ピアノのレガートの練習方法!子供にもわかる弾き方、コツやおすすめ練習曲は?

「legato(レガート)」とは、「滑らかに」を意味する音楽用語です。ピアノを習っていたり、独学で練習している方であれば、一度は見たことのある記号ではないでしょうか。一口に「滑らかに」と言われても、その表現方法は意外に難しく、「メロディーがいまいち上手く表現できない」や「スムーズに弾けない」とお悩みの方も多いはず。

特にお子様の場合、手が小さいこともあり、滑らかに演奏することは「最初の難所」と言っても過言ではありません。では大好きな曲を滑らかに、そして美しく演奏するためにはどのような練習方法が効果的なのでしょうか。今回はそんな悩みを解決するために、レガートの練習方法やコツを詳しく解説します。

レガートの練習方法

レガートとは冒頭でも書いた通り、「滑らかに演奏する」という演奏方法であると同時に、フレーズや作品全体の雰囲気を左右する「作者の思いの現れ」でもあります。

しかしピアノ初心者の方にとっては、ついつい腕や指に力が入りすぎてしまい、上手く弾けない方も多いことでしょう。そこで以下ではレガートを美しく演奏するための弾き方を紹介します。

練習方法その1<2音だけで練習する>

フレーズをレガートに演奏する最初の練習として、「ド」と「レ」の2音だけを使った練習が効果的です。最初の「ド」の音に重点を置き、「レ」を押す時はスッと力を抜くイメージ(重心を移動させる)で練習してみましょう。音が切れないように、ゆっくりと繰り返してください。慣れてきたら音を増やして練習してみましょう。

練習方法その2<指の形を大切に>

お子さんの場合や、反対に大人の方が初めて弾く場合は、どうしても手が固くなりがちです。手が固くなるのは「力みすぎ」が原因。リラックスして(最初は慣れませんが)、指を猫の手のように丸くして(筆者はそう教わりました)、手を動かすのではなく、指で鍵盤を弾くようにしてみてください。

この時、手首が上下に激しく動くとゴツゴツとした「音のばらつき」に繋がるので、手首をよくチェックするのがポイントです。

練習方法その3<手首の柔軟さが上達のカギ>

その2とも関連しますが、ピアノ演奏にとっては手首の柔軟性がとても大切。いきなり「手首を柔らかく」と言われても難しいですが、力を抜いて(脱力して)鍵盤にそっと手を置く事を意識してください。手首の柔軟性が備われば、難しい曲も比較的疲労感なく弾けるようになります。

練習方法その4<自分で歌いながら練習する>

レガートを滑らかに演奏するには、「自分でメロディーを歌ってみる」ことも効果的です。歌には常に「抑揚」があります。その抑揚に合わせて弾いてみると「美しく響いているか」がわかりやすいため、レガートのイメージが掴みやすくなります。「ドレミファソ」といった短いフレーズからでも大丈夫ですので、練習に取り入れてみてください。

練習方法その5<前音の“響き”をよく聞く>

レガートのポイントは、前の音の響きを残す事にあります。音をただ弾くだけでは「滑らかな演奏」にならず、音読でいうところの「棒読み」と同じになってしまいます。「前の音の響きを残す」などと聞くと、少し難しいような気がしますが大丈夫です。

これは別の言い方をすると、「次の音が重なる瞬間を作る」という事。例えば「ド」から「レ」に移動する場合を考えてみます。この時、「レ」を押す際に「ド」を押している指を鍵盤から完全に離すのではなく、「レ」を押す時に「ド」の指が少し鍵盤に残っているイメージで弾いてみてください。そうすると、前の音の響きが残りつつ次の音が鳴るため、演奏が滑らかに聴こえるようになります。

練習方法その6<ペダルに頼りすぎない>(中級者以上向け)

ピアノには音響効果や演奏効果を高めるために、2本(アップライト・ピアノには3本)のペダルがついています。ピアノ演奏をする上で、ペダルは演奏に響きを与えるなど重要な役割を果たしますが、安易に使いすぎるのは注意が必要です。

なぜならペダルには作品に響きを与える効果がある一方で、演奏者はペダルの効果により「綺麗なフレーズを出せている」と思う傾向にあるからです。こうした誤解を避けるために、フレーズにペダル記号があったとしても、まずはペダルを使わずに滑らかに弾けるように繰り返し練習しましょう。その後にペダルをつけて演奏することで、作品本来のフレージングをより美しく表現できるようになります。

参考動画を紹介します

ここまでレガートの練習方法について紹介してきました。しかし説明だけでは分かりにくいという方もいらっしゃると思いますので、参考動画を紹介します。

ピアノ初心者から独学の方までわかりやすく解説されています。

ピアニストの長島達也さんによる解説です。

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お子様向けの解説です。道具を使いながらわかりやすく解説されています。

おすすめ練習曲

子供から大人まで、基本的なテクニックを習得できる練習曲を紹介します。どれも「定番」ですので、ご自身のレベルに合った練習曲を選んで取り組んでみてください。

バーナム・ピアノテクニック 導入編・1・2

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前回のアルペジオの記事でも紹介したピアノ初心者のための練習曲集です。レガート以外にも、さまざまな指の運動について、わかりやすく書かれているのでオススメです。

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子供のバイエル

ピアノ練習曲の代名詞ともいえる練習曲です。『子供のバイエル』というタイトルですが、大人の初心者の方でも十分に楽しめます。少しず課題曲のレベルが上がりますので、ご自身の成長を実感できるはずです。

[amazon]子供のバイエル(上)

はじめてのギロック

『はじめてのギロック』もピアノ初心者の方に弾きやすい練習曲です。こちらは上述の『バイエル』とは違い難易度順に並んでいないので、弾きやすい作品から時間をかけてじっくりと練習しましょう。

[amazon]はじめてのギロック (Zenーon piano library)

メトード・ローズピアノ教則本

こちらもお子さん向けのピアノ練習曲集の定番です。バイエルと比べるとやや認知度は劣りますが、聞いたことのある民謡なども含まれているため、バイエルと併用して取り組むと良いでしょう。

[amazon]新訂 メトードローズ ピアノ教則本(ピアノの一年生)

大人のためのピアノ教本1

最後は大人になってからピアノを始めた方への練習曲集です。教材に使われている作品もポピュラーなものが多く、楽しく練習できる構成となっています。ただ、「説明不足」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんので、「イチから学習したい」という方は、上記の練習曲を先に習得しておく事を推奨します。

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まとめ

いかがでしたか?今回はピアノ学習者にとって大きな課題となる、レガートの練習方法について解説しました。フレーズを滑らかに・美しく演奏する事は、プロのピアニストにとっても大きな課題ですので、なかなか上手く弾けなくても、焦らず、ゆっくりと取り組んでみましょう。そうすると、いつの間にか弾けるようになりますので、今回の記事を参考にコツコツと少しずつ練習を続けてみてください!

>>ピアノのアルペジオの練習方法!弾き方のコツやおすすめ練習曲は?

>>[amazon]クラシックのジャンル別話題作をチェック!

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