【保存版】西洋哲学史をわかりやすく学べる本15選

ソクラテス、プラトン、デカルト、スピノザ、ニーチェ…名前は聞いたことはあるけれど、それぞれの学説の内容まではなかなか理解しにくい、西洋哲学史の巨人たち。そもそも、哲学とはどういう学問なのかもよくわからない…そういう方も多いのではないでしょうか。

西洋哲学史において哲学の起源は、古代ギリシアにおいて『世界とは何か』を理解するための議論でした。世界を問うことは『わたしとは何か』『存在とは何か』という問いでもあり、それを解き明かすための研究は現代においてもまだ続く、人間の知の営みそのものでもあります。今回は、そんな西洋哲学の歴史をわかりやすく学ぶことができる本15冊をご紹介します。

1.はじめての哲学(石井郁男)

ヨシタケシンスケのかわいらしいイラストを添えた、やさしい哲学の本。第1章は『万物の根源は水である』と主張した古代ギリシアのタレスから、ソクラテス、プラトン、アリストテレスという偉大なる師弟たち。第2章『イギリス経験論と大陸壕理論』で、ベーコン、デカルト、カントを、第3章『ドイツ哲学の全盛期』はヘーゲル、ショーペンハウエル、ニーチェを取り上げ、第4章『現代世界への挑戦』でダーウィン、マルクス、デューイ、サルトル…総勢14人の哲学者の人生と哲学の変遷を追います。

最古の哲学者と呼ばれるタレスは、貿易商人の子。エジプトを訪れた時に測地学や天文学を学び、日食を予言したといいます。生活の中で触れたものすべてから学びを得る彼の姿は、考える=知を愛する(フィロソフィア)そのもの…このように、素朴な語り口から学べる哲学史初心者のための1冊。

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2. これならわかる!哲学入門  たとえで学ぶプラトンからドゥルーズ、老荘思想まで(冨増章成)

河合塾日本史科講師の著者がおくる、くだけた語り口で哲学を解剖する入門書。哲学の礎を築いた古代ギリシアのプラトンから20世紀のポスト構造主義者ドゥルーズまでを、日常生活に沿ったテーマで解説。第1章はなんと『プリクラでプラトンがわかる』…タイトルを見ると心配になりますが、これはプラトンの提唱した『イデア』を説明するためのギミックです。

なぜ女子は自分の写真をきれいに盛りたがるのか。それは『どこかに完全な存在があり、それと比較しているから』。つまり、完全な理想像がどこかにあり、現実の存在はその不完全な鏡であるため、理想に近づけようという心が働くというのです。その完全な存在が、プラトンの言うイデアです。哲学とは、人間を理解しようとして発展した学問であると、身近なできごとを使って解説しています。

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3.オール図解 30分でわかる哲学(世界哲学思想研究会/編)

本書は、哲学とは『私たちを取りまく世界、あるいは人生の根本的な原理、原則を研究する学問といったらいいでしょうか』(第1章より)という説明から始まります。

哲学を意味するフィロソフィー(philosophy)という言葉のもととなった古代ギリシア語フィロソフィア(philosophia) は『知を愛する』=『考える』という意味です。古代ギリシアでは学問とは哲学を指し、哲学からすべての学問が始まったのです。図やイラストを用いて、哲学の歴史と哲学者たちの思想をかみくだいて教えてくれる、まさに入門書にふさわしい内容となっています。

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4. 大学4年間の哲学が10時間でざっと学べる(貫成人)


大学4年間の○○を10時間で学べるシリーズ。とにかく難しい印象の強い哲学を、練りに練られた文章で、イラストや図表を交えながら『哲学とはなにか』から始まって、西洋哲学だけでなく東洋哲学にもページを割いています。西洋と東洋はアレキサンダ―大王より以前の時代からお互いに影響を与え合ってきたことを描く一方、欧米人が作り上げてきた架空の東洋(オリエント)への偏見…白人文化の方が優れており、支配することはむしろ恩恵であるという『オリエンタリズム』を批評したエドワード・サイードについても言及。この西洋優位の考え方が、無意識のうちに日本にも浸透してしまっていることに警鐘を鳴らしている本書は、哲学がけして机上でのみ勉強するものではないことを、読む人に気づかせてくれます。

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5. 哲学ドリル(鷲田小彌太)

『哲学者20人に聞きました。あなたの略歴と自己紹介をお願いします』という章から始まるユニークな哲学本。紀元前4世紀のプラトンから21 世紀のレヴィ=ストロースまで、簡潔に彼らの思想について紹介し、おさらいの穴埋め問題まで用意されています。

