ピアノ学習者が「ハノン」を学ぶメリットは?練習方法やその効果を解説します。

ピアノ学習者ならば必ず通る道と言っても過言ではない教材、それが『ハノン』。この記事を読まれている方の中にも、ハノンを練習したことがある方は多いのではないでしょうか。

一昔前では、「ハノンは必須である」という考えが主流でしたが、現在ではその効用について賛否が真っ二つに別れており、しばしば議論の的になっています。

しかし『ハノン』の賛否についてはまた別の機会に解説するとして、少なくとも筆者の経験上では「指の運動や持続力の強化に効果があるのでは」と実感しています。そこで本記事では、ハノンに取り組むメリットや練習方法について、ポイントを絞って解説します。

ハノンとは?

ピアノ教本として知られ多くのピアノ学習者が取り組む『ハノン』。この教本はフランスのオルガニスト兼教育者のシャルル・ルイ・ハノンによって1873年に出版されました。ハノンが生まれたのは1819年ですので、まだベートーヴェンシューベルトなどが生きていた時代です。また同時代に活躍した作曲家にはロマン派の大家ブラームスなどがいます。

一般に『ハノン』と呼ばれている教本ですが、本来は『60の練習曲によるヴィルトゥオーゾ・ピアニスト』が正式名称であり、これ以外にもハノンは『初歩のピアノ教本』、『大作曲家の名曲より要約』、『50歌曲集』といった作品集も残しています。ハノンは音楽院の教授だったため、後進の育成のためにさまざまな練習曲を生み出したのかもしれません。

ハノンの構成について

では、『ハノン』とはどのような練習曲集なのでしょうか。上述したように『ハノン』は全60曲の練習曲で構成され、

・1番から31番・・・指の動きの訓練
・32番から40番・・・音階や指の運び
・41番から43番・・・アルペジオ
・44番以降・・・和音、トリル、三連符、オクターブなどの発展的練習曲

という順で練習曲が並んでいます。また、楽譜上には「◯番と◯番を繰り返して弾く様に」など、ハノン自身の指示も記されており、なかには「モーツァルトの指使い」が紹介されている練習曲もあります。

ハノンの目的

『ハノン』の構成を大まかに知っていただいたところで、ではその目的とは一体どんな点にあるのでしょうか。実際に『ハノン』を紐解いてみると、次の7つの目的が示されています。

1・・・指を動きやすくする
2・・・指をそれぞれ独立させる
3・・・指の力をつける
4・・・(音の)粒をそろえる
5・・・手首を柔らかくする
6・・・よい演奏に必要な特別な練習を全て入れる
7・・・左手が右手と同じ様に自由になること

この事から、『ハノン』は「作品を演奏するための基礎訓練」であり、決して素早く指を動かすためだけの練習曲ではないと言うことがお分かりいただけると思います。

ハノンの効果的な練習方法は?

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上記では『ハノン』の構成や目的を簡潔に解説しました。

では、『ハノン』に取り組む上で練習効果を最大限に引き出すには、どのような練習法が適切なのでしょうか。以下ではそのポイントについて解説します。

練習法1・・・速さにこだわりすぎない

指を速く動かすことだけが『ハノン』の目的ではありません。正確に、鍵盤の「芯を捉える」ことに意識して練習してみましょう。そのためには無理をせず、きちんと音を出せるテンポで弾くことが肝心です。

基本的には、どの練習曲も「一定の速さで弾くこと」(108のテンポ)が推奨されていますが、慣れないうちは60くらいのテンポでも全く問題ありません。その際、できるだけメトロノームを使いながら、正確なテンポ感を指に覚えさせましょう。最近では便利なメトロノーム・アプリも多数あります。

練習法2・・・音の粒を意識する

単調な練習曲が続く『ハノン』ですが、実は「単調だからこそ音の粒を意識できる」という大きなメリットがあります。左手・右手とともに音がかすれることなく、また強すぎず弱すぎず、一定の音を出せるように取り組んでみてください。その際は、練習法1の解説と同様に、無理なく弾けるテンポからで構いません。

練習法3・・・肩や腕の力を抜くことを意識する

ハノンの目的5にあるように、「手首を柔らかくする」ことも心がけてください。最初は力が入ってしまい、「力を抜く」感覚がわからないかもしれません。しかし『ハノン』を続けるうちに次第に力まずに、また長時間弾き続けることが可能になります。もし、練習中に指や手が痛くなってきたら「力みすぎているのだな」と思い、しばらく休憩しましょう。

練習法4・・・左手と右手の力を変えてみる(中級者向け)

中級者向けの練習法です。左手と右手が独立して演奏できるようになったら、それぞれの音量(打鍵の強さ)を変えて弾いてみます。例えば、左手は「f(強く)」、右手は「p(弱く)」あるいはその反対もチャレンジ。この練習法では、「左右の手を独立して動かす感覚」が養われます。

さらにこの応用として、左手はレガートで弾き、右手はスタッカートで弾くといった工夫も可能です。ご自身で取り組みやすい組み合わせや、応用を試してみるのも『ハノン』を飽きずに続けるコツかもしれません。

練習法5・・・リズム練習(必須)

『ハノン』では冒頭に「22のリズム例」が示されています。もちろん、22全てのリズムで弾く必要はなく(余裕のある方は試してみてください)、弾きやすいリズムを2つか3つ覚えて練習に取り入れてください。リズム練習に併せて、スタッカートやアクセントの位置変更を加えて応用するのも効果的です。

練習法6・・・慣れてきたら移調してみる

『ハノン』では、アルペジオや音階以外の練習曲は基本的にハ長調で書かれています。これはつまり「白鍵しか使用しない」ということ。しかしこれでは練習が単調になりがちです。少し慣れてきたら、リズム練習と同じく工夫して、移調して黒鍵も使う練習も取り入れてみましょう。そうすることで、複雑な指の動きの練習になります。

今回のまとめ

今回はハノンに取り組むメリットや効果的な練習方法について、ポイントを絞りながら解説しました。「ハノンは単調でつまらない」と多くの方が感じるのは事実であるものの、無理せずに工夫しながら取り組むことで、飽きずに続けられ、またその学習効果も期待できると思います。

そして何よりも、ピアノの上達には地道な訓練が不可欠です。なかなか思うように上手くならないこともあるでしょうが、そんな時に本記事が読者の方のお役に立てれば幸いです。

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