【保存版】西洋建築史をわかりやすく学ぶことができる本おすすめ15選

栄華を極めたローマ帝国の円形闘技場コロッセオ、美しいステンドグラスのゴシック建築の大聖堂サント・シャペル、いまだ未完のガウディの最高傑作サグラダ・ファミリア…。
素晴らしい建築の数々を生み出してきた西洋建築ですが、その歴史を詳しく知ろうと思うと専門用語などが多く、ちょっと近寄りがたいイメージがあるかもしれません。
そこで今回は、西洋建築史をわかりやすく学ぶことができる本おすすめ15選をご紹介します。
個々の建築物とその背景にある西洋建築史を学ぶことは、自然とヨーロッパの文化や歴史にも触れ、その知識を深めることにもなります。そして、これらの本を読み終えた時には、人々が花咲かせた文化の果実としての『西洋建築』を存分に味わえるようになっていることでしょう。

1. 代表作でわかる 世界の建築史入門(田所辰之助・川嶋勝:監修)


監修の日本大学の建築史・建築論研究室の教授、田所辰之助氏が手掛ける、世界文化社『ビジュアルで身に着く大人の教養』シリーズの西洋建築史入門書がこちら。
その名の通り、美しい写真を楽しみながら西洋建築の流れを古代、中世、近世、近代に分け、近代建築に大きくページを割いています。登場するのは、西欧建築に多大な影響を与えた古代オリエント建築、ギザのピラミッドに始まり、最新の建築緑化の代表作ボスコ・ヴェルティカーレまで。
要点を絞った説明文は、初心者でも抵抗がないよう専門用語は多用せず、西洋建築史の入門書として最適です。

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2.ゼロから始める建築の[歴史]入門(原口秀昭)

こちらは豊富なイラストとQ&A形式の解説からなる西洋建築史の入門書。
大学で建築史を教える著者が、わかりやすさをモットーに取り組んだという本書は、1つのテーマが1ページで完結し、重要な箇所にはアンダーラインが引かれているなど、参考書のようなきめ細やかさ。
政治や経済、宗教に歴史的背景など建築史に関わる要素はたくさんありますが、取り上げる対象をあえて建築本体に絞り、代わりに現代建築へとつながる近代建築の重要な要素については詳細に述べています。
何度も繰り返し目を通すことで建築史の知識がどんどんついていく、建築史を学ぶ手始めの1冊にふさわしい本といえるでしょう。

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3.世界遺産をもっと楽しむための西洋建築入門(鈴木博之)

本書では、ヨーロッパ文明の源流ギリシャ建築を代表するパルテノン神殿から、モダニズム建築の粋トゥーゲントハット邸まで、世界遺産建築の数々を通して西洋建築の歴史を学べるよう工夫されています。
アーキトレーブ、フリーズ、オーダー…専門用語が次々と出てきますが、写真とイラストを用いて注釈がされているので初心者でも安心。
随所にちりばめられたコラムでは、パルテノン神殿の装飾からはぎとられイギリスに持ち去られた彫刻、通称エルギン・マープルが博物館に飾るため着色が洗浄されてしまったこと、ギリシャが返還を求め続けていることなど、文化財返還問題も取り上げています。
これを読めば旅行の際にも、西洋建築史を踏まえての世界遺産の鑑賞ができる、一石二鳥の1冊。

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4.図説 西洋建築の歴史 美と空間の系譜(佐藤達生)

本書は、西欧を地中海世界とアルプス以北に分け、それぞれに起源をもつ建築の系統に二分して西欧建築史を論じます。
地中海世界でギリシャ・ローマの古典文化が誕生してヨーロッパ全体の基盤となり、次にアルプス以北で育まれた中世キリスト教文化が台頭、そしてルネサンス期においてふたたび古典文化の潮流が蘇り、新古典主義に結びついていく…という説明で、ヨーロッパの文化的背景の本質をつかむことができます。
そして、著者はその二つの文化が生まれたそれぞれの風土を比較分析し、その違いが建築の性格にまで影響を与えたことを明らかにしていきます。写真も多く手に取りやすい本ながら、ヨーロッパ文化の根本を掘り下げており、文化史の側面からも建築史を理解できる素晴らしい著作です。

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5.世界建築大全―より深く楽しむためにー(ジョナサン・グランシー 山田雅夫:日本語版監修)

