パブロ・デ・サラサーテってどんな人?出身やその生涯は?性格を物語るエピソードや死因は?

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ヴァイオリン曲としてもっとも有名な作品の1つ『ツィゴイネルワイゼン』を生み出した、スペイン生まれのヴァイオリニスト、パブロ・デ・サラサーテ。幼少期から天与のヴァイオリンの才能に恵まれたサラサーテは、溢れるばかりの情熱と、その卓越したテクニックにより、19世紀において絶大な人気を獲得しました。その人気は今もなお衰えることなく、ヴァイオリニストにとって定番の作品として、コンサートで演奏されています。そんなパブロ・デ・サラサーテとはどのような人物だったのでしょうか。

今回は彼の生涯についてエピソードや作品を交えながら紹介します。

パブロ・デ・サラサーテの生涯

パブロ・デ・サラサーテの生涯について紹介します。幼少期から天才的才能を発揮し、19世紀のクラシック音楽界に新風を巻き起こしました。

スペイン生まれの天才

パブロ・デ・サラサーテ(以下サラサーテ)は、1844年3月10日、スペインのパンプローナに生まれました。パンプローナは「牛追い祭り」で有名なスペイン有数の観光地です。
軍人だった父はヴァイオリンを嗜む人物だったようで、サラサーテは5歳から父にヴァイオリンを習い始めます。類い稀な才能を発揮したサラサーテは、わずか8歳でコンサートを開き神童として生涯の早くから注目を集めました。

その後12歳でフランス・パリ高等音楽院に入学を許可されたサラサーテ。しかしパリに向かう途中で母が亡くなり、自身もコレラに罹かるなどの不幸が重なります。最終的に、この事態を見かねたスペイン領事がサラサーテの後見人となることで難を逃れ、無事にパリ高等音楽院に入学を許されました。

パリにて鮮烈なデビュー

パリ高等音楽院でも他の生徒を圧倒する才能を披露したサラサーテ。17歳のときに開かれた校内コンクールにてスペイン人初となるグランプリを獲得すると、コンサート・ヴァイオリニストとしてパリデビューを果たし、瞬く間にその人気が高まり始めます。その後パリに続きロンドン、北米、南米など世界各国を演奏旅行で周り、スペイン人ヴァイオリニストとして不動の人気を獲得しました。

またサラサーテは作曲でも才能を発揮。ジョルジュ・ビゼーサン=サーンスといった同時代の作曲家たちにも一目を置かれる存在にまで成長します。

晩年

デビュー以降、ヴァイオリニスト兼作曲家として、世界的名声を獲得したサラサーテは、晩年に至るまでコンサート・作曲活動に意欲的に取り組みました。そんな姿を見た劇作家のバーナード・ショーはサラサーテについて「ヴァイオリンのための音楽の作曲家はたくさんいるが、ヴァイオリン音楽の作曲家はほとんどいない」と述べ、その才能を賞賛しています。そんな名実ともに最高の音楽家と称されたサラサーテですが、1908年9月20日、慢性気管支炎のためフランスのビアリッツにてこの世を去りました。享年64歳。
サラサーテが愛用した名器ストラディヴァリウスは現在、彼を偲んで「サラサーテ・ストラディヴァリウス」と称されています。

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サラサーテのエピソードについて

サラサーテのエピソードについて紹介します。
大衆からの人気はもちろん、サラサーテは当時の大作曲家たちからも敬愛されていました。

多くの作曲家から作品を献呈される

ヴァイオリニストとして不動の人気を獲得したサラサーテ。演奏家としてもさることながら、作曲家としても数々の名曲を残しています。そんなサラサーテを当時の作曲家たちが放っておくわけがありません。彼の才能に魅了された多くの作曲家たちが、自身の作品を演奏してもらうために作品を献呈しています。

たとえば、エドゥアード・ラロの『スペイン交響曲』やサン=サーンス作曲『ヴァイオリン協奏曲第3番』などは、サラサーテに献呈された作品として有名です。サラサーテがとても魅力的な人物だったことがわかるエピソードですね。

サラサーテの演奏動画

サラサーテの代表曲を2曲紹介します。今回紹介する2曲は現在でも非常に人気があり、コンサートやアンコールの定番曲です。クラシックに馴染みのない方でも、きっと1度は聴いたことがあることでしょう。

ツィゴイネルワイゼン

サラサーテ作品といえば『ツィゴイネルワイゼン』と言われるほどの名曲です。
1878年に管弦楽伴奏付きのヴァイオリン独奏曲として作曲され、これまで数多くのヴァイオリニストによって名演が残されています。本作の『ツィゴイネルワイゼン』というタイトルは「ジプシーの旋律」を意味します。

クラシックコンサートで演奏される他、フィギュアスケートのプログラムでも使用されているため、日本人にとっても馴染み深い作品です。

カルメン幻想曲

シャルル・ビゼー作曲『カルメン』のハイライトをヴァイオリン曲にアレンジした作品。
1883年に作曲が行われ、発表当時から爆発的な人気を獲得しました。
作品では『カルメン』で用いられる、
・アラゴネーゼ
・ハバネラ
・間奏曲
・セギディーリャ
・ジプシーの踊り
これら5曲が幻想曲スタイルで展開します。

正式名称は『ビゼーのオペラ「カルメン」のモチーフによる演奏会用幻想曲』ですが、一般に『カルメン幻想曲』の名で親しまれています。
『カルメン』の有名曲が多く登場するので、こちらも必聴の1曲です。
サラサーテの情熱溢れる作品をぜひお聴きください

まとめ

今回は稀代のヴァイオリニスト、サラサーテについて解説しました。彼のスペイン人らしい情熱的な作品は、何度聴いても飽きることがありません。サラサーテの作品は、クラシック初心者の方でもすんなり受け入れられる、明快な作品ばかりですので、ヴァイオリンの美しい音色や表現の豊かさを味わいたい方にはピッタリだと思います。
この記事をきっかけにして、ぜひサラサーテの作品を改めて聴いてみてはいかがでしょうか。

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