たとえば、『「わたし」とは何者なのでしょうか?』の章では、デカルトは『人間は考える葦だ/わたしは思考する主体だ』と答え、ソシュールは『世界はすべて「わたしの世界だ」/「何か」(本質)とは「ことば」である』と答えます。こうしてひとつのテーマで哲学者たちの見解を並べることによって、彼らの学説の違いを知り、はじめての人でも抵抗なく西洋哲学史に触れるとができる1冊。

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6. 図説・標準 哲学史(貫成人)

哲学の歴史は、最古の哲学者タレスから始まり、ソクラテスと弟子プラトンによって基盤が築かれます。そしてアレクサンドロス大王が大帝国を築いたことにより、ギリシア文化は中央アジア文化と接します。大王の師アリストテレスの哲学もアラビア世界に紹介され、そこで発展。そののちヨーロッパでは、アリストテレス哲学はキリスト教によって異端とされ衰退します。しかし、十字軍の遠征を機にヨーロッパに逆輸入され、約1,000年の時を経て神学者トマス=アクィナスによってキリスト教との融合を果たすのです。歴史のうねりが形作ってきた西洋哲学史を完全解説する名著、ぜひご一読ください。

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7. はじめて学ぶ西洋思想 思想家たちとの会話(村松茂美・小泉尚樹・長友敬一・嵯峨一郎)

村松茂美氏をはじめとした熊本学園大学の教授陣による一冊。ローマの政治家にして哲学者のキケロは、じつは古代ギリシアの哲学者たちの名著をラテン語に訳して広めた功労者。トマス・アクィナスは、アリストテレス哲学と出会い、その真摯に学問に向き合う姿勢によって、キリスト教信仰とギリシア哲学を融合させるという偉業を成し遂げます。

本書では、一人一人の哲学者たちの主張がどんな経験から生まれたのかを描き、彼らの歩んだ人生をなぞることで、哲学とは人間自身に向けられた、愛あるいは懐疑に満ちた鋭い視線であることを教えてくれます。

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8. はじめての哲学史講義(鷲田小彌太)

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哲学史という固いテーマを、軽妙洒脱な語り口で解説してくれる本書。13世紀のトマス・アクィナスのあと、ルターを取り上げています。敬虔な修道士だったルターは、カソリック教会の堕落に反旗を翻し、いわゆる宗教改革の口火を切ります。

『聖書に書かれていないことは認めることができない』という主義を掲げ、ヘブライ語の旧約聖書とギリシア語の新約聖書をドイツ語に訳したのです。読むこと自体が特権であった聖書を、庶民が読めるものにした功績はどれほど大きかったでしょうか。そしてその潮流は、近代ドイツ哲学へと実を結んでいくのです。各章末のコラムもまた、14世紀の修道院で巻き起こる殺人事件を描いた映画『薔薇の名前』の背景の解説など、ついつい引き込まれるものばかり。

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9. 知の歴史 ヴィジュアル版哲学入門(ブライアン・マギー 中川純男:日本語版監修)

フルカラーの図版や写真を多く載せ、初心者に理解のてがかりを与えてくれるBL出版のヴィジュアル版歴史シリーズ。17世紀のスピノザは、ユダヤ人としてアムステルダムで誕生。厳格なユダヤ教の教義に反する先進的な宗教観を持ったために破門され、レンズ職人で生計を立てます。ハイデルベルク大学の哲学教授の職を断り、哲学と聖書の文献学的研究をする日々を過ごし44歳で死去。神こそが世界であり、自然であるとするその考えは、自由な気風で思想家にとっての避難場所だった当時のオランダでこそ育まれたであろうことを、当時の様子を描く絵画を添えて解説しています。哲学者たちが生きた時代ととりまく環境を、たくさんの資料を積み上げることによって、より深く理解できる1冊となっています。

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10. 若い読者のための哲学史(ナイジェル・ウォーバートン 訳:月沢李唄子)

著者は、哲学入門書を多く手掛け。ブログやポッドキャストで哲学について意欲的に発信するイギリスの哲学者ナイジェル・ウォーバートン。16世紀のデカルトの章は、『目覚ましの音が聞こえる。それを止め、ベッドからもそもそと起き出し、身支度をして朝食を取り、1日を始める』(Chapter11より)という一文から始まります。

しかし、本当の自分はベッドの中でまだ寝ている…という、誰もが経験したことのあるこの体験は、『偽の覚醒』と呼ばれる現象。優れた数学者でもあったデカルトは、この現象を体験したことを機に、何が信じるに足る事物なのかを考え始め、方法的懐疑という手法を編み出し『われ思う、ゆえにわれあり』という有名なことばが生まれるのです。哲学者たちが情熱をささげた研究が平易な言葉で綴られ、こなれた訳で小説のように読み進めることができます。