カラー写真がふんだんに配され、西洋建築が大きな影響を受けたイスラム世界、インドと東南アジア、東アジアまで広範にわたりカバーされています。
特に興味深いのが、パルテノン神殿の建築当時の姿の再現図。私たちが目にする姿は、ビザンティン帝国の支配時に教会へと改造後、オスマン帝国の支配後モスクへと変えられ、その後大トルコ戦争に巻き込まれた際、ヴェネツィア共和国の攻撃で破壊された姿なのです。この再現図によって、極彩色に彩られ。あまたの彫刻で飾られていたパルテノン神殿の本来の姿を知ることができます。
もちろんこれはほんの一例。本書は建築大全の名にふさわしく、建築史だけでなく文化史をも学ぶことができる贅沢な1冊です。

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6.建築の歴史 世界の名建築の壮大な美とドラマ(ジョナサン・グランシー 三宅理一:日本語版監修)

イギリスの建築評論家で、王立建築家協会名誉会員の著者が解説する建築史。
紀元前8千年前の最初の建築、古代メソポタミアの住居まで遡り、オールカラーの写真や豊富なイラストを交え、文明とともに発展していく建築の歴史を辿ります。
最古の建築家と呼ばれるローマのウィトルウィウス、盛期ルネッサンスを代表するドナト・ブラマンテ、一大建築様式を生んだアンドレア・パラディオ、機能主義の父カール・フリードリヒ・シンケル、独創的な建築で知られるアントニ・ガウディ、モダニズム建築の巨匠ル・コルビュジエ。さらに建築を越え、都市そのものをデザインする現代建築家レム・コールハースまでを紹介。
気の遠くなるような時間を経て、原始的な住居から未来都市へと変貌してゆく建築の歴史がこの1冊に集約されています。

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7.西洋建築の歴史(西田雅嗣:編著 小林正子・本田昌昭・原愛・南智子)

こちらはまさに、西洋建築史の教科書として編纂された1冊。
冒頭の年表から始まり、学校で使われる歴史資料集を思い出させるような、コンパクトながら各時代の重要ポイントが詰め込まれており、巻末には『西洋建築の歴史理解のための50題』として学習課題までもが設定されています。取り上げる時代区分を、古代・中世・近世とあえて3つに絞り、そのひとつひとつを詳しく解説していくことで、近代そして現代の基盤となる部分を集中的に学べるようになっています。
西洋建築史の基礎をしっかり押さえたい方に最適なテキストです。

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8.西洋建築様式史(熊倉洋介・末永航・羽生修二・星和彦・堀内正昭・渡辺道治)


鎌倉を本拠地として活動する一級建築士、熊倉洋介氏が筆頭執筆者を務める本書では、『様式史による時代区分にしたがいながら、各様式の概念、様式の伝播の事情、そして各国における様式の扱い方の違いに視点を置き、西洋建築を古代オリエントからはじめて、現代のポストモダンまでに記述している』(『はじめに』より)という序文のとおり、建築様式を軸にして西洋建築史をたどります。
様式ごとに建築の外観と平面図が載せられており、ギリシャ建築の章を例にとれば、クレタ建築、ミュケナイ建築、幾何学様式時代、アルカイック時代、クラシック時代、ヘレニズム時代というきめ細かい分類での解説がされています。
西洋建築史の中でも、特に様式について詳しく知りたい方のための1冊。

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9.世界建築史ノート 「人類の夢」を巡歴する(中川武:編)

本書では、長年にわたり早稲田大学で建築史を教えてきた中川武氏の最終講義をもとに、西洋にとどまらず世界の諸地域を包括的にとらえ、人類が織りなしてきた建築の歴史を俯瞰します。
巻末の対談で、中川氏が講義の中でたびたび口にしたという『「全体重をかけて見る」とは、その建築を見た時に「ひとことで言うとこの建築は何か」と自らに問いかけることです』という言葉が出てきます。
それは、建築を目の前にした時、建築物そのものだけでなく、それが何を受け継ぎ何が表現されているか深く考えることが重要だという教え。世界の建築史を知るとともに、研究者が建築史に向き合う姿勢を窺い知ることができます。

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10.図説 西洋建築史(陣内秀信・太記祐一・中島智章・星和彦・横手義洋・渡辺真弓・渡邊道治)

本書では、全体としてヨーロッパ世界の建築史をたどりながらも、章ごとに独自のテーマが設定され、それぞれの研究者独自の視点で展開されています。
古代の章では、ギリシャ時代の紀元前5世紀には既にヒッポダモスによって都市計画が行われ、綿密なゾーニングのもとに神殿、市会議場、市場などの公共施設の配置が決められていたこと、またそこから景観を重視した都市計画へと変容していった経過など、西洋文化の礎となっているギリシャ・ローマの価値観についてもしっかりと学ぶことができます。
自らを、イタリアでモダニズム建築運動を牽引した7人の建築家グループ『グルッポ7』になぞらえた7人の著者による、西洋建築史の教科書といえる1冊。

