制作された本作は、フランスにおいて空前の大ヒットを記録したと言われています。

また本作は、のちにフランス風グランド・オペラの雛形とされ、ヴェルディやベルリオーズ、チャイコフスキーといった作曲家にも大きな影響を与えました。

20世紀に入り上演の機会はほとんど無くなりましたが、近年のグランド・オペラ再評価に伴い、ヨーロッパ各国でリバイバル上演が行われています。グランド・オペラらしく、上演時間はおよそ4時間の超大作です。

預言者

16世紀初頭のオランダとドイツを舞台にした5幕からなるグランド・オペラです。1849年にパリ・オペラ座で初演され、初演時にはヴェルディやツルゲーネフ(ロシアの作家)、ショパン、ドラクロワ(画家)など、さまざまな芸術家たちが列席したと言われています。また第3幕の太陽が昇るシーンでは、オペラ作品史上初となる「電気」を用いた演出が施され、初演から大きな話題となりました。

現在では当たり前のことですが、19世紀の人々にとっては画期的な演出だったに違いありません。作中の「戴冠式行進曲」は、吹奏楽曲のレパートリーとして、現在もしばしば演奏されています。

北極星

全3幕からなるオペラ・コミックです。オペラ・コミックとは「歌の合間にセリフを含むオペラ」で、グランド・オペラよりも規模が小さく、コミカルな内容とされています。1844年にベルリンで成功したオペラ『シュレージエンの野営』から数曲が転用され、1854年にオペラ=コミック座にて『北極星』のタイトルで初演が行われました。

初演時にはナポレオン3世と皇后ウジェニーも臨席したと言われ、最初の1年間で100回の上演を達成しています。初演以来、本作は瞬く間に人気となり、イタリア、イギリス、スウェーデンなど、ヨーロッパ各地で上演されています。上演時間はおよそ3時間です。

ディノラ

こちらもマイアベーア作曲によるオペラ・コミックです。一般に『ディノラ』のタイトルで知られていますが、『ディノラまたはプロエルメルの許し』という原題が付けられています。

『北極星』に続くマイアベーア2作目となるオペラ・コミックであり、1858年の初演以降、1874年までに100回の上演が行われました。現在では上演の機会に恵まれないものの、ディノラ独唱のアリア「影の歌」は、単独で取り上げられることもある名曲です。

まとめ

ジャコモ・マイアベーアの作品の特徴とおすすめ代表作を紹介しました。20世紀に入り、マイアベーアの作品は急速に影を潜めましたが、近年、グランド・オペラの再演や新たな録音がなされ、その作品群が見直されつつあります。

今回紹介した作品のすべてを聴くことは難しいと思いますが、どの作品にも優れたアリアや合唱が含まれていますので、ぜひご自身のお気に入りの一曲を見つけてみてください。

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