アントン・ブルックナーの作品の特徴。代表曲おすすめ8選

出典:[amazon]The Best of Bruckner (Remastered)

ブルックナーの作品は、実は様々なジャンルで作曲が行われましたが、有名なのはやはり交響曲と宗教曲です。そのためこの記事では、交響曲と宗教曲からおすすめを紹介していきます。

ブルックナーの作品の特徴

まずは、ブルックナーの作品に見られる特徴を解説します。あまり詳しくないという方も、改訂や独自の書法について知っていくことで、少しずつブルックナーの作品に興味がわいてくるのではないでしょうか。

大幅な改訂

ブルックナーの作品で行われている、世に出されてしばらくしてからの大幅な改訂というものは、あまり前例がありませんでした。また本人によって何度も改訂が行われたり、弟子が改訂を行ったものを出版したりということがされたことで、同じ作品でも複数の稿や版が存在しています。

位置づけや影響

音楽の位置づけとしては後期ロマン派に属していて、ベートーヴェンやワーグナーに影響を受けた作曲家と言われています。また、ワーグナーに影響を受けてはいますが、歌劇のような作品は作曲しなかったようです。

独自の書法

ブルックナーには独自の技法や表現があり、それらはブルックナーの名前を付けて呼ばれています。有名なものでは「ブルックナー開始」があげられますが、これは第1楽章の始まりを弦楽器のトレモロという、音を小刻みに演奏する技法で始めるものです。

他には「ブルックナー休止」「ブルックナー・ゼクエンツ」「ブルックナー・ユニゾン」「ブルックナー・リズム」などがあります。

交響曲からおすすめ7選

まずは代表的な交響曲から紹介します。ブルックナーの交響曲は長いことでも有名で、クラシック初心者には難しいと感じることの多い作品です。しかし、中には比較的短い作品もありますので、もし機会があれば聴いてみて下さい。

交響曲ニ短調「第0番」

ベートーヴェンの交響曲である、「運命」と「第九」の調で作曲を行いたかったブルックナーは、ハ短調で第1番を作曲した後、ニ短調でこの作品の作曲を行いました。しかし、この作品は世に出されないまま「無効」とされたため、番号が付いていなかったようです。そのため、ブルックナーの死後発表されたこの作品は、第1番より後に作曲されていますが「第0番」と呼ばれるようになりました。演奏時間は約45分です。

交響曲第1番ハ短調

1866年に初稿が完成されましたが、初演後に改訂が行われています。また、「1番」となってはいますが実際にはそれよりも前に番号が付けられなかった「交響曲ヘ短調」が作曲されていました。演奏時間は50分前後で、4楽章で構成されています。

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交響曲第2番ハ短調

ブルックナーは、ウィーンで最初に演奏される自身の作品がハ短調であることにこだわったようです。しかし、第1番のハ短調は初演が行われる予定がなかったため、再びハ短調で作曲が行われたと言われています。また「第2番」とされていますが、実際には「第0番」の後の作品です。初稿は1872年に完成しましたが、その後何度か改訂が行われました。構成は4楽章で、演奏時間は1時間前後です。

交響曲第3番ニ短調

ワーグナーとの交流のきっかけとなった交響曲の1つで、ワーグナーに献呈された作品です。当時忙しくしていたワーグナーは、あまり話を聞かないままブルックナーを帰してしまいました。しかし、その時にブルックナーが置いていった交響曲の第2番と第3番を見ると、すぐにブルックナーを呼び戻したそうです。またこの作品は、ワーグナーに献呈されたことから「ワーグナー交響曲」とも呼ばれています。1873年に初稿が完成し、改訂が行われました。演奏時間は稿によって変わりますが、約1時間前後になっています。

交響曲第4番変ホ長調

1874年に初稿が完成した作品ですが、後に大幅な改訂が行われました。演奏時間は他の作品と比べると短くなっていて、「ロマンティック」という副題が付いていることでも知られています。

交響曲第7番ホ長調

ブルックナーの作品は初演があまり成功してきませんでしたが、この第7番に関しては、初演が大成功したことで知られています。作品の執筆中にはワーグナーが危篤となり、さらに亡くなったことから一部を「葬送音楽」と呼んだそうです。またこの作品は、ワーグナーを支援していたことでも知られている、バイエルン国王ルートヴィヒ2世に献呈されています。構成は4楽章で、演奏時間はその演奏によって変わりますが、約1時間前後です。

交響曲第8番ハ短調

演奏時間が80分を超えるような長い作品ですが、人気の高い交響曲です。初稿は1887年に完成しましたが、「演奏不可能」とされたために改訂が行われました。構成は4楽章で、献呈はオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世にされています。また、完成された交響曲としては最後の作品です。

宗教曲からおすすめ1選

敬虔なカトリック教徒だったブルックナーは、幼い頃から宗教音楽に触れていました。また男声合唱が好きだったらしく、たくさんの男声合唱曲も残されています。

「テ・デウム」

この作品は、ブルックナーの宗教曲の中でも演奏されることの多い合唱曲で、オーケストラと混声合唱、そして独唱での編成となっています。演奏時間は約25分です。1884年に完成した作品で、第1曲から終曲の5曲で構成されています。

>>アントン・ブルックナーってどんな人?その生涯や性格は?

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1 個のコメント

  • hat より:

    3曲のミサ曲はどれも素晴らしく、合唱交響曲とも言えるもので、とても感動する。交響曲よりも短めだが、内容が濃く良い。

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