ピアノでグリッサンド奏法を取れ入れると、華やかにオシャレな雰囲気に聴こえます。鍵盤に指を滑らせて、ある音からある音までを一気に弾いていきます。
グリッサンドをアレンジに入り入れるとカッコいい感じで演奏できるでしょう。グリッサンドは弾いているのを見ると簡単そうに見えますが、意外とコツがいる奏法です。
そんなピアノのグリッサンドについての解説や注意点など疑問に感じることをご紹介します。
グリッサンド (伊: glissando)とは?
グリッサンド奏法 は、「滑る」という意味になります。滑らせるように流れるように音高を上げ下げする演奏技法のことを言います。楽譜にグリッサンドの記号が書かれている場合は、波のような記号、もしくは「gliss」と書かれています。クラッシックでは数少ないですが、ポピュラー音楽や、ポップス、ジャズなどのアレンジでグリッサンドを入れると、演奏効果も高く、華やかにかっこよく聴こえます。
グリッサンドの種類
グリッサンドをするときには、いくつかのパターンがあります。
- 右手で上から下に(高い音から低い音)に向かって演奏する
- 右手で下から上に(低い音から高い音)に向かって演奏する
- 左手で上から下に(高い音から低い音)に向かって演奏する
- 左手で下から上に(低い音から高い音)に向かって演奏する
- 両手で上から下に (高い音から低い音)に向かって演奏する
- 両手で下から上に(低い音から高い音)に向かって演奏する
※いずれもペダルを踏みます。
グリッサンドの演奏の仕方
鍵盤上に2~3本(2.3.4の指)の指を乗せて、鍵盤に這わせるようにして上がったり下がったりして演奏をします。右手で上から下に向けてのグリッサンドは、手の力を抜いて、鍵盤の上に親指、もとくし2.3の指を水平に近い状態に置くようにし、鍵盤を滑らせるように弾きます。
右手で下から上に向けてのグリッサンドは、2~3本(2.3.4の指)の指で手の甲を垂直に鍵盤に這わせます。2~3本の指に均等に重さをかけて一気にある音からある音までの範囲で動かしていきましょう。速度がバラバラになると音もバラバラに聴こえてしまうので、均等に一気に動かしていきます。慣れない場合は、力のかけかたが難しいかもしれません。また指の皮膚は薄いので、指が痛くなってしまうこともあるでしょう。
グリッサンドのポイント
①手の力を抜く
グリッサンドをするときに、下から上に弾いていくときには3本の指で音を慣らしていきます。上から下に音を鳴らしていくときには、親指で鍵盤を滑らせていきます。グリッサンドをするときには、力が入りすぎると手が痛くなる原因になるので、できるだけ手の力を抜くように意識していきましょう。
②鍵盤を撫でるように
滑らかなグリッサンドを演奏するためには、鍵盤をあまり深く弾き過ぎないようにしましょう。深く鍵盤を弾くと、手も痛くなり、音もゴツゴツしてグリッサンドが滑らかに聴こえなくなってしまいます。鍵盤は軽く触れて滑らすように弾いていきます。
③第一関節に当たらないように
第一関節が鍵盤に当たってしまうと、手が痛くなって怪我の原因になってしまいます。やり過ぎると皮膚の皮がめくれたり、血がでることもあります。鍵盤に第一関節が当たらないように意識して、弾いてみましょう。また爪が長くなると鍵盤の溝に引っ掛かる危ないので、爪はきちんと手入れしておくことが大切です。
④人によって使用する指が異なる
右手で下から上に向けてのグリッサンドは、3本の指を使いますが、人によっては、3本の指の長さの状態で、2.3の指で弾いた方が弾きやすい方と、3.4の指で弾いた方が弾きやすい場合があります。右手で上から下に向けてのグリッサンドは、親指のみで演奏する場合と、2.3の指で演奏する場合があり、人によって弾きやすい指が異なります。
但し、2.3.の2本の指で演奏した方が、音に安定感がでてきます。臨機応変に自分の指の長さに応じて、弾きやすい指を確認してみるとよいでしょう。
⑤肘や腕を意識して演奏する
グリッサンドを演奏するときには、指を意識するのではなく、肘や腕を意識すると弾きやすくなります。肘や腕の動きで、音を移動させるイメージで弾いていきましょう。
グリッサンドの音色を変えるには
グリッサンドの速度を変えることで、音色に変化がでてきます。速度がゆっくりだと柔らかいグリッサンドになり、速度が速くなると音も硬く聴こえます。演奏する曲に応じてグリッサンドのテンポを微調整していきます。また、繊細に弾きたいときには、指を一本にしたりして弾くこともあります。いろいろと自分の指で試して、音を確認してみるとよいでしょう。
まとめ
グリッサンドをうまく取り入れていくことで、華やかで素敵な音楽に聴こえます。人によって使いやすい指が異なり、音色やテンポなど表現によって指を変えて弾くことができるので、いろいろと試してみましょう。曲に応じてグリッサンドのやり方を研究すると、より素敵な音楽を奏でることができます。
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