声楽の発表会で歌う曲の選び方とおすすめ楽曲7選~歌曲編~

声楽の発表会が近づくと、楽しみもある反面、さて何を歌おうかと曲決めに困る方も多いと思います。声楽の発表会ではオペラアリアを歌う方も多いと思いますが、歌曲にも素敵な曲がたくさんあります。発表会の1曲に歌曲はいかがでしょうか?

楽曲の選び方

楽曲を選ぶときに自分の声の高さに合った楽曲を選ぶのはもちろんです。オペラアリアの場合はそれぞれの役があり、ほとんどその役を演じる声部が決まっています。 アルトの役をソプラノが歌うことは、ほぼありえません。しかし、歌曲の場合、自分の音域に合わせて移調してもいいのです。つまり、音域も、男声女声も関係なく、自由に自分の好きな曲を歌うことができます。これは歌曲を歌う魅力の一つです。是非、自分が大好きな曲や、人気の曲にチャレンジしてみてください。今回は有名な歌曲をいくつかご紹介します。

おすすめ楽曲7選~歌曲編~

1.樹木の蔭で(On bra mai hu)

ヘンデルが作曲したオペラ「セルセ」の第1幕で歌われるアリアです。アリアですが、現代では歌曲として親しまれ、イタリア古典歌曲集にも収録されています。副題には「ラルゴ」と明記してあります。「ラルゴ」とは曲の速さ(テンポ)をあらわす音楽用語で、“ゆったりと”“おだやかに”といった意味があります。まさにそのとおり、ゆったりとしたテンポで穏やかなメロディが心地よい1曲です。

2.私を泣かせてください。(Lascia chio pianga)

ヘンデル作曲のオペラ「リナルド」で歌われるアリアです。“樹木の蔭で”と同じく、現代では歌曲として親しまれ、イタリア古典歌曲集に収録されています。この曲はテレビドラマ「牡丹と薔薇」のテーマソングとして使用され、一躍有名になりました。ロングトーンを使うフレーズがなく、ひとつひとつの旋律を丁寧に歌うことが出来るので、息が続かない・・・と心配の方におススメの1曲です。とはいえ、旋律ごとに休みすぎては、曲のまとまりがなくなってしまうので、曲全体の流れをしっかり掴んで、フレージングを大切に歌ってみてくださいね。

3.Ave Maria

アヴェ・マリアは、様々な作曲家によって発表されていますが、中でもシューベルトのアヴェ・マリアは有名です。正式には「エレンの歌 第3番」ですが、歌い出し冒頭の歌詞が“アヴェ・マリア”なので、「アヴェ・マリア」と言われるようになりました。旋律の美しさもさることながら、伴奏のピアノのアルペジオの音形も非常に美しく魅力的です。
他にも、カッチーニ、グノーが作曲したアヴェ・マリアも有名です。また、マスカーニの歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲もアヴェ・マリアと呼ばれ、イタリア近代歌曲集に収録されています。
時間が許せば、色々な種類のアヴェ・マリアを何曲か続けて演奏するのも面白いでしょう。

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4.献呈(Widmung)

シューマンが作曲したこの曲は、歌曲集「ミルテの花」の第1曲として収録されています。この曲を作曲した1840年に、シューマンは10歳年下の恋人のクララと結婚しており、クララへのプロポーズとして作曲されたと言われています。そのため、今でも結婚式などで歌われることの多い曲です。そしてもう一つ人気の理由が、後奏にシューベルトのアヴェ・マリアの一説が入っているのです。伴奏にもアヴェ・マリアの音形がふんだんに多用されていますが、しっとりと歌うアヴェ・マリアとは対照的に、献呈は華やかで明るく、まるで二人の未来や希望が照らされているような曲です。

5.花占い(M‘ama non m’ama)

マスカーニ作曲のこの曲は、そのタイトルの通り、花占いをしている様子を現わしている歌です。「愛してる・・・愛してない・・・」と、花びらを1枚1枚手に取って占う様子が、音形にもよく表現されています。曲は短調で始まり、思いつめたように花占いをする情景が目に浮かびます。そして「愛してない」という結果になり、悲しみ叫ぶような旋律になりますが、最後は「花びらが1枚足りなかっただけ」と、明るく長調で楽観的にさらっと終わってしまう、なんともコミカルな歌です。歌曲ですがアリアのような物語があり、実際に花占いをしながら歌ってみてはいかがでしょうか。

6.ああ、愛する人の(O del mio amato ben)

ドナウディ作曲のこの曲は、なんとも甘美な旋律の曲です。ピアノの前奏を聴いただけで、ドナウディの音楽に引き込まれてうっとりしてしまいます。まるで温かい愛にふんわりと包みこまれるような旋律ですが、歌詞の内容は全く逆で、愛する人がそばにいない悲しみであふれています。歌詞の内容とは対照的に、明るく優美な旋律が、より悲しさを強調しており、儚く、切なさでいっぱいの曲です。
2番に「senza lei(彼女がいない)」という歌詞がありますが、これは男性が歌う場合の歌詞です。女性が歌う場合は、「senza lui(彼がいない)」と言葉が変化しますので、注意してください。

7.私の太陽(O’ sole mio)

この曲も言わずと知れた有名曲で、誰もが知っている曲ではないでしょうか。ジャンル的にはカンツォーネになりますが、多くの声楽家、オペラ歌手にも親しまれ歌われており、イタリア近代歌曲集に収録されています。太陽を、自分が愛する人に重ね合わせ、情熱にあふれる歌です。歌詞は現代で使われるイタリア語ではなく、一部ナポリ語が使われているので、普段イタリア語に慣れている人は、少し言い回しに違和感があるかもしれません。
太陽のように明るく光が輝くように、舞台の上でも思いっきり輝いて歌ってください。

まとめ

以上、おすすめの歌曲7選をご紹介しました。
発表会でも是非、歌曲の魅力を感じて歌ってみてください。

>>声楽の発表会で歌う曲の選び方とおすすめ楽曲アリア7選~女声編~

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