アルトゥール・シュナーベルってどんな人?出身やその生涯は?性格を物語るエピソードや死因は?

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19世紀後半に生まれ、20世紀半ばにかけて世界的ピアニストとして活躍したアルトゥール・シュナーベル。歴代ピアニストランキングでは、常に上位に選出され、その演奏は現在もなおクラシック音楽ファンに愛され続けています。またシュナーベルは、ピアニスト史上初となる「ベートーヴェンのピアノソナタ全集」録音を達成し、20世紀の音楽史においても重要な役割を果たしました。
そんな偉大なピアニスト、アルトゥール・シュナーベルとはどのような人物だったのでしょうか。今回はエピソードを交えつつ、その生涯を解説します。

アルトゥール・シュナーベルの生涯

ユダヤ人の家系に生まれたシュナーベル。幼少期から天才少年として注目され、やがてその才能はベートーヴェン弾きとして開花します。

天才少年現る

アルトゥール・シュナーベルは1882年4月17日にオーストリアに生まれました。3人兄弟の末っ子だったシュナーベルは、幼くして母と姉2人とウィーンに移り住み、ウィーンの地でピアノの手ほどきを受けます。幼い頃からピアノの才能を発揮したシュナーベル。その才能は瞬く間に開花し「天才少年」として早くから注目を集め、1890年、わずか8歳でピアニストデビュー。デビュー後も、テオドール・レシェティツキーやエウセビウス・マンディチェフスキーなどの著名な音楽教師から音楽理論と作曲を学び、研鑽を重ねます。

早くから音楽界で名声を獲得したシュナーベルは、同時代の作曲家たちとも積極的に交流を持ち、なかでもアルノルト・シェーンベルクとは長きにわたり交流を深めました。
また1911年からは室内楽の演奏も積極的に取り上げ、ベートーヴェンのトリオで世界的名声を獲得しています。

第2次世界大戦の戦禍を逃れて

20世紀の初頭から世界的ピアニストとなったシュナーベル。しかしそんな彼にも戦争の足音が近づきます。1933年にヒトラーが政権を握ると、ユダヤ人だったシュナーベルはスイスへ逃れ、シュナーベル・スクールを設立。新天地において後進の育成に取り組み始めます。スクールには50人もの生徒が参加し、多くの優れた学生を育てました。シュナーベル本人も1932年から1937年にかけて、ベートーヴェンのソナタ全曲録音を完成させ、名実ともに「ベートーヴェン弾き」として認知されるようになります。

またシュナーベルは、当時評価が高くなかったシューベルトのピアノ・ソナタを再発見したことでも知られており、今日のシューベルトの評価に大きな影響を与えています。
1939年からはアメリカに移住し、ピアニスト、作曲家、音楽教師など、さまざまな分野において活動し、1944年には市民権を取得しました。

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ピアノに捧げた生涯

アメリカで市民権を取得したシュナーベル。そんな彼の人生は、まさにピアノに捧げた生涯と言えるでしょう。終戦後もピアニストとしての活動を継続した他、作曲やレコーディングにも力を入れ、数々の名盤、名演を世に送り出しています。晩年にはスイスのシュヴィーツに移り住み、同地において69歳でこの世を去りました。詳しい死因はわかっていませんが、死後はシュヴィーツに埋葬され、ダニロ1世王子より勲章が授与されています。
シュナーベルの墓には妻と息子夫婦、そして若くして亡くなった孫のクロード・アラン・モティエも埋葬されており、一家の記念碑として現在も大切に保存されています。

アルトゥール・シュナーベルのエピソードは?

幼少のころから天才少年として注目されたシュナーベル。
その驚異的才能には、ブラームスでさえ驚きの声をあげました。

ブラームスからも賞賛を受ける

天才少年を経て「ベートーヴェン弾き」として世界的名声を博したシュナーベル。そんなシュナーベルの才能を、いち早く見抜いていたのが『ハンガリー舞曲』などで有名なヨハネス・ブラームスです。若きシュナーベルの演奏を聴き、その才能に驚愕したブラームスは「将来もっとも恐るべき天才」と絶賛し、輝かしい将来を予見しました。
そしてその予言は見事に的中し、シュナーベルは前人未到の偉業を成し遂げることとなります。

ベートーヴェンのピアノソナタ全集を完成

その偉業こそが「ベートーヴェンのピアノソナタ全集」の完成です。この偉業のきっかけは、1927年、7日間にわたって開催された「ベートーヴェンのピアノソナタ全曲演奏会」でした。
これにより「ベートーヴェン弾き」として認知されたシュナーベルは、1932年から5年の歳月をかけて、ベートーヴェンのピアノソナタ全集及びピアノ協奏曲全曲の録音に着手。ピアニストとして初の偉業を達成します。また録音の際に楽譜に記した解釈は現在も「シュナーベル版」として受け継がれ、世界中のピアニストにとってのバイブルとして使用されています。

アルトゥール・シュナーベルの演奏風景

シュナーベルの演奏の特徴は「思慮深さ」にあるというのが筆者の感想です。ベートーヴェンやシューベルトといった偉大な作曲家が「作品を通して何を伝えようとしていたのか」。シュナーベルはこれを生涯をかけて探求しているかのようです。決して派手に飾ることはありませんが、作品へのひたむきで謙虚な思いが演奏を通して伝わってきます。

今回は彼の代名詞であるベートーヴェンとシューベルトの演奏をご覧ください。

まとめ

稀代のピアニスト、アルトゥール・シュナーベルの生涯を紹介しました。偉大なピアニストであると同時に教育熱心だったシュナーベル。弟子にはクロード・フランク、リリ・クラウス、ディヌ・リパッティ、ウラディスワフ・シュピルマン、ビルガー・ハマーなどがおり、彼の音楽的解釈と理論は、次世代のピアニストたちへと受け継がれています。
シュナーベルの演奏は現在も色褪せることなく、聴く人の心に豊かな安らぎを与えてくれます。この記事をきっかけにシュナーベルの演奏を聴いてみてはいかがでしょうか。

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