声楽の発表会で歌う曲の選び方とおすすめ楽曲アリア7選~女声編~

声楽の発表会が近づくと、楽しみもある反面、さて何を歌おうかと曲決めに困る方も多いと思います。今回は、発表会で歌う曲の選び方とおすすめ楽曲をご紹介します。

楽曲の選び方

女声でも、大きくわけて、高い声部のソプラノと、低い声部のアルトの二つがあります。自分の声の高さに合った楽曲を選ぶのはもちろんですが、知名度の高いアリアが多いので、曲選びは本当に大変です。特にソプラノは、タイトルロールにもなるような主役のアリアが多く、作曲家の代表作とも言えるようなアリアがたくさんあります。そこで、オペラの主人公になりきって、有名な曲を歌ってみてはいかがでしょうか?聴衆からも、自分が知っている曲、聴いたことがある曲が登場すると、喜ばれるものです。そこで今回は、発表会で歌いたい有名なオペラアリアをご紹介します。

おすすめ楽曲アリア7選

1.オペラ「ジャンニ・スキッキ」より“私のお父さん”(O mio babbino caro)

プッチーニ作曲のオペラ「ジャンニ・スキッキ」でラウレッタが歌うアリアです。主にソプラノによって歌われますが、アリアにしては、さほど高い音は登場しないので、メゾの方でも歌えるかもしれません。舞台はイタリアのフィレンツェで、1912年初演の作品ながら、歌詞の中に登場する“アルノ川”やそのアルノ川にかかる“ポンテヴェッキオ橋”などは、今でも実在しています。フィレンツェの街を思い浮かべながら歌ってみてはいかがでしょうか?

2.オペラ「トスカ」より“歌に生き、恋に生き”(Vissi d’arte Vissi d’amore)

プッチーニ作曲のオペラ「トスカ」で、第2幕にトスカが歌うアリアです。主人公のトスカは歌手なので、タイトルの“歌に生き”というのが、なにか自分と重ねてしまう部分があるのか、多くのオペラ歌手が歌うアリアのひとつです。苦悩の歌なので、短調から始まりますが、神への仰心が厚いトスカは、まるでこれまでをささげるかのように、中盤からは長調になっており、旋律だけを聴くと、なんとも華やかに終わります。
ちなみに「トスカ」はローマが舞台で、最後にトスカが身を投げるサンタンジェロ城があります。

3.オペラ「ルサルカ」より“月に寄せる歌”(E lucevan le stelle)

ドヴォルザーク作曲のオペラ「ルサルカ」で主人公のルサルカによって第1幕で歌われます。水の精のルサルカが、月に語り掛ける内容で、なんとも美しくもどこか神秘的な旋律がとても心地よい曲です。是非チャレンジして欲しい1曲ですが、チェコ語なので、あまり馴染みのない言語です。イタリア語、ドイツ語にある程度慣れたら、チャレンジしてみてはどうでしょうか。

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4.オペラ「フィガロの結婚」より“恋とはどんなものかしら”(Voi che sapete)

モーツァルト作曲のオペラ「フィガロの結婚」で、ケルビーノによって歌われるアリアです。ケルビーノはいわゆるズボン役で、少年ではありますが、女声が演じます。主にメゾソプラノやアルトが歌うことが多いのですが、ケルビーノがまだ若い少年ということもあり、ソプラノが歌う事もあります。高い音域がないので、幅広い声種の方が歌える1曲です。発表会で歌うといえばドレスを着て歌うのかもしれませんが、ケルビーノに扮して、ズボンとシャツで歌うのも、面白いかもしれませんね。

5.オペラ「セヴィリアの理髪師」より“今の歌声は”(Una voce poco fa)

ロッシーニ作曲のオペラ「セリヴィアの理髪師」でロジーナによって歌われます。
このアリアは、細かい音が何度も続いたり幾重にも動いたりするコロラトゥーラという技法がふんだんに使われており、非常にテクニックの必要なレベルの高いアリアです。では何故今回このアリアを紹介したかというと、理由は2点あります。一つは、そのコロラトゥーラの旋律を自由に変える事が出来る点です。これをバリエーションと言います。つまり、アリアには禁忌とされている旋律の変更を、コロラトゥーラの部分に限り、自分が歌いやすいように変える事ができます。もう一つは、移調が許されています。アリアは旋律を変える事はもちろん、移調することも言語道断ですが、このアリアはすでに移調した楽譜が出版されているほどです。つまり、自分の音域に合った調で歌うことができます。
是非、自分のオリジナリティを出して、存分に歌ってみてください。

6.オペラ「カルメン」より“恋は野の鳥(ハバネラ)” (L’amour est un oiseau rebelle)

ビゼー作曲のオペラ「カルメン」で第2幕に歌われるアリアです。スペインの民族音楽であるハバネラのリズムを使っていることから、一般的には“ハバネラ”と呼ばれています。カルメンは、数少ないメゾソプラノ、またはアルトが主人公の作品です。情熱的なスペインの熱気を、思う存分表現して歌って欲しい1曲です。

7.オペラ「蝶々夫人」より“ある晴れた日に”(Un bel di vedremo)

プッチーニ作曲のオペラ「蝶々夫人」で第2幕に歌われるアリアです。ソプラノによって歌われます。オペラ「蝶々夫人」は、日本が舞台の作品なので、日本人にとって馴染みのある作品です。特にこのアリアは有名で、この曲のファンは多いと思います。
アメリカに帰ってしまった夫ピンカートンの帰りを待ち続け、潔いほど夫を信じる強い蝶々さんの強い気持ちが、切なくもドラマティックな旋律で見事に表現されています。特にアリアの最後は、タイトル通り晴れやかに堂々と歌いきってもらいたい1曲です。

まとめ

以上、おすすめアリア7選を紹介しました。是非、オペラの役を楽しんで歌ってみてください。

>>声楽の発表会で歌う曲の選び方とおすすめ楽曲アリア7選~男声編~

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