ピョートル・チャイコフスキー「舟歌」の解説。難易度や弾き方の注意点は?

出典:[amazon]チャイコフスキー:交響曲第4番/弦楽セレナーデよりワルツ、終曲[第2世代復刻版]

チャイコフスキーといえば、バレエ音楽や交響曲、協奏曲などをイメージする方が多いかもしれません。しかし、それ以外の様々なジャンルにも、代表作といえる作品は数多く残されました。その数ある代表曲の中から、ピアノ曲で有名な「四季」という作品集の中の「舟歌」について解説していきます。

ピョートル・チャイコフスキーと「舟歌」について

まずは、作曲者のチャイコフスキー自身についてと、舟歌という作品が入っている作品集についての紹介をします。

チャイコフスキーの生涯

チャイコフスキーにとって、音楽は幼いころから身近にあるものでした。しかし両親は音楽を仕事としていたわけではなく、またチャイコフスキーを音楽家にするつもりもなかったようです。10歳で法律学校に入学したチャイコフスキーは、入学した学校で合唱に出会い、音楽にふれる機会に巡り合いましたが、19歳で学校を卒業すると、そのまま法務省に入ります。

その後しばらくして音楽を勉強する場所を得て、本格的に学び始めてからしばらくした後、法務省を辞めることを選びました。26歳になったころから音楽院で講師を務め、ロシア5人組との出会いから交友を結び、その後35歳で自身の代表作「ピアノ協奏曲第1番」を作曲します。また翌年には、長年に渡って多額の資金援助をしてくれることになる女性とのやりとりが始まり、さらにその翌年には別の女性と結婚をしました。

38歳の時、音楽院の講師を辞め作曲に専念すると、現在代表曲として知られるたくさんの作品が作曲されます。しばらくの間、海外に長期滞在をしながらあちこちを転々としていたチャイコフスキーですが、45歳でモスクワ郊外に落ち着きました。50歳で急に資金援助が打ち切られてしまいますが、その理由は定かでなく、様々な説があげられています。そして53歳で交響曲第6番の初演を自身で行い、その数日後に亡くなりました。

チャイコフスキーの代表的なジャンル

チャイコフスキーといえば、一般的によく知られている曲が多いのはバレエ音楽です。バレエとして有名な「白鳥の湖」を始め、「眠れる森の美女」や「くるみ割り人形」も、チャイコフスキーが作曲しました。これらは三大バレエとしても知られていて、バレエやクラシック音楽に興味がない方でも、どこかで耳にするような曲がいつくも含まれています。

また交響曲や協奏曲も、当時のエピソードとともに語られることがあります。交響曲は後半のものが特に有名で、第6番「悲愴」に関しては初演をチャイコフスキー自身が行っていることや、その数日後に作曲者本人が亡くなっていることでも知られているのではないでしょうか。

また協奏曲に関しては、現在代表曲とされている「ピアノ協奏曲第1番」や「ヴァイオリン協奏曲」のどちらにも有名なエピソードが残っています。実はどちらも、初演を依頼しようとした相手に曲を批判されたり、拒否されたりということがありました。

初演といえば、先に紹介した「白鳥の湖」や「悲愴」の初演は、評判があまり良くなかったそうです。チャイコフスキーの代表的な作品のいくつかは、現在の人気からは考えにくいような評価をされていました。

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ピアノ曲作品集「四季」

四季という作品集の曲が世の中に出たのは、もともとは作品集という形ではありません。1875年にペテルブルクの雑誌で掲載するための依頼で、チャイコフスキーが1年のそれぞれの月に合わせた曲を作曲しました。それらの12曲を1つの作品集としてまとめたものが「四季」です。

中でも有名な作品の1つとして知られる「舟歌」は、6月にあてられた作品で、舟歌としては珍しい拍子で作曲されています。舟歌という作品はたくさんの作曲家によって作曲されていて、そのほとんどが八分の六拍子か八分の九拍子で作曲されているのに対し、チャイコフスキーは四分の四拍子で作曲しました。舟歌とは、もとは舟を漕ぐときに歌われる曲だったようで、クラシック音楽では1つのジャンルのような扱いになっています。

「舟歌」の難易度やポイント

「舟歌」という作品の演奏に関して、難易度はどの程度なのかについてと、難しいポイントを解説します。

難易度の確認の注意点

楽譜を開いて最初の部分だけを見ると、音やリズムなどからとても簡単そうな曲だと思ってしまうかもしれません。しかし、もし楽譜を見てレベルを確認するのであれば、この曲に関してはページを最後までめくってみて下さい。全体的に見ればそこまでレベルの高い曲ではありませんが、この曲の難しいところは中盤以降です。

難しいポイント

テクニックとしてのポイントは、同じ手の指で、押さえている音と動いている音が同時にある部分です。押さえている方の音にも動いている方の音にも、注意すべき点があるので繰り返しの練習が必要になります。

また、中盤のPoco piu mossoから曲の様子が変わりますが、ここも楽譜でパッと見た印象とは違い、思ったよりも弾きにくさを感じるのではないでしょうか

「舟歌」の弾き方の注意点

難しいポイントを把握したうえで、演奏する際の注意点を確認していきます。

ポイントを踏まえた注意点

1つの音を押さえながら他の指は動いている、という指の動きに関しては、クラシックであれば基本的に必要なテクニックです。この時、動いている方の音がスムーズなのかも大切ですが、実は押さえている音の方にもポイントがあります。それは、押さえている音が次の音に動く時の、スラーやレガートがきれいにできているかという点です。ただ押さえているだけなく、楽譜から、なぜそのような動きになっているのかを考える必要があります。

またPoco piu mossoからの注意点としては、拍の取り方があげられます。音自体は難易度が高いわけではありませんが、上手く拍を感じてリズムに乗れるような練習が必要です。

曲全体の注意点

強弱に関しては、長めにかかっているクレッシェンドや、クレッシェンドとデクレッシェンドで音のふくらみを表現するような部分がたくさんあります。それらの付け方を部分ごとに考え、意識しながら表現をすることが大切です。また速度の指示が何か所もあるので、見落としのないように注意をしてください。

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