音楽理論と聞くと難しいように聞こえますが、演奏や作曲などを行う時の方法を導くための基礎的な理論を言います。
子供のころからピアノやヴァイオリンなど習っている人は、知らず知らずのうちに身に付けているので、改めて学んだ時に「あ、そうゆうことだったのか」と思うことが出てくるはず!
音楽理論を学ぶと曲の構成を理解することができ、聴いている人にどんな印象を与えるのかがわかるようになります。
今回は音楽理論について、わかりやすく、親しみやすく説明していきます。
音楽理論とは
音楽理論とは?一言で言うと音楽の仕組みや手法を理論的に説明するものです。
理論って言葉がちょっとハードルを高くしがちですね。
しかし、知ることによって音楽の幅が広がります。
今回は少しでも音楽理論が身近になるように説明していきますね。
音楽理論の種類
実は音楽理論を全て知ろうとすると無限にあるので、代表的なものをご紹介します。
楽典
音楽の基本的なもの 楽譜を読んだり書いたりするのに必要な約束事
旋法
旋律を作る方法、約束事
和音
二つ以上の音を同時に鳴らしたもの
和声法
和音の進行 いわゆるハーモニー
対位法
二つ以上のパートが独立したメロディーを奏でながら進行していく方法 フーガやカノンなど
管弦楽法
メロディーをオーケストラで表現する手段を研究し、表現すること
音楽理論の代表的なものを挙げましたが、これを一気に習得することは困難です。
まずは何の目的で音楽理論を学ぼうと思ったか?ということが大切になります。
その上で、自分に必要な物から学んでいくとよいでしょう。
音楽理論を学ぶメリット
今までの人生で自分にとって心地よい、心に響く音楽と出会ったことは何度かあると思います。何も知らなければただ単に「いい曲」「好きな曲」で終わるのですが、音楽理論を学ぶことによって「なぜ心地いいのか?」がわかるようになるでしょう。
旋律が醸し出したものなのか?ハーモニーなのか?リズムなのか?紐解いて考えると好きな音楽の傾向が浮かび上がってきます。
音楽の表現者としてまた、趣味として深く音楽を聴く者として音楽を語るうえで理論を心得ていると世界が広がるのです。音楽理論が音楽を語るうえでの共通語の役割を担います。
そして、昔の作曲者たちの残した楽譜を読み解き、表現する上でも音楽理論が重要です。
また、作曲する上で音楽理論を心得ていると表現の幅が広がり、よりスピーディーに自分の求めている曲に近付けることが出来るようになります。
音楽は感性が大切だから理論なんて必要ないという人もいますが、今、音楽理論ってなんだろう?と思った時点で学んで損はありません。
音楽理論を学ぶ順番
初心者の人は、音楽理論の何から始めたらよいのでしょうか?
まずは楽譜が読めるようになることが先決です。英語を学ぶ上でアルファベットを学ぶことと同じです。音楽理論を始めようと思っているのでしたら、まずは楽譜に向き合ってください。
➀楽典から始めよう
楽譜がある程度読めるようになったら、まず「楽典」を購入し、楽典から始めましょう。楽典では以下に記述する事を学ぶことができます。
- 音の名前
- 音の形
- 音程
- 音階と調
- 和音
- 速度記号
- 発想記号
楽典は音楽を学ぶ上での基本中の基本が記されています。冒頭でお話しした通り、幼いころから音楽に携わっている人が中学、高校くらいでこの楽典を開いたら「こんなこと知ってる」ということが出てきます。それを改めて学ぶことで自身の音楽知識が向上出来るのです。楽典とはその名の通り「音楽辞典」といってもよいでしょう。
まずは楽典をしっかり読んで、音楽の基本を身に付けることが大切です。
➁ソルフェージュを学ぼう
音楽理論を身に付けるにあたり、ソルフェージュを習うことをおススメします。
楽典だけだとどうしても頭の中だけの処理になりがちです。
ソルフェージュを同時進行することで音楽理論を身に付ける近道になるでしょう。
ソルフェージュについては次の項で説明します。
➂専門的な分野に挑戦
旋法や和声法など旋律の運び方や和音の響き方などを学び、心に響く音楽の成り立ちを知ることができます。
対位法や管弦楽法を学ぶと曲作りに活かせます。
クラシック音楽を聴く時にこれらの知識があると更に感慨深い鑑賞ができるでしょう。
ソルフェージュとは
ソルフェージュとは楽譜を読むことを中心にした基礎訓練のことを言います。
音楽理論を実際の音に結び付けることが出来るのです。
ソルフェージュと楽典の同時進行により、音楽の基礎を自然と取り込むことができるようになります。ソルフェージュは楽曲の演奏とは異なり、楽譜通りにきっちりと演奏することが必要です。ソルフェージュ訓練法をご説明します。
読譜
楽譜を読んで音と奏してイメージし、実際に歌ったり演奏したりする
新曲視奏(唱)
楽譜を見て、即演奏することで音楽学校の入試ではほとんどの学校で取り入れられる
聴音
音を聞き取り、楽譜に起こす事。こちらもほとんどの音楽学校の入試科目となっている
ソルフェージュは基礎訓練であるが故にスポーツの筋トレ同様、ちょっと地味で面白くない部分があります。しかし、基礎を鍛える意味では筋トレで体幹が鍛えられるように演奏する上での基礎が身につくことができるのです。
それと同時に自然と音楽理論が身についています。
>>ソルフェージュって何?意味や効果は?やり方はレッスン・独学どちらがいい?
音楽理論初心者へおススメ本
音楽理論を学ぼうと思ってもどの本を買ったらいいのか迷いますね。
現役音楽高校生に聞いたおススメの音楽理論を身に付ける教則本をお教えいたします。
楽典 理論と実習(音楽之友社)
音楽理論の基本中の基本が学べます。受験生の間ではロングセラーです。
[amazon]楽典―理論と実習
コールユーブン(大阪開誠館)
合唱教則本。音程、リズム、読譜、発音、声楽の初歩的な訓練ができます。
[amazon]全訳コールユーブンゲン
コンコーネ(全音楽譜出版社)
声楽の教則本で、歌詞がなく母音や音階で歌います。
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新曲の森 音大生・受験生のための視唱課題課題(カワイ出版)
視唱訓練のための教則本です。
[amazon]新曲の森 音大生・受験生のための視唱課題
ソルフェージュ 視唱(音楽の友社)
[amazon]ソルフェージュ・視唱 国立音楽大学編
以上、現役音楽高校生おススメ教則本をご紹介しました。
ご自分の目的に合わせて選んでください。
まとめ
音楽理論についてお話ししました。少しは音楽理論が近くなったでしょうか?
音楽に携わっていると知らず知らずのうちに音楽の基礎が身についていて、それを言葉にして表現しやすくしたものが音楽理論になります。
英語でもカタコトから流暢にしゃべれる人まで様々ですが、自分の思いを伝えるという意味では流暢にしゃべりたいですよね。
音楽理論を学び、楽譜が読めるようになることで作者の思いを受け止めることができます。
百人一首でいにしえの人々の恋心を読み解くように、音楽を聴いてベートーヴェンの思いを解釈することができるようになれば音楽も更に楽しくなると思いませんか?
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