心を落ち着かせ、リラックスしたい時に聴きたいピアノの名曲7選

前回の記事では、「明るく前向きになれる」ピアノ曲を紹介しました。その流れに乗って、今回は心を落ち着かせる「癒し」をテーマに、ピアノ曲を7曲紹介したいと思います。クラシック曲を聴きたいと思っても、なかなか手が出せない方もまだまだ多いはずです。また、「聴いたことはあるけどタイトルがわからない」という作品もあるのではないでしょうか。そのような方にとって、本記事が少しでも役に立ち「心の癒し」に繋がれば幸いです。

リラックスしたい時に聴きたいピアノ曲7選

前回と同様に、今回も筆者の独断と偏見により選ばせて頂きました。もちろん、他にも多くの作品があるのは承知していますが、「まずは」今回ご紹介する作品から聴いてみてください。

サティ「ジムノペディ第1番」

1888年に作曲されたサティの代名詞と言えるピアノ曲です。穏やかにして透明、簡素なメロディーながらも、深淵さを感じさせる神秘的な世界観がそこには表現されています。「リラックスミュージックの定番」として、多くの音源にも使用されているので、耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。

>>エリック・サティ「ジムノペディ」「グノシエンヌ」の解説と分析。楽曲編成や難易度は?

また、タイトルの「ジムノペディ」とは、ギリシャ神話に登場するアポロンやバッカスを讃える「ギュムノパイディア」という祭りが由来と言われています。部屋のライトを小さくして、ゆったりとした空間とともに聴くと良いでしょう。

バッハ「ゴールドベルク変奏曲 アリア」

1741年に作曲された大バッハを代表する鍵盤作品の一つです。このアリアは最初と最後に置かれ、変奏曲の始まりと終わりを告げる役割を果たしています。32小節という短い構成ですが、著者がこの作品から感じたのは「音楽による宇宙の表現」。

どこまでも静寂であり、無限の広大さを感じさせるメロディーは、心を落ち着かせるのにピッタリです。ゆっくりと折り重なる音の世界は、必聴の価値あり。

>>ヨハン・セバスティアン・バッハの作品の特徴と代表曲おすすめ5選

ショパン「ノクターン第2番」

ピアノの詩人ショパンは生涯で21曲のノクターンを作曲していますが、なかでも「ノクターン第2番」はショパンを代表するノクターンとして広く知られています。ショパンらしい甘く囁くようなメロディーと、どこか物憂げな雰囲気は、聴く人の心に「ほのかな暖かさ」をもたらしてくれることでしょう。

ノクターンは日本語で「夜想曲」を意味していますが、この作品は、まさに「思いを馳せる夜に聴く」のに最適な作品です。

>>フレデリック・フランソワ・ショパンの作品の特徴と代表曲おすすめ8選

ドビュッシー「月の光」

印象派の作曲家ドビュッシーを代表する作品です。もっとも、ドビュッシー本人は「印象派」と呼ばれることを嫌っていたようですが・・・。本作『月の光』は1890年に発表された『ベルガマスク組曲』の第3曲に該当します。イメージとしては、「夜のカーテン越しから部屋に差し込む月の光」といったところでしょうか。

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そして、わずかに部屋に差し込む月の光がその部屋を神秘的な力で浄化し、空間を優しく癒すような、そんな印象を抱かせてくれます。

現在は『月の光』のタイトルで知られていますが、発表当初は『感傷的な散歩道』というタイトルだったそうです。

シューマン「トロイメライ」

ロベルト・シューマンはロマン派音楽を代表する作曲家・評論家です。また、前回の記事に登場したブラームスの先生でもあります。メロディーメーカーとして有名なシューマンですが、そのなかでも『トロイメライ』はシューマンの代名詞として多くの人々に愛され続けています。「トロイメライ」とは「夢」を意味しており、この作品を聞けば、「夢見心地」の優しい世界に包まれることでしょう。

『トロイメライ』はピアノ曲集『子供の情景』の1曲ですが、『子供の情景』について、ピアノの魔術師フランツ・リストは「週に2〜3度、娘のために弾いている」と絶賛しています。

>>ロベルト・シューマンの作品の特徴。代表曲おすすめ19選

ベートーヴェン「ピアノソナタ第8番<悲愴>第2楽章」

ベートーヴェンの『悲愴ソナタ 第2楽章』もリラックス音楽の定番の1曲。自作の作品にタイトルを付けることを嫌ったベートーヴェン。しかし、本作「悲愴ソナタ」はベートーヴェン自らがタイトルを冠したと言われています。「人間の悲愴」(悲しみ)を表現した本作にあって、その第2楽章は「人間の慈しみや悲哀、邂逅」が感じられます。

誰かに寄り添ってもらいたい時や、慈愛の気持ちを感じたい時に聴くと良いかもしれません。

>>ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの作品の特徴。代表曲おすすめ13選

リスト「愛の夢第3番」

リストの作品中で『ラ・カンパネラ』と並び演奏機会の多い作品です。ショパンのノクターンとは違った「甘さ」があるメロディーが特徴。ショパンの曲は、どちらかというと「自己の内面に訴えかける」のに対し、リストは「愛する人へのストレートな愛情表現」が得意だったのかもしれません。

本作はもともと歌曲として作曲され、のちにリスト本人がピアノ独奏版としてアレンジした作品です。ワイマールの宮廷音楽長に就任し、公私ともに順調だったリストの心の充足ぶりが窺えます。

ストレートな愛を求めている人にピッタリな名曲です。

>>フランツ・リストの作品の特徴。代表曲おすすめ10選

まとめ

今回の記事は「癒し」をテーマにお届けしました。どの作品も映画やドラマ、CMといった何らかのメディアで聴いたことがある作品ばかりだったのではないでしょうか。忙しい毎日を送る中、クラシック音楽をじっくり聴く機会はなかなか少ないと思います。しかしそんな日常にホッと一息をついて、ときには癒しのクラシック音楽を聴けば、日々の生活に彩が生まれ、より豊かな毎日を過ごせること間違いなしです!

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