声楽の発表会で歌う曲の選び方とおすすめ楽曲7選~日本歌曲編~

声楽の発表会が近づくと、楽しみもある反面、さて何を歌おうかと曲決めに困る方も多いと思います。そこで日本歌曲はいかがでしょうか?今回は、発表会で歌う日本歌曲の選び方とおすすめ楽曲をご紹介します。

楽曲の選び方

自分の声の高さに合った楽曲を選ぶのはもちろんですが、日本歌曲はまさに日本の曲なので、春夏秋冬と、季節を感じる曲がとても多いのです。そこで発表会の日程に合わせて四季で選ぶのはいかがでしょうか?曲だけでなく、衣装も、春はピンク、夏は水色など、一緒に合わせると、季節感がぐっと強くなります。それではおすすめ楽曲をご紹介します。

おすすめ楽曲7選~日本歌曲編~

1.さくら横丁(作詞:加藤周一、作曲:中田喜直)

声楽家に「日本歌曲で春の曲と言えば?」と聴けば、だれしもがこのさくら横丁は答えるのでないでしょうか?歌の旋律だけでなく、桜の花びらが舞い散るようなピアノの旋律もとても美しい曲です。さくらを眺めながら、ひとり、過去の恋を思い出す、そんな切なさを感じながら、丁寧に歌って欲しい曲です。
さくら横丁は中田喜直の作曲したものと別に、別宮貞雄作曲のものもあります。こちらもまた日本歌曲らしい旋律が、桜の美しさと切なさを見事に表現しています。機会があれば是非どちらも歌ってみてください。

2.浜辺の歌(作詞:林古渓、作曲:成田為三)

夏と言えば、やはり海ではないでしょうか?この浜辺の歌は、日本歌曲を勉強する人がわりと最初にチャレンジする曲としても良く使われています。作曲した成田為三は、当時に流行していたウインナー・ワルツの影響を受け、3拍子でこの曲を作ったと言われています。3拍子のリズムにダイナミックな旋律が、海の雄大さを表しています。3拍子を感じすぎると、せせこましく、小さな波になってしまいますので、リズムを感じながらも、たっぷりと歌ってください。暑い夏の日でも爽やかに歌い上げたい1曲です。

3.初恋(作詞:石川啄木、作曲:越谷達之助)

この曲の歌詞は、「砂山の 砂に腹這い 初恋の いたみを遠く おもひ出づる日」という、五七五七七の短歌になっています。石川啄木の短歌集「一握の砂」に掲載されており、この短歌に越谷達之介が曲をつけたものです。曲を歌う前に、この短歌を歌ってみるのも面白いかもしれません。歌詞に出てくる“砂山”とは、海の砂浜の砂のことで、海で初恋を思い出している曲です。歌詞の中には海とは一言も出て来てはいませんが、ピアノの旋律には、打ち寄せる波の音が見事に表現されています。

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4.くちなし(作詞:高野喜久雄、作曲:高田三郎)

歌曲集「ひとりの対話」の最終曲として発表されました。物語のような歌詞で、庭でひとり亡き父との思い出を、くちなしを通して思い出す、そんな情景が容易に目に浮かびます。
中盤の歌詞で、父のセリフが出てきます。「ごらん くちなしの実を ごらん 熟しても口を開かぬ くちなしの実だ」と、このセリフのメロディだけが、やや低めで音程は単調です。また、3連符を多用しており、父のセリフを見事に表現しています。他のメロディと、父のセリフ部分の違いを楽しんで、是非歌ってみてください。

5.落葉松(作詞:野上彰、作曲:小林秀雄)

野上彰の詩に感動した小林秀雄が、一気にこの曲を書きあげたと言われています。その旋律はとても素晴らしく、声楽の独唱曲だけではなく、合唱曲(混声・女声・男声)として、また、ピアノ独奏曲としても発表されており、幅広く愛されている曲です。混声合唱では後半にオブリガードがついているので、発表会でも、このオブリガードの部分を歌ってもらったり、または、ヴァイオリンやフルートにその旋律を演奏してもらったり、と、合唱曲が発表されているだけに、自分なりにアレンジして演奏してみるのもおすすめです。
何度も繰り返されるメロディに加え、「目が濡れる」「手が濡れる」など、似たような歌詞が何度も登場するので、なかなか覚えにくい曲ではありますが、是非チャレンジしてみてください。

6.冬景色(作詞作曲不明)

実は作詞作曲不明というこの曲は、不明ながらも愛されている1曲です。
1番の歌詞では水辺の朝の景気を、2番の歌詞では田園の昼の様子を、3番では里の夕暮れの風景が描かれています。平成19年には「日本の歌百選」にも選ばれました。冬の歌は、冬の厳しさを表現するような曲も多く、そのため、暗くて重い曲も多いのですが、冬景色は、冬の情景を、明るく美しい旋律で表現されています。

7.この道(作詞:北原白秋、作曲:山田耕筰)

最後に紹介する曲は、とくに季節を代表する曲ではありません。しかし、日本歌曲には、過去に思いをはせる歌や、故郷を懐かしむ曲が非常に多く、この曲もまさに、そういった曲の代表曲です。発表会の季節に、自分の歌いたい曲が見つからないときにいかがでしょうか?他にも王道ですが「ふるさと」など、誰もがそれぞれの故郷を思い起こせる曲もおすすめです。

まとめ

以上、おすすめの日本歌曲7選をご紹介しました。
発表会でも是非、日本歌曲で季節を感じて歌ってみてください。

>>声楽の発表会で歌う曲の選び方とおすすめ楽曲アリア7選~女声編~

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