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11.建築とエネルギーの人類史(バーナバス・カルダー 岩崎晋也:訳)

リヴァプール大学で教鞭を取る著者が、建築史を、建築物とエネルギーの歴史という視点で紐解く本書。
人類がわずかなエネルギーを消費するだけの狩猟時代から、農耕技術が向上し、食料備蓄という余剰エネルギーを生み出す農耕社会へ。その余剰エネルギーは労働力となり、ギリシャ、ローマの大規模な都市建設へと向けられていきます。また、建設のための動力エネルギーを見れば、薪から石炭へ。石油そして電気へと変わり、それに伴って建築も石造りの宗教建築から古典主義、ゴシック・リヴァイヴァル、紆余曲折を経てモダニズム建築へとその姿を変えていくのです。
建築史を学ぶことは、エネルギーを軸とした社会の変遷を見つめることでもあると本書は語ります。

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12.西洋建築空間史 西洋の壁面構成(安原盛彦)

建築空間とは、建築が生み出す空間が人々にとってどのように作用するかを考えるもの。
『アクロポリスの丘の上に昇っていくとき、プロピライア(門)を抜けるとパルテノン神殿が望める。しかし両者の軸線が振られているため、まず見えてくるのは神殿の北西の角でコーナーの整合性を見せている。つまりプロピライア(門)とパルテノン神殿の位置、両者の軸線がこのコーナー・ディテールの完結性を見せるために振られているのだ。そこに視覚を意識したギリシャ古典建築の特性が見て取れる』(『第一章 古代 パルテノン神殿』より)
建築空間という視点を通して、建築様式がこのレベルにまで綿密に計算し尽くされたものであることに気づかされ、読み進めるごとに西洋建築史の全体像について理解を深めることができます。

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13.世界建築史15講 (『世界建築史15講』編集委員会:編)

第一線で活躍する建築史研究者15人がそれぞれのテーマで建築史を語ります。
第1章は早稲田大学の建築史教授の中谷礼仁。木と粘土、石、レンガそして鉄。歴史とともに進化していく建築素材に焦点をあて、それぞれの特性が建築において何をもたらしたのかを解き明かします。コラムでは、日本最初の建築家、伊東忠太に言及。伊藤忠太こそは、中国からヨーロッパへ世界中を旅して建築を学び、それまで『造家』と訳されてきたArchitectureという言葉に『建築』をあてることを提唱した人であり、明治神宮や東京大学正門を建築した日本建築史の父なのです。
建築史をグローバルに論じ、建築史の基礎を越えてより広く、そして深く知りたい方にお勧めの1冊。

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14.図説 世界建築の歴史大辞典-建築・美術・デザインの変遷―(バニスター・フレッチャー ダン・クリュックシャンク 飯田喜四郎:監訳)

1896年刊行の『比較研究法による建築史』は著者フレッチャー郷の没後も信託財団に委ねられ、西欧以外の地域も加えるなど、改稿を重ねて100年にわたり刊行され、なんと第20版となっています。
本著はその名作の日本語版であり、世界史の教科書のような各地域の年表から始まります。日本の年表、イスラム世界の王朝略表もあり、西洋建築史にとどまらず、世界の建築史を網羅。
建築は、寒さをしのぐための原始的な住まいから、宗教的意味合いをもつ施設、都市機能を備えた住居群へと発展し、その歴史はとりもなおさず人類の歴史そのものでもあるということを再認識できます。
まさに歴史と建築の百科事典といえるでしょう。

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15.建築史 上・下(オーギュスト・ショワジー 桐敷真次郎:訳)


探検家、考古学者にして建築史家のオーギュスト・ショワジーが1899年に刊行した建築史大系。
若くしてフランス土木省総監に昇りつめ、その研究が土木事業の発展に貢献したことで称えられる人物です。
先史時代の石材の運搬方法から。当時の建築技術の最先端であったパリの国立博物館の大閲覧室(リシュリュー館)まで、簡素な文体で詳細な記述がなされている、まさに建築史学の金字塔と呼ぶにふさわしい名著です。
訳は日本の西洋建築史学の先駆者である桐敷真次郎。彼はこの『建築史』の訳刊行を始めとした多大な貢献により、2012年に建築学会大賞を贈られています。
上・下巻ともブリタニカ百科事典なみの分厚さですが、建築史を学ぶ上で必ずその名が挙がる名著。あなたも挑戦してみてはいかがでしょうか。

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