ロベルト・シューマンの作品の特徴。代表曲おすすめ19選

出典:[amazon]Schumann: Complete Piano Works

幅広いジャンルの作品を遺したシューマンですが、この記事ではその作品の特徴と、それぞれのジャンルの代表作品を紹介していきます。

シューマンの作品の特徴


当初ピアニストを目指し、大変な練習を重ねていたシューマンは、その練習によって指を痛めてしまうことになりました。そのため演奏家としての活躍を目指すのではなく、作曲家としての活動へと進路を変更します。その影響で、初期の作品はピアノ曲ばかりとなり、ピアノ作品が多く作曲されたため、有名な作品もたくさん遺されました。

また、幅広いジャンルで作曲を行ったシューマンですが、「○○の年」と呼ばれる年がいくつかあります。例えば、クララと結婚した1840年は、歌曲作品だけで約120曲も作曲されていて、「歌曲の年」とされました。また、本格的に交響曲の作曲を行うようになった1841年は「交響曲の年」、翌年1842年は「室内楽曲の年」と呼ばれています。

ピアノ曲からおすすめ9選

アベッグ変奏曲 Op.1

この作品のタイトルにもなっている、「アベッグ」という女性の名前の綴りに沿って、基本的な進行が「ABEGG」の音形になっています。演奏時間は約7分で、1830年の作品です。また、「アベッグの名に基づく変奏曲」とも呼ばれます。

蝶々 Op.2

ジャン・パウルという作家の小説、「生意気盛り」から影響を受けて作曲された作品で、「パピヨン」とも呼ばれます。序奏と12曲で構成されていて、1829~1831年に作曲されました。演奏時間や約14分です。

謝肉祭 Op.9

シューマンの代表的なピアノ曲集で、20曲で構成されています。エルネスティーネ・フォン・フリッケンに片思いをしていた1834からの作品の為、彼女にまつわる音を使用している作品です。第11曲の「キアリーナ」というのは、妻クララのイタリア読みの呼び方で、第13曲の「エストレラ」というのはエルネスティーネのことだとされています。また、第12曲「ショパン」は夜想曲のような形式で書かれました。

幻想小曲集 Op.12

1837年に作曲された、8曲のピアノ曲集です。第2曲の「飛翔」が特に有名で、演奏される機会の多い作品になっています。それに対し第7曲の「夢のもつれ」は、弾きにくさから「指のもつれ」と呼ばれることもあるようです。また、「幻想小曲集」というタイトルの作品は他にもあるので注意してください。

交響的練習曲 Op.13

こちらもシューマンのピアノ曲として代表作に入る作品です。主題と12曲で構成されていて、演奏時間は約33分です。

子供の情景 Op.15

シューマンの作品の中でも特に有名な、ピアノ小品集です。13曲で構成されていますが、その中でも特に、7曲目の「トロイメライ」は広く知られています。また、この「トロイメライ」は他の楽器での編曲も多く行われました。

フモレスケ 変ロ長調 Op.20

「フモレスケ」とは、ユーモアを意味するフモールからできた言葉です。楽曲は7つに分けられますが、それらのほとんどは、変ロ長調とその平行調のト短調で作曲されています。平行調とは、簡単に説明すると調号が同じ調のことです。例えば、この変ロ長調とト短調に関しては、どちらの調もフラットがシ・ミの音に付いています。

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ウィーンの謝肉祭の道化 Op.26

タイトルにもあるように、ウィーンの謝肉祭を音楽で表現した作品です。1839年に作曲され、構成は5楽章になっています。

子供のためのアルバム Op.68

1~18曲までは第1部、19曲以降が第2部となっていて、第2部の方が大きな子供用の作品とされています。第10曲の「楽しき農夫」が特に有名です。

歌曲からおすすめ2選

流浪の民

もとはピアノ伴奏付きの四重唱のために作曲されましたが、合唱としての演奏も多くなっています。また、学校の音楽の曲集に載っていることもあるので、授業で合唱曲として歌ったことがある方が多いかもしれません。日本語で歌っていたため、外国の作品だとは思っていなかったという方も多いのではないでしょうか。

詩人の恋 Op.48

全16曲の連作歌曲で、第1曲の「美しい五月には」が有名です。この作品は、ハイネの詩を元に作曲されました。

交響曲からおすすめ4選

交響曲 第1番「春」Op.38

シューマンの完成された初めての交響曲です。1841年に作曲され、4楽章で構成されています。演奏時間は約33分です。

交響曲 第2番 Op.61

この作品は3番目の交響曲でしたが、2番目の交響曲が改訂されて第4番になったことで、第2番とされました。4楽章で構成されていて、演奏時間は約38分です。

交響曲 第3番「ライン」Op.97

この作品は、実際には完成された交響曲の最後の作品でしたが、2番目に作曲された交響曲が改訂されて第4番となったため、第3番となりました。5楽章で構成されていて、演奏時間は約35分です。

交響曲 第4番 Op.120

もともとあったニ短調交響曲の改訂が行われて、第4番とされました。構成は4楽章で、演奏時間は約30分です。

室内楽曲からおすすめ2選

ピアノ四重奏曲 変ホ長調 Op.47

室内楽曲の年と呼ばれる1842年の作品です。4楽章で構成され、演奏時間は約30分になります。

ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op.44

シューマンの代表的な室内楽曲の1つで、人気が高いため演奏機会も多い作品です。1842年に作曲され、翌年には妻クララがピアノパートを担当し、初演が行われました。4楽章の構成です。

協奏曲からおすすめ2選

ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54

シューマンの作品としては、完成されている唯一のピアノ協奏曲です。3楽章で構成されていて、演奏時間は約30分になります。

チェロ協奏曲 ニ短調 Op.129

この作品は、シューマンが亡くなった後の1860年に初演が行われました。3楽章で構成されていて、演奏時間が約25分です。

>>ロベルト・シューマンってどんな人?その生涯や性格は?

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