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11. 絵で見る哲学の歴史(ギュンター・シュルテ 勝道興:訳)

こちらもまた、肖像画や年表、イラストを用いて哲学史を解説。『純粋理性批判』で知られる18世紀のイマヌエル・カントの項では、肖像画を添え『彼は小柄157センチで痩せていて、胸はくぼんで、右肩は高く上がっていて、こぎれいで、神はブロンドで、目は青く、人好きのする感じの立派な紳士であった』(『近代の哲学』の章より)と注釈が書かれています。偉大な哲学者カントについて、これほどに詳細な記述が哲学史の本で書かれるのは非常に珍しいことです。この絵と注釈によって、小柄なカントが他の哲学者と青い目を輝かせて議論するのが目に見えるよう。哲学者の人となりかを知ることは、理解への糸口となるでしょう。本書では随所にこのような工夫が凝らされています。

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12.この哲学者を見よ 名言でたどる西洋哲学史(ピエトロ・エマヌエーレ 泉典子:訳)

本書の語り口は、率直を越えて辛辣。19世紀初頭の激動の欧州情勢に生きたヘーゲルは、ドイツ観念論を代表する偉大な哲学者。しかし著者は彼を『理性研究のエース』としつつも、『彼は確信していたのだ。世界の思想史は自分の学説をもって頂点に達したので、これからはどんな学説を唱えても無意味であると。(中略)芸術は彼の学説に押しつぶされて遠からず消え去るだろうと考えた。しかし芸術が死に絶えるはずがなく、それどころかヘーゲルは、ベートーヴェンの天才にも気づかないぼんくらだったのだ』(19章より)とこき下ろします。ベートーヴェンはヘーゲルと同い年。モーツァルトを褒めはしても、ベートーヴェンについては生涯言及しなかったことへの批判でしょうか。辛口ではあるが的確な西洋哲学史、読みたくなってきませんか?

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13.哲学思想の50人(ディアーネ・コリンソン 山口泰司・阿部文彦・北村晋:訳)

本書で取り上げるのは、古代ギリシアのタレスからサルトルまでの50人。ニーチェの章では、若かりしニーチェが憧れのワーグナーと親交を持ち、最初は喜んだものの、やがてワーグナーの反ユダヤ主義を嫌悪して疎遠になったことを描きます。そしてその後に多くの批判的な著作を成したことについて『彼の考えた超人とは、(中略)人生の考えうるいっさいの恐怖や悲惨に直面してもなお喜びをもって人生を肯定するような人物である』(『ニーチェ』の章より)と著者は語り、彼の妹が思想メモを改竄してナチスへと渡した結果、ナチズムに利用されてしまったことにも触れています。各哲学者の生きた時代と状況をみごとに分析し、ひとり当たり6ページに凝縮。読み進めやすいながらも内容の濃い一冊です。

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14.西洋哲学史 パルメニデスからレヴィナスまで(ドミニク・フォルシェー 川口茂雄・長谷川拓哉:訳)

パリ東大学教授の著者が書く、コンパクトな西洋哲学史入門。本書では紀元前540年生まれのパルメニデスを哲学の父としています。『存在はある、無はない』としたパルメニデスの言葉に『このパルメニデスの言明はあまたの哲学学説のうちのひとつなのではない。そう、まさしく哲学というジャンルそのものの成立に、われわれは立ち会っているのだ。哲学の対象、それは存在している物<存在者>の存在である。哲学すること、それは、存在を言葉にして語ることである』(『第1章哲学の自己探求 古代ギリシア』より)新書サイズでありながら、数千年にわたる知の営みである西洋哲学のエスプリを集めた1冊となっています。

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15.年表で読む哲学・思想小事典(ドミニク・フォルシェー 菊池伸二・杉村靖彦・松田克進:訳)


パリ東大学教授の著者が書く、年表形式の哲学史。西洋を中心とはしていますが、いわゆるオリエント(東洋)までも含んだ哲学史となっているのは、歴史上からみて、エジプト文明が古代ギリシア人に哲学の手ほどきをしたようものだからだ、と著者は語ります。年表の始まりは『紀元前二三○○年頃 エジプトにメンフィスの神学学派が登場する』、そして年表の最後は『一九九一年 G・ドゥルーズとF・ガタリの「存在とは何か」』。現代においてさえ、人間は人間という存在について考え続けているのです。最終的な不変の答えが出るということは、きっとこれからもないのでしょう。しかし、考え続けることそのものがすなわち哲学(フィロソフィ=知を愛する)である、ということなのかもしれません。

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まとめ

いかがだったでしょうか?色々な角度で哲学を学べる本が多くあります。いいなと思った一冊を是非手に取ってみてください。

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