エフゲニー・スヴェトラーノフってどんな人?その生涯は?性格を物語るエピソードや死因は?

出典:[amazon]SSS0126 シューベルト:交響曲第8番「未完成」,第9番「ザ・グレート」 スヴェトラーノフ(指揮)スウェーデン放送交響楽団

エフゲニー・スヴェトラーノフ(1928-2002)はソヴィエトの指揮者兼ピアニスト兼作曲家です。ロシアの大物指揮者として日本でも人気がありました。
今回は、そんなエフゲニー・スヴェトラーノフのプロフィールについて、経歴はもちろん、エピソードなどについても解説していきます。

エフゲニー・スヴェトラーノフの生涯

エフゲニー・スヴェトラーノフは1928年の9月6日にモスクワで生まれました。生きた時代的にはラフマニノフプロコフィエフショスタコーヴィチなどと被っています。

音楽教育

エフゲニーはグネーシン音楽院で音楽を学びました。ピアノはニコライ・メトネルの直弟子に、作曲はユーリ・シャポリーンにそれぞれ師事しました。13歳でモスクワ音楽院に入学し、そこから4年間はA. ガウクに作曲を師事しています。

指揮者として

エフゲニーが指揮者としてデビューしたのは、まだモスクワ音楽院に在籍していた時でした。当時若干16歳だったエフゲニーはモスクワ放送交響楽団で指揮をし、指揮者としてデビューを飾ります。
そして、モスクワ音楽院を卒業した1955年にボリショイ劇場指揮者に採用されます。1962年にはボリショイ劇場の首席指揮者に抜擢され、1964年まで務めました。
1965年からはソヴィエト国立交響楽団に移り、音楽監督兼首席指揮者に就任しました。そして、ソヴィエト国立交響楽団と意見のすれ違いが顕著になり決別するまでの34年間、音楽監督と首席指揮者という名誉あるポジションに就いていました。

オペラ歌手との結婚

エフゲニーは生涯に一度だけ結婚しています。相手は、ボリショイオペラに30年間も在籍したメゾソプラノ歌手のラリッサ・アドヴェーワ(1925-2013)でした。二人は、エフゲニーがボリショイに在籍している時に知り合い、結婚したそうです。

死因

エフゲニーは2002年の5月3日に自宅で心臓発作を起こし、73年の人生に幕を下ろしました。ロシア音楽の普及に努めた人物として高く評価されていたこともあり、亡くなった際には各国の音楽関係者が追悼のメッセージを贈りました。

エフゲニー・スヴェトラーノフの偉業と面白エピソード

エフゲニー・スヴェトラーノフは、ロシアの音楽の大々的な録音を行い、貴重なレコーディングを後世に残したという点で高い評価を得ています。

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エフゲニー・スヴェトラーノフのここが凄い

エフゲニー・スヴェトラーノフはロシア音楽をこよなく愛し、グリンカから始まるロシア音楽の大規模録音(ロシア・アンソロジーの録音)を敢行したことで知られます。あと一歩というところでこの世を去ってしまったので、エフゲニーが計画したロシア音楽録音プロジェクトは未完成で終わっているのですが、それでもあれだけ多くの曲をしっかり録音に残したということに対しては高い評価が与えられています。

また、エフゲニーはロシア・オペラのレベル上げにも貢献しており、ロシアらしい重厚さと豊かな大地を思わせる伸びやかな歌声を引き出す精彩な指揮は素晴らしいと高く評価されたのです。

エフゲニーは、ロシア音楽における貢献が認められ、1968年に人民芸術家に選ばれ、1972年にはレーニン賞を受賞しています。

ピアニストや作曲家としての顔

エフゲニーはピアニストとしての顔も持っており、特にラフマニノフの作品を得意としたと言われています。
作曲家として、そしてピアニストとして、ロシア国内の作品に留まらず、西側の近現代作品にも積極的に触れ、取り入れるようにしていたと言われています。
作曲の作風としては、プロコフィエフやショスタコーヴィチより世代が後なのですが、後期ロマン派から脱さない、甘く古典的な音楽が特徴として挙げられます。代表作には、交響曲第一番やピアノ協奏曲、交響詩「赤いカリーナ」などがあります。

エフゲニー・スヴェトラーノフの愛用品

汗っかきエフゲニーが愛用していのは、赤い小型扇風機です。汗の量が多かったエフゲニーは、一曲指揮する間でも冷風を欲したそうで、小さな赤い扇風機を必ず譜面台にくくりつけて指揮をしていました。これは演奏会のみならず録音の時も必ず用いていたようで、録音の中では扇風機のウィーンという音が絶え間なく聞こえてきます。その音があまりにもうるさいため、CDの解説書にも演奏中に聞こえる機械音は扇風機のものだといった但し書きが書かれてしまっているほどです。
ちなみに、エフゲニーはこの赤い扇風機をいたく気に入り、愛用していたため、海外演奏に出掛ける際にも変圧器付きで持ち歩いていたそうです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。ソヴィエトの指揮者エフゲニー・スヴェトラーノフについて見て来ましたが、ロシア音楽への愛をひしひしと感じ取ることができたのではないでしょうか。
エフゲニーのファンの間ではちょっとした名物になっていた赤い扇風機は、YouTube映像の中などでも確認できるので、気になるという方はぜひ一度見てみて下さい